【神戸大学経済学部】2022年度(2021年実施)編入試験 – 解答、経済学第1問

経済学第1問

 

(1)問題の仮定より,消費Cは,

\begin{align}
C &= 0.6(\bar{Y}-T)\\
&= 0.6(300-50) = 150
\end{align}

需給の均衡条件$Y^d = Y^s$と,C=150,G=50,$Y^s=300$より,

均衡利子率rは,
\begin{align}
Y^d &= C + I(r) + G\\
Y^s &= 150 + 120 – 4r + 50\\
4r &= 20 \\
r &= 5
\end{align}
よって,投資I(r)は,
\begin{align}
I(r) = 120 – 4r = 120 – 4*5 = 100
\end{align}
となります.(2)T=40として計算する.消費Cは,
\begin{align}
C &= 0.6(\bar{Y}-T)\\
&= 0.6(300-40) = 156
\end{align}

需給の均衡条件$Y^d = Y^s$と,C=156,G=50,$Y^s=300$より,

均衡利子率rは,
\begin{align}
Y^d &= C + I(r) + G\\
Y^s &= 156 + 120 – 4r + 50\\
4r &= 26 \\
r &= \frac{13}{2} = 6.5
\end{align}
よって,投資I(r)は,
\begin{align}
I(r) = 120 – 4r = 120 – 4*6.5 = 94
\end{align}
となります.(3)T=50からT=40へと,税収が10減りました.
これは減税と考えられる.減税によって,
消費,利子率,投資,産出量はそれぞれ,
\begin{align}
(C,r,I(r),Y) = (150,5,100,300)
\end{align}
から,
\begin{align}
(C,r,I(r),Y) = (156,6.5,94,300)
\end{align}

と変化しました.減税によって,可処分所得が増えることで消費が増えたと考えられます.

消費の増加により,$Y^d$が増加することで,財市場において超過需要が発生します.これによって,利子率rが増加し,利子率rの減少関数である投資I(r)が減少した.この投資の減少をクラウディングアウトという.$Y^s$は一定であるので,消費の増加分と同じだけ投資が減少します.