【名古屋大学経済学部】3年次編入対策 – 過去問解説解答、予想問題・難易度合格ステップ

2022年度(2021年実施)

 

問1

生産に負の外部性がある場合,競争市場は効率配分を達成しないという命題について考えます。

(1)

生産に負の外部生とは,第三者の犠牲の上に成り立つコストを指します.たとえば公害は,公害を発生させる製品の製造や消費に無関係な第三者である環境に害を及ぼすため,生産における負の外部性となります。

 

(2)

【図表を確認する】

 

 

(3)

コースの定理とは,所有権が確定されているならば政府の介入がなくても市場の外部性の問題は解決されるというものです。

(4)

金銭的外部生とは,ある経済主体の行動が市場を経由して財の価格に影響を与え,その結果,他の経済主体が有利になったり不利になったりすることを意味します。
技術的外部生は,市場に影響を与える主体自体に市場がないので区別する必要がありあます。

 

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問2

(1)

1,当日$D$の商品Xの販売量$Q_x$の期待値$a_x$は,$a_x=\frac{(8+20+9+1+9+21+23)}{7}$より,$a_x=13$となります.

2,当日$D$の商品Yの販売量$Q_y$の期待値$a_y$は,$a_y=\frac{(6+5+5+0+4+14+15)}{7}$より,$a_x=7$となります.
3,当日$D$の商品Xの販売量$Q_x$の分散$b_x$を求めます.そもそも,分散を求めるには,偏差(それぞれの数値と平均値の差)を二乗し,平均を取るので,
$\frac{1}{{n}}\sum_{k=1}^{n} \frac{x_i-x^*}{{n}}$より,$b_x=69$となります.

4,当日$D$の商品yの販売量$Q_y$の分散$b_y$を求めます.分散を求めるには,上記より偏差(それぞれの数値と平均値の差)を二乗し,平均を取るので,
$\frac{1}{{n}}\sum_{k=1}^{n} \frac{y_i-y^*}{{n}}$より,$b_y=30$となります.

5,当日$D$の商品Xと商品yの販売量($Q_x$と$Q_y$)の共分散を求めます.
共分散は,$\frac{1}{{n}}\sum_{k=1}^{n} {(x_i-x^*)}{(y_i-y^*)}$より,$b_{xy}=33$となります.

(2)
(1)より、$b_x=69$、$b_y=30$、$b_{xy}=33$であるので、$M_{xy}$は、
$M_{xy}=\begin{bmatrix}
69 & 33 \
33 & 30 \
\end{bmatrix}$
よって、逆数列$M^-1_{xy}$は、
$M^{-1}_{xy}=\frac{1}{69\times30-33\times33}\begin{bmatrix}
30 & -33 \
-33 & 69 \
\end{bmatrix}$…Ans.

(3)
火曜日にxの安売りがあったなど。
土日は気温が高かった可能性がある。
木曜日は、x,yの販売量が著しく低いことから、台風が来ていたなど。
など。

(4)
以上の情報でアイスクリームの年間の販売量を評価することは不十分である。これらのデータはあくまである年9月中旬の1週間のものであり、1ヶ月でデータを取ると全く異なる結果が得られるかもしれない。また、これと同じ基準でアイスクリームの販売量が増えるであろう夏場と減るであろう冬場のそれを推定できるかは定かではない。しかし、醤油はその消費量が季節ごとに大きく変化することが少ないと考えられるため、年間の販売量を評価できる等々。

 

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2021年度(2020年実施)

問1

(1),完全競争市場では,市場に多数の参加者(生産者や消費者)がいること,財(商品)の質が同じであること,財に関する情報(価格や特性など)を参加者がもっていること,市場への新規参入や撤退が自由であること,という4つの条件を満たすと仮定しています.

 

(2),2人2財経済を考えます.効用関数は二人とも$min{x_1,x_2}$で,両者の初期保有量はそれぞれ(α,0),(0,β)とします.この時,s.t. $P_1 x_1+P_2 x_2 =P_1 w_1+P_2 w_2 $ (wは初期保有量)を満たします.また,この経済の全体の${x_1,x_2}$の量はそれぞれ${x_1=α+0,x_2=0+β}$となります.

