1. 競争市場において、消費者は価格受容者(プライステイカー)だと考えられている。その理由:
競争市場は多数の買い手と売り手から成るため、個々の消費者や生産者の取引量は市場全体の供給・需要に対して非常に小さい。このため、消費者は市場価格に影響を及ぼすことができず、価格を受け入れるしかない。
2. 消費者の予算制約と予算集合の違い:
予算制約は、所得と商品の価格を基に、消費者が購入できる商品の組み合わせを示す線のこと。一方、予算集合は予算制約の内側および上にあるすべての商品の組み合わせを指す。同じ所得水準の場合、予算集合の方が財の組み合わせの量が多い。
3.
(a)X財の値上げ
(b)Y財の値下げ
(c)X財、Y財の値下げ、予算の増加、またはその両方
4. ある財に使う最後の1ドルから得られる限界便益と、もう1つの財に使う最後の1ドルから得られる限界便益が等しい
理由:
これは消費者の満足度、すなわち効用を最大化するための条件である。この条件が満たされている場合、消費者は所得を異なる商品に再分配しても効用を増やすことができない。
この概念は経済学における「限界的効用の均等化の原理」に基づいています。この原理によれば、消費者が限られた予算で最大の満足を得るためには、購入する各財に対する最後の1ドルの支出から得られる限界的効用が同じでなければならないとされます。
(1). 限界的効用: これはある財を1単位追加消費したときに得られる追加の効用を指します。通常、消費が増えるにつれてその財の限界的効用は減少します。例えば、アイスクリームを1つ食べた後の2つ目のアイスクリームの効用は、1つ目よりも少なくなる可能性があります。
(2). 限界的効用の均等化: 消費者が2つの異なる財、AとBを考えるとします。もしAの限界的効用がBのそれよりも高い場合、消費者は1ドルをAにさらに支出することで、Bにその1ドルを支出するよりも高い追加の効用を得られます。このため、消費者はAの消費を増やし、Bの消費を減らす傾向があります。
(3). このプロセスは、2つの財の限界的効用が等しくなるまで続きます。このとき、消費者はどちらの財にも1ドル追加で支出することで同じ量の追加効用を得られることになります。
(4). もし消費者がこの均等化の状態を維持しないと、その消費バンドルは効率的ではなく、別の消費の組み合わせでより高い効用を得ることができるでしょう。
結論として、消費者の満足度を最大化するためには、異なる財に使う最後の1ドルから得られる限界的効用が等しくなる必要があります。
5. 消費者余剰とは何か?:
消費者余剰は、消費者が実際に支払った金額と支払う意思があった最大の金額との差額を指す。計算方法は、消費者が支払う意思があった価格と市場価格の差を、購入量で積算することで得られる。
6.
Aが消費者余剰
7. すべての消費者が同じ量の消費者余剰を得るか:
すべての消費者が同じ量の消費者余剰を得ているわけではない。消費者余剰は、消費者が実際に支払う価格と、その商品やサービスに対して支払う意思がある最高価格との差として定義される。消費者が商品やサービスに対して感じる価値や、支払意欲は個人によって異なるため、消費者余剰も異なることが多い。
例を使って説明する。
例1: 映画のチケット
アリスとボブの2人が映画を見に行くことを考える。アリスは特定の映画を非常に楽しみにしており、最大$15までならチケット代として支払う意志がある。ボブはその映画にそれほど興味はないが、暇つぶしとして$8までなら支払う意志がある。映画館のチケットの実際の価格は$10であるとする。
アリスの消費者余剰は 15−10=515−10=5 ドルであり、ボブの消費者余剰は 8−10=−28−10=−2 ドル(ボブはこの価格では映画を見ない)である。
例2: コンサートのチケット
さらに、特定のアーティストのコンサートチケットを考える。キャロルはそのアーティストの大ファンで、$100までならチケット代として支払う意志がある。ダナはアーティストをそれほど知らないが、友人との楽しい時間として$50までなら支払う意志がある。実際のチケットの価格は$60であるとする。
