公共政策の学問は、複雑で多面的な公共プログラムと政策課題を探求するために多学科的なアプローチを必要とします。学際的なアプローチは、政策研究に異なる学問領域を結集させ、それぞれの視点を尊重しながら協力することを強調しまいます。
政策研究は実務家と協力し、政府や行政の基本的な課題に関連する研究を通じて理論の発展を促進します。政策研究は政策とプログラムを実験と捉え、異なる政策オプションの前提を検証し、実施を効果的に行う必要があります。
ここでは、公共政策の学問に触れてみたい方に向けて読んでおきたい書籍(を紹介します。
1 | EBPM エビデンスに基づく政策形成の導入と実践 |
2 | 入門 公共政策学 – 社会問題を解決する「新しい知」 |
3 | 政策立案の技法: 問題解決を「成果」に結び付ける8つのステップ |
4 | 政策リサーチ入門: 仮説検証による問題解決の技法 |
5 | 入門・行動科学と公共政策: ナッジからはじまる自由論と幸福論 |
6 | EBPMの経済学: エビデンスを重視した政策立案 |
7 | 公共哲学入門: 自由と複数性のある社会のために |
8 | 先見的ガバナンスの政策学 ――未来洞察による公共政策イノベーション |
9 | アセモグル/レイブソン/リスト マクロ経済学 |
10 | アセモグル/レイブソン/リスト ミクロ経済学 |
11 | 計量経済学の第一歩 — 実証分析のススメ |
12 | 実証分析のための計量経済学 |
13 | 公共政策入門 ミクロ経済学的アプローチ |
14 | 政治学(東大出版) |
15 | 政治学(New Liberal Arts Selection) |
16 | 政治学 (アカデミックナビ) |
17 | 国際政治学 (New Liberal Arts Selection) |
18 | 国際政治学をつかむ |
19 | 現代政治学(有斐閣アルマ) |
20 | 行政学 (有斐閣アルマ) |
21 | 行政学(有斐閣/真渕) |
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EBPM エビデンスに基づく政策形成の導入と実践
EBPMと昨今様々なところで目に入りますが、Evidence Based Policy Makingは、根拠による政策立案となります。
一体どのような政策が効果があるのかを理解した上で行おうというのが柱となっています。書籍での事例は数は多くないですが、ここでのコンセプトを知った上で自身の興味分野の公共政策のレポート等を書籍で学んだ視点で読んでみると良いでしょう。また海外との比較とくにアメリカ、イギリスでのものは確認しておきましょう。各国の流れ、また国際機関等へ就職前に理解しておくのも大切です。
ポイント:
・EBPM(Evidence-Based Policy-Making)についての説明と重要性の強調
・伝統的な政策形成方法が直感や関係者の要望に頼っていたことへの言及
・少子高齢化や財政の逼迫などの課題に対する適切な政策資源の活用の必要性
・科学的手法や実証実験を通じた政策効果の評価とエビデンスの重要性
・本書の目的:EBPMの基本概念、手法、海外および国内の実践例の解説
・本書の構成概要と各部の内容紹介
・本書が広範な読者層に価値を提供し、経済学や実証分析の知識を前提としない分かりやすい内容を目指していること
各部の内容紹介:
・第I部: EBPMの基礎と基本的な考え方について説明
・第II部: 海外におけるEBPMの事例、米国と英国の実践例に焦点
・第III部: 日本国内の教育、環境・エネルギー、経済産業分野におけるEBPMの事例紹介
・第IV部: EBPMとの親和性が高い「ナッジ」について取り上げ、具体的な事例を紹介
・終わりに: EBPM定着のための条件について振り返りと考察
入門 公共政策学 – 社会問題を解決する「新しい知」
新書での書籍なので分量も多くなく、公共政策の全体像を確認できます。
ポイント:
・公共政策学に対する質問の多さ
・「公共政策」の理解が不足していること
・通勤・通学ラッシュの問題を例に挙げ、公共政策の必要性を説明
・公共政策学が政策問題の解決案を研究する学問であること
・社会的に決定される公共政策の複雑さ
・公共政策学の歴史と位置づけ
・「公務員のため(だけ)の学問」の誤解への対処
・本書の目的:公共政策学の特性と具体的な内容を示す
各章の内容
第1章:公共政策学の特性と研究対象の説明、第2章:政策問題の発見と定義、第3章:解決案の設計、第4章:政策の決定、第5章:政策の実施、第6章:政策の評価、第7章:公共政策の改善に向けた方策の検討
政策立案の技法: 問題解決を「成果」に結び付ける8つのステップ
