【解答】アセモグル/レイブソン/リスト マクロ経済学 – 1章、復習問題

1章

復習問題

1.

ほとんどの消費財に価格がついている主な理由は、資源の希少性と需要と供給の関係に関連しています。以下は、この問題に対する経済学的な説明です。

資源の希少性(Scarcity of Resources): 経済学は資源が限られていることを前提としています。地球上の自然資源や生産要素(労働、土地、資本など)は有限であり、これらの資源を用いてさまざまな財やサービスを生産する必要があります。したがって、資源が限られているため、それらを効果的に割り当てるために価格が使用されます。

需要と供給の関係(Demand and Supply): 財の価格は、需要と供給の関係に基づいて形成されます。需要が高まると価格は上昇し、供給が高まると価格は下落します。価格は市場での交換のメカニズムとして機能し、需要と供給が均衡する価格は市場価格となります。

効率的なリソース割り当て(Efficient Resource Allocation): 価格は資源の効率的な割り当てを支援します。価格が高い財には資源が集中し、需要が高い財には資源が供給されます。これにより、市場は資源を最も需要の高い用途に割り当てることができ、効率的な結果が生まれます。

経済効率と競争(Economic Efficiency and Competition): 市場価格に基づく競争は、生産者に効率的な方法で生産し、消費者に価格に基づいて選択肢を提供する刺激を与えます。競争により、価格が市場で形成され、リソースが最適に配置され、経済効率が向上します。

 

 

 

 

2.

経済学者の多くは、人間の行動が選択の結果であると考えます。これは、人々が限られたリソースを最大限に活用し、彼らの欲求や目標を達成しようとするプロセスと関連しています。経済学は資源の配分、生産、消費などに関連するこの選択プロセスを研究し、理解しようとする学問です。

 

 

 

 

 

3.
a. 2012年にアメリカの自動車産業は5年ぶりに最高成長率を記録し、アメリカの自動車販売は2011年と比較して13%増加しました。
b. アメリカ政府は地球温暖化を引き起こす炭素排出を減少させるために炭素税を増加すべきです。

a. この文は事実解明的な性質です。それは単に事実を述べており、価値判断や意見を含んでいません。
b. この文は規範的な性質です。それは政府の行動に関する意見や価値判断を含んでおり、何が行われるべきかについての提案を示しています。

 

 

 

 

4.

ミクロ経済学では、iPhoneモバイル電話の需要増加が特定の市場や企業に与える影響を研究します。たとえば、iPhoneの価格と競争にどのように影響するかを分析します。

マクロ経済学では、iPhoneモバイル電話の需要増加が国や地域全体の経済に与える影響を研究します。たとえば、輸出の増加や雇用への影響など、広範な経済的な影響を考察します。

 

 

 

 

 

5.

予算制約は、個人または家計が所得内で利用可能な資源を最大限に活用し、異なる財やサービスへの支出を調整するための制約を示しています。これは、所得、価格、および好みに基づいて、消費者が何を購入できるかを制限します。

予算制約は、消費者がトレードオフを理解し、ある財やサービスの消費を増やすために他の消費を削減しなければならない場合に、消費者が直面するトレードオフを説明します。例えば、余分な食事を楽しむために他の娯楽を犠牲にする必要がある場合、これがトレードオフです。

 

 

 

 

 

6.

a. 機会費用は、ある選択をすることによって失われる次善の選択肢の価値を表します。さまざまな選択肢の機会費用は、それぞれの選択が提供できる最善の代替選択の価値と比較されます。

b. 高校卒業後1年間ヨーロッパでバックパッキングする場合の機会費用は、その間に可能な他の選択肢から得られる価値です。人々がこの選択肢を選ぶことは、彼らの目標や価値観に依存します。経済学的には、機会費用と個人の目標を比較して評価することができますが、非合理とまで言えるわけではありません。

 

 

 

 

 

7.

最適な選択をするためには、各選択肢のコストと利益を比較する必要があります。これらの選択肢のコストと利益は、健康への影響、時間、費用、努力などを考慮して評価されます。最適な選択は、個人の目標や制約に応じて異なります。例えば、時間が制約である場合、ジムに通う代わりに日常の活動を利用することが最適かもしれません。個人の状況に合わせて選択を評価し、最適なものを選びます。

 

 

 

 

 

8

需要と供給の数量が一致する:コーンの数量が市場で供給される数量と一致し、需要と供給が均衡します。

価格が変動しない:市場価格が$5.50のまま変動しない場合、均衡が保たれます。

需要曲線と供給曲線が交差する:需給曲線が交差し、市場での価格と数量が決定されます。

 

 

 

9.

a. フリーライドは、他の人が提供する公共財やサービスを利用する人々が、その費用を支払わないことを指します。具体例として、公共のライドシェアサービスを利用し、他の利用者が支払った料金に寄与せずに乗車することが考えられます。

b. 公共の公園は一部の場合、フリーライダー問題に対処する必要があるかもしれません。たとえば、公園の維持費用は税金などから賄われ、全ての市民が利用できますが、特定の個人が費用を負担しないまま利用する可能性があります。一方、市内の道路を清潔に保つことは通常、市の予算から資金提供され、利用者による直接の支払いは一般的にありません。したがって、フリーライダー問題は公共の公園に関連することがより一般的であると言えます。

 

 

 

 

10.

因果関係の概念は経済学において非常に重要です。経済学では、特定の行動や事象が他の行動や事象にどのように影響を与えるかを理解し、分析することが目的の一つです。以下は、因果関係の経済学的コンセプトの説明と、身近な実生活の例です。

経済学における因果関係の概念:

因果関係は、ある出来事や行動(原因)が別の出来事や結果(結果)に影響を与える関係を指します。経済学では、原因と結果の関係を理解し、経済現象を説明および予測するために因果関係が重要です。因果関係の理解には統計分析、実験、モデリングなどが使用されます。

身近な実生活の例:

ガソリン価格と車の利用: ガソリン価格が上昇すると、多くの人々が車の利用を削減し、公共交通機関を利用するか、エコカーを購入する傾向が高まります。この場合、ガソリン価格の上昇が車の利用減少に因果関係を持っています。

教育と所得: 研究によれば、高い教育水準を持つ人々は一般的に高い所得を得る傾向があります。教育と所得の因果関係は、教育が個人のスキルや就業機会を向上させ、結果として所得を増加させる要因であることを示唆しています。

最低賃金政策と雇用: 最低賃金が引き上げられると、雇用にどのような影響があるかは経済学の議論の一部です。一部の経済学者は、最低賃金の増加が雇用を減少させると主張しており、これは最低賃金政策が雇用に対する因果関係を持っているという考え方です。

広告と消費行動: 企業の広告活動が製品の売り上げに与える影響は因果関係の一例です。効果的な広告が消費者の購買意欲を刺激し、製品の需要を増加させることがあります。これにより、広告と消費行動との間に因果関係が生じます。

これらの例は、経済学における因果関係の概念が現実の生活でどのように現れるかを示すものです。経済学者は因果関係を明確に理解し、政策決定やビジネス戦略の基盤として活用します。

 

 

 

 

11.

a. 乳児死亡率の低下と栄養改善:この場合、栄養改善が原因で乳児死亡率が低下しました。より良い栄養が提供されることにより、乳児の健康が向上し、死亡率が減少しました。

b. ココア価格の急騰とその年のココア作物への害虫被害:この場合、害虫被害が原因でココア価格が急騰しました。ココア作物に害虫が襲撃し、収穫量が減少したため、供給の減少により価格が上昇しました。