イギリスは、その長い歴史と伝統を背景に、世界中の学生と研究者を惹きつける一流の経済学部や経済学研究科を数多く抱えています。これらの機関は、革新的な研究、教育の質の高さ、そして世界的に認められる学術的影響力で知られています。
またイギリスには約100校の大学がありますが、そのうちほとんどが公立（国立または地方自治体が支援）の大学です。また、イギリスの大学は一般的に3年制をとっており、日本やアメリカの大学のような一般教養科目の履修が必要ないのが特徴です。これにより、学生は入学時から専門分野の学習に集中できます。
ここではイギリスでの経済学分野での大学、大学院を見てみましょう。
イギリスの大学/大学院一覧(経済学)ランキング
決してきっちりと別れているわけではありませんが、イギリスのおおよその順位は下記になります。
LSEやOxfordがやはりイギリスの経済学の研究機関の中心としてあります。UCLも良いプログラムがあり、LSE同様ロンドン大学群です。Warwickも上位3つと比べても遜色がありません。経済学ではCambridgeは現在はあまり上位ではありません。
| 1 | London School of Economics (LSE) – ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス | Economics Department | London(ロンドン) |
| 2 | Oxford University – オックスフォード大学 | Department of Economics | Oxford(オックスフォード) |
| 3 | University College London (UCL) – ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン | Department of Economics | London(ロンドン) |
| 4 | University of Warwick – ウォーリック大学 | Department of Economics | Coventry(コヴェントリー) |
| 5 | University of Nottingham – ノッティンガム大学 | School of Economics | Nottingham(ノッティンガム) |
| 6 | University of Cambridge – ケンブリッジ大学 | Faculty of Economics | Cambridge(ケンブリッジ) |
| 7 | Queen Mary University of London – クイーン・メアリー大学ロンドン | School of Economics and Finance | London(ロンドン) |
| 8 | University of Glasgow – グラスゴー大学 | Adam Smith Business School / Department of Economics | Glasgow(グラスゴー) |
| 9 | University of Manchester – マンチェスター大学 | School of Economics | Manchester(マンチェスター) |
| 10 | University of Edinburgh – エディンバラ大学 | School of Economics | Edinburgh(エディンバラ) |
| 11 | University of Essex – エセックス大学 | Economics Department | Colchester(コルチェスター) |
| 12 | University of York – ヨーク大学 | Department of Economics and Related Studies | York(ヨーク) |
| 13 | London Business School (LBS) – ロンドン・ビジネス・スクール | Department of Economics | London(ロンドン) |
| 14 | University of Birmingham – バーミンガム大学 | Department of Economics | Birmingham(バーミンガム) |
| 15 | University of Bristol – ブリストル大学 | School of Economics | Bristol(ブリストル) |
| 16 | University of Surrey – サリー大学 | School of Economics | Guildford(ギルフォード) |
| 17 | University of Strathclyde – ストラスクライド大学 | Economics Department | Glasgow(グラスゴー) |
| 18 | Trinity College Dublin – トリニティ・カレッジ・ダブリン | Department of Economics | Dublin(ダブリン) |
| 19 | Royal Holloway – ロイヤル・ホロウェイ | Department of Economics | Egham(イーガム) |
| 20 | Lancaster University – ランカスター大学 | Management School / Department of Economics | Lancaster(ランカスター) |
| 21 | University of Sheffield – シェフィールド大学 | Department of Economics | Sheffield(シェフィールド) |
| 22 | University of East Anglia – イースト・アングリア大学 | School of Economics | Norwich(ノリッジ) |
| 23 | University of Exeter – エクセター大学 | Business School / Department of Economics | Exeter(エクセター) |
| 24 | Brunel University – ブルネル大学 | Department of Economics and Finance | Uxbridge(アクスブリッジ) |
| 25 | Birkbeck College – バークベック・カレッジ | Department of Economics / Mathematics and Statistics | London(ロンドン) |
イギリスの大学学部
イギリスの高等教育システムは、その独自性と効率性で特徴づけられています。特に、多くの学部プログラムが3年間という期間で設計されている点が、日本やアメリカの4年制の大学教育と大きく異なります。この3年間の学位プログラムは、学生に対し、短期間で集中的かつ深い学問の探究を可能にし、専門分野における知識とスキルの習得を促進します。
イギリスの教育システムは、学問的な基礎をしっかりと築きながらも、時間的な効率を重視しており、学生は卒業後早期に専門職へと進むことが期待されます。このように、イギリスの3年制学位は、学生にとって厳密な学習スケジュールとなる一方で、迅速なキャリア進展という利点をもたらしています。
イギリスの大学院
イギリスの大学院とアメリカとにおける修士課程と博士課程の違いがあります。
- アメリカの大学院システム:
- アメリカでは、多くの場合、修士課程（Master’s program）と博士課程（Ph.D. program）は連続しています。これは「Integrated Ph.D. programs」とも呼ばれ、学生は修士号を取得せずに直接博士号に進むことが一般的です。
- 修士課程と博士課程は同じプログラムの一部として扱われることが多く、修士号は博士課程の途中で「通過点」として与えられることもあります。
- イギリスの大学院システム:
- イギリスでは、修士課程（Master’s program）と博士課程（Ph.D. program）は明確に分かれています。修士課程は通常1年間のtaught course（授業中心のコース）で、MA（Master of Arts）やMSc（Master of Science）などの学位が授与されます。
- 経済学部のPostgraduate Taught Courseの修士では、ミクロ経済学、マクロ経済学、計量経済学などが含まれ、これらは日本の学部上級から修士初級レベルで教えられます。
- Research Masters（研究ベースの修士）は、アメリカのPh.D.過程の最初の2年間に相当します。イギリスでは、これらのプログラムはMRes（Master of Research）やMPhil（Master of Philosophy）として知られており、Ph.D.過程への進学のための基礎となります。
イギリス大学院という選択も
イギリスの大学院には、先述したtaught courseとして知られる修士課程が存在し、修士課程でも通常1年間で完了し、効率的に専門知識を身につけることができます。これに対して、日本の大学院での修士課程は通常2年間かかるため、時間的な観点からもイギリスのプログラムも選択肢の1つで考えても良いでしょう。