【政治経済学】おすすめ本(入門,大学学部,大学院での教科書,参考書ランキング)

政治経済学の学問

政治経済学は、政治と経済の相互作用を研究する学問です。これは、政治的なプロセスや権力構造が経済的なシステムやポリシーにどのように影響を与えるか、またその逆がどのように成り立っているかを探求します。政治経済学は、政治学、経済学、社会学、歴史学など複数の学問領域の要素を統合しています。この