キャロルの消費者余剰は 100−60=40100−60=40 ドルであり、ダナの消費者余剰は 50−60=−1050−60=−10 ドル(ダナはこの価格ではコンサートに行かない)である。
以上の例から、同じ商品やサービスであっても、消費者ごとの評価や価値の感じ方によって、消費者余剰は異なることがわかる。
8. かぶが嫌いで、まったく食べない場合の消費者余剰:
あなたがかぶを購入する意志がないので、消費者余剰は0になる。
9. 傾きが一定の需要曲線でも、弾力性は一定ではない理由:
確かに、傾きが一定の直線的な需要曲線があっても、その弾力性は一定ではない。これは、弾力性が需要曲線の傾きだけでなく、価格と数量のレベルにも依存するからである。
需要の弾力性は、価格の変化が需要の数量にどれだけの影響を与えるかを測定するもので、以下の式で表される。
もちろん、以下は指定された内容をLaTeX形式で表現したものです。
\[
\text{需要の弾力性} = \frac{\text{数量の変化の割合}}{\text{価格の変化の割合}} = \frac{\frac{\Delta Q}{Q}}{\frac{\Delta P}{P}}
\]
直線の需要曲線 \( Q = 100 – P \) を考えると、この曲線の傾きは -1 で一定である。しかし、価格 \( P = 10 \) のときの弾力性と、価格 \( P = 90 \) のときの弾力性は異なる。
– \( P = 10 \) のとき、 \( Q = 90 \) 。
– \( P = 90 \) のとき、 \( Q = 10 \) 。
価格が \( P = 10 \) から \( P = 11 \) に1単位増加した場合と、価格が \( P = 90 \) から \( P = 91 \) に1単位増加した場合の、需要の弾力性は異なる。価格が低いときは、価格の変化に対する数量の変化の割合が大きく、価格が高いときは、価格の変化に対する数量の変化の割合が小さいため、弾力性も異なる。
このように、傾きが一定の需要曲線でも、その点における価格と数量のレベルによって、弾力性は変わる。
10.
需要の価格弾力性は、商品の価格が1%変わったときの、需要量の%変化を示す尺度である。具体的な例について、市場全体の価格弾力性がグリーンやスミスの個別の価格弾力性よりも高くなるか低くなるかは、市場全体の需要曲線の形状やその他の消費者の反応による。しかし、もし他のすべての消費者の価格弾力性が0.2より大きく1.2より小さいならば、市場全体の価格弾力性が0.2を下回ったり1.2を上回ることは非常に難しい。
11. 弧弾力性の計算方法:
\[
\frac{\frac{Q2 – Q1}{Q2 + Q1}}{\frac{P2 – P1}{P2 + P1}}
\]
ここで、Q1とQ2は価格変化前後の需要量、P1とP2は価格変化前後の価格を表す。
12. 2つの財の交差価格弾力性:
正の交差価格弾力性を持つ場合、2つの財は代替財であると言える。一方、負の交差価格弾力性を持つ場合、2つの財は補完財であると言える。
13. 需要の所得弾力性:
所得弾力性が正の場合、その財は正常財として認識される。逆に、所得弾力性が負の場合、その財は劣等財として認識される。
14. 「ハンバーガーとフライドポテトは補完財である。このとき、フライドポテトの価格が上昇すると、両方の財の需要量が減少する」:
この文章は基本的に正しい。補完財の場合、一方の商品の価格が上昇すると、その商品と一緒に消費されるもう一方の商品の需要も減少することが一般的である。
15. ある財が奢侈財であると考えられている場合、需要の法則は当てはまる:
はい、当てはまる。奢侈財であっても、価格が上昇すれば需要量は減少し、価格が減少すれば需要量は増加する。奢侈財であるという特質は、所得の変動に対する需要の反応を示すもので、価格の変動に対する反応とは異なる。