神戸大学経済学部第3年次編入試験問題(予想類似問題)

神戸大学経済学部第3年次編入試験問題(予想類似問題)

過去問については神戸大学経済学部では、解答を載せていますのでここでは類題を見てみましょう。

大問1

財市場の決定の問題で下記とします。

GDP:$\bar{Y}=6,000$
消費関数:$C=600+0.6(Y-T)$
税:$\bar{T}=500$
政府支出: $\bar{G}=500$
純輸出: $N X=0$
投資関数: $I=2,000-100 \times r$

(1)均衡時の$C,I,r$を求めましょう。

解答:
$Y$と$T$を消費関数に代入します。
消費関数:$C=600+0.6(6,000-500)=3,900$となります。

$Y=C+I+G+NX(=0)$より投資関数は$I=6,000-3,900-500=1,600$となります。

利子$r$に関しては、均衡での投資関数により$1,600=2,000-(100\times r)$
これより$r=4\%$となります。

(2)政府支出が現在の$500$から$1,000$に上がったときの$C,I,r$を求めましょう。
解答:
消費は政府支出が上がったとしても、式の定義より変化せず$C=3,900$

公的貯蓄$S_g=T-G=500-500=0$
民間貯蓄$S_p=Y-T-C=1,600$
国民貯蓄$S=S_g+S_p=Y-C-G$(条件より)
また均衡条件より$S=I$となります。
新しい公的貯蓄が$500-1,000=500$となり、民間貯蓄は変わらず$1.600$より
新しい国民貯蓄は$-500+1,600=1,100$となり、$S=I$より新しい$I=1,100$となる。
よって新しい均衡利子率は、$1,100=2,000-100{\times}r$より$r=9\%$

大問2

次の効用関数を考えます。
$u(l,c)=\sqrt{l}+c$

$l$は余暇、$c$は消費となります。また賃金率$w$、消費物の値段は$p$となり、働く時間(労働)は24時間から余暇からを引いた$(24-l)$となります。
$(24-l)*w=p*c$が予算制約として働いた分だけ消費ができるとします。

(1)最適消費と労働時間を求めましょう。
$u(l,c)=\sqrt{l}+c$

解答:
ラグランジュの関数をつくります。
$L(l,c,\lambda)=\sqrt{l}+c-\lambda(p*w-(24-l)w)$1階の条件(First order condition)より、

(1)$\frac{1}{2\sqrt{l}}={\lambda}*w$
(2)$1={\lambda}*p$
(3)$p*c=(24-l)w$

(2)より${\lambda}=\frac{1}{p}$という結果をえます。
${\lambda}=\frac{1}{p}$の結果を(1)に代入し$\frac{1}{2\sqrt{l}}=\frac{w}{p}$となり、または$l=(\frac{p}{2w})^2$となります。
$l=(\frac{p}{2w})^2$を(3)の結果に入れて、$p*c=(24-(\frac{p}{2w})^2)w$、または$c=\frac{24w}{p}-\frac{p}{4w}$となり、これが最適消費となります。
働く時間は24時間から余暇$(l)$を引いた、$24-l(w)=24-(\frac{p}{2w})^2$時間となります。
ちなみに賃金が増えた場合はどうなるかというと、
$n(w)=24-l(w)=24-(\frac{p}{2w})^2$とした場合、
$\frac{dn(w)}{dw}=2(\frac{p}{2w})(\frac{p}{2w})^2$が正なので賃金が上がればより働きます。

 

大問3

用語説明となります。

1つ目は、資本の黄金律となり、マクロ経済学の成長論、ミクロ的基礎づけの分野からです。
同じような分野からとしては、
・ラムゼーモデル
・オイラー方程式
・恒常所得仮説
・トービンのq
・モディリアーニ・ミラー定理
・流動性制約
・リカードの中立命題
・実物的景気循環理論
などの用語も理解しておきましょう。

2つ目は、限界費用価格規制でした。同じようなミクロ経済学の独占のパートに関するところになります。
同じような分野からとしては
・価格支配力
・独占企業の利潤最大化条件
・独占の弊害
・自然独占
などの用語も理解しておきましょう。

3つ目は、国際金融のトリレンマとなり、マクロ経済学の開放経済、または分野としては国際経済学の箇所からです。
同じような分野からとしては
・実効為替レート
・フェルドシュタイン=ホリオカパズル
・実効為替レート
・実質為替レート
などの用語も理解しておきましょう。