(a),α=βが成り立つ時,1人目の競争均衡$(E^*)$は
${x_1=x_2,P_1 x_1+P_2 x_2 =P_1α}$の2つの式を満たすものとなります.
よって,これを解いて$x_1^{1*}=\frac{P_1α}{(P_1+P_2)}$,$x_2^{1*}=\frac{P_1α}{(P_1+P_2)}$(α=β)となります.
2人目の均衡は,$(E^{2*})$は
${x_1=x_2,P_1 x_1+P_2 x_2 =P_2β}$の2つの式を満たすものとなります.
よって,これを解いて$x_1^{2*}=\frac{P_2β}{(P_1+P_2)}$,$x_2^{2*}=\frac{P_2β}{(P_1+P_2)}$(α=β)となります.
すなわち,当該経済の競争均衡は,$x_1^{1*}=x_2^{1*}=\frac{P_1α}{(P_1+P_2)},x_1^{2*}=x_2^{2*}=\frac{P_2β}{(P_1+P_2)},(α=β)$となります.

 

(b),当該経済の競争均衡は(a)より,$x_1^{1*}=x_2^{1*}=\frac{P_1α}{(P_1+P_2)},x_1^{2*}=x_2^{2*}=\frac{P_2β}{(P_1+P_2)},(α>β)$となります.

 

(c),当該経済の競争均衡は(a)より,$x_1^{1*}=x_2^{1*}=\frac{P_1γ}{(P_1+P_2)},x_1^{2*}=x_2^{2*}=\frac{P_2β}{(P_1+P_2)},(γ<β)$となります.

1人目の個人の初期保有量が,(α,0)から(γ,0)に縮小した時場合,経済学的に競争均衡はなおパレート最適(また厚生経済学の第一、二基本定理の観点からは?)が生じます.

問1-(2)の回答は△(少し自身がありません。。)

 

 

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問2

(1),負け犬.

(2),プロットする事業の売上の大きさを表しています.

(3),相対市場シェアとは自社の事業(製品)が自社を除く1位企業の事業(製品)と比較して,どれくらいの割合を占めているかを表します.

またそれを求める時は,「自社のシェア÷第1位の企業のシェア」で計算します.たとえば,業界第1位の企業のシェアが40%,自社のシェアが20%なら,【相対的市場シェア】は25÷50=0.5です.

 

(4),プロダクトポートフォリオマネジメント(PPM)の花形は、市場の成長性が高く、市場シェアも高い事業です。当然、市場の競合も多く市場競争が激しいため、この事業には積極的な経営資源(ヒト・カネ・モノ)の投資が欠かせません。

その一方で、PPMの花形は市場シェアが高いため、利益を出しやすくなります。出た利益は、再び本事業に投下することで、市場競争を勝ち抜く必要があります。
PPMを見る限り,Bと比べてAの方がプロットする事業の売上も大きく,また相対市場シェア率も高いので,優先的に投資されるべきです.

(5),プロダクトポートフォリオマネジメント(PPM)の問題児は,市場の成長性が高く魅力的ではあるものの,市場シェアが低いため、コストがかかっている事業です.
「問題児」における事業は,市場成長性が高いため市場競争が激しいため、同市場で事業を継続させるためには,積極的な投資が必要です.

しかしながら,「問題児」に該当する事業は、市場シェアが小さいため費用が大きくなり利益を創出しにくい状態にあります.「問題児」は将来の成長性が期待できるため積極的な投資をすべき事業であるものの,社内の他の事業から得られた利益を,積極的に「問題児」に投資する必要があります.

PPMを見る限り,Dと比べてCの方がプロットする事業の売上も大きく,また相対市場シェア率も高いので,優先的に投資されるべきです.

(6),大きく分けて3つあります.1つは,事業間の関係を考慮できないということ,次は破壊的なイノベーションを見落とすということ,最後は指標の取り方で結果が変わるということです.

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