ケネディ・スクール公共政策大学院の概要
ハーバード・ケネディスクール(Harvard Kennedy School、正式にはジョン・F・ケネディ政府大学院)は、公共政策と政府に関するハーバード大学の大学院です。1936年にハーバード大学公共行政大学院(Harvard Graduate School of Public Administration)として設立され、1966年にジョン・F・ケネディ大統領の暗殺から3年後、彼の名前を冠して改称されました。
ケネディスクールは、パブリックセクターでのリーダーシップの育成、学際性、そして理論と実践の融合を強調しており、ハーバード各大学院やMIT、フレッチャー法律外交大学院などと単位交換の提携を行っています。
学校のミッションは、優れた学生の教育と実践家との直接的な対話を通じて、公共政策とリーダーシップを改善し、より安全で自由で公正で持続可能に繁栄する社会を実現することです。学生や卒業生は、世界中で公共サービスへのコミットメントを示しています。
学位プログラムには、2年制の公共政策修士(MPP)、公共行政修士(MPA)の3つの異なるプログラム(1年制のミッドキャリアプログラム、追加の大学院学位を持つ専門家向けの2年制MPAプログラム、開発研究に焦点を当てた2年制国際開発トラック(MPA/ID))、そして3つの博士プログラムがあります。
また、ハーバード・ビジネススクール、ハーバード・ロー・スクール、ハーバード大学デザイン大学院などとの共同学位プログラムも提供しています。
さらに、民主的統治と革新のためのアッシュセンター、科学と国際関係のためのベルファーセンター、人権政策のためのカーセンターなど、多くのセンターやイニシアティブを運営しています。
著名な卒業生には、カナダ首相のピエール・トルドー、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)の議長ポール・ボルカー、リベリア大統領のエレン・ジョンソン・サーリーフなどがいます。
ケネディスクールの大学院プログラム
ハーバード・ケネディスクールでは、様々な修士課程と博士課程を提供しています。
修士課程には次のプログラムがあります:
- 公共政策修士(Master in Public Policy, MPP):2年間のプログラムで、政策分析、経済学、管理、倫理、統計、公共セクターにおける交渉などに焦点を当てています。
- 国際開発における公共行政修士(Master in Public Administration in International Development, MPA/ID):2年間のプログラムで、経済学と定量的手法の厳格なトレーニングを提供し、政策と実践に重点を置いています。
- 公共行政修士(Master in Public Administration, MPA):2年間のプログラムで、公共問題解決においてさらに効果的なリーダーになるためのスキルを教えます。
- ミッドキャリア公共行政修士(Mid-Career Master in Public Administration, MC/MPA):1年間のプログラムで、実務経験を持つ確立された専門家の能力を高め、より大きな挑戦に取り組むためのトレーニングを提供します。
博士課程には以下のプログラムがあります:
- 公共政策博士(Ph.D. in Public Policy):公共政策実務者が情報に基づいた意思決定を行い、自分の分野のリーダーとなるための学術研究を促進するプログラムです。
- 政治経済学博士(Ph.D. in Political Economy & Government):経済学と政治学の交差点での研究を目指して設立されたプログラムです。
- 健康政策博士(Ph.D. in Health Policy):健康政策における研究および教育のキャリアのために必要な専門スキルを開発するための学際的プログラムです。
- 社会政策博士(Ph.D. in Social Policy):政治学または社会学の博士号の学問的な深さと、社会政策問題の多分野研究を組み合わせたプログラムです。
これらのプログラムは、学際性と実践との結びつきを重視し、学生が公共サービスの分野でリーダーシップを発揮するための知識とスキルを身につけることを目指しています。