海外大学院でも良く使われている教科書になります。より良い政策に向けての何が教えられているか実際にこの本で確認できます。
ポイント
・政策立案と日本の文化の違いについての疑問
・懐疑主義とは何かについての説明
・懐疑主義者の重要性についての議論
・礼儀正しい文化と政策立案の関係についての考察
・公共政策における間違いの可能性と建設的な質問の重要性
・政策立案のプロセスのステップについての紹介
・エビデンスに基づいた政策立案の重要性
・政策立案のフレームワークを広める意義
・翻訳者による追加情報とコラムへの言及
・政策が社会に与える影響の多様性と本書の有用性の強調
特徴
・本ハンドブックは政策立案に関する概念と手法の指針であり、カリフォルニア大学バークレー校のゴールドマン公共政策大学院で35年以上にわたる経験から開発されたもの
・著者は、学生による欠席に対処するために政策立案の配布資料を開発し、これが後に多くの大学で採用され、ウェブサイトに掲載されるほどに成長
・本書は政策立案に興味を持つ実務家や学生を対象としており、学部から実務経験者向けの幅広い層に役立つ
・経済学の基本的な概念の理解を前提とし、他の政策立案の教材と組み合わせて使用することが想定
・最新の事例と政策立案レポートの抜粋を含み、ビッグデータや科学的エビデンスの活用に関するアドバイスを提供
・政策オプションの意図しない帰結を予測し、政策の採択と実施をダイナミックに考える重要性が強調
・本書は、正しい質問を発することの重要性と、読者や利用者の混乱や不安を和らげる助けを提供する精神
政策リサーチ入門: 仮説検証による問題解決の技法
公共政策の学問自体が学際的であるので、修士論文や研究プロジェクトを行う前に一読してみましょう。入学前での計画書や志望書作成も役立ちます。
目的:
・本書は政策研究の方法論を学ぶためのテキスト
・政策課題の原因を探究し、政策を立案・提言し、政策評価を行う方法を説明
利用対象:
・本書は入門テキスト
・政策系のゼミや政策演習で利用されることを想定
・初学者から修士課程の大学院生まで幅広い対象に役立つ
対象読者:
・大学生、大学院生、教員を主要な読者
・実務家、市民にも読まれることを希望
・社会問題の解決にコミットする学生と実務家の関心を満たすことが重要
政策リサーチの目的:
・政策リサーチは政策案の基礎となる知識を生み出し、実践的な教育訓練を提供
・社会科学の研究方法を政策研究に応用する方法論を提案し、因果関係を探究
政策リサーチのタイプ:
・政策リサーチは現状確認型、原因探究型、政策提言型の3つのタイプに分類
・これらのタイプは相対的で、入り混じりや順番が変わることがある
・本書は特に原因探究型リサーチに焦点
政策の中身と過程:
・政策を立案するためには政策論的知識と政策過程論的知識が必要
・これらは異なる学問分野からの知識を含む
・本書は異なる学問分野の共通項を抽出し、多様な政策課題に対応できる方法論を提示
入門・行動科学と公共政策: ナッジからはじまる自由論と幸福論
EBPMの経済学: エビデンスを重視した政策立案
公共哲学入門: 自由と複数性のある社会のために
先見的ガバナンスの政策学 ――未来洞察による公共政策イノベーション
経済学
政治学
本書は政治に関する視点や基本的な概念を包括的に理解できるようにすることを目指しております。政治学は専門分野が非常に特化していますが、本書はわかりやすい説明を心掛けながらも、一冊で政治学の様々な分野を理解できるように構成されています。現代政治を明確に把握するために本書を取ってみましょう。
政治学(New Liberal Arts Selection)
本書は、政治学の各分野の知識や考え方を政治学全体の中で学べる一冊として、政治学の全領域をカバーしています。異なる専門分野の政治学者が様々な政治トピックをカバーし、各専門分野で学ぶべき内容をできる限り現代の日本を題材として説明しており、より理解しやすい厚生となっており、他の分野でも好評のNew Liberal Arts Selectionからの一冊となっております。
政治学にはさまざまな分野があり、政治過程論(政策過程論)、比較政治、行政学、政治史、政治思想(政治理論、政治哲学)、国際政治に特化した教科書も多く出版されています。本書は政治学原論、政治学概論、政治学入門としての部類になります。
政治学の各分野の知識や実際の政治現象を包括的に解説することではなく政治学的」な視点や考え方で物事をみていくことを本書では学べ、複数の「政治学的」な視点や考え方が存在することを示されています。
国際政治学 (New Liberal Arts Selection)
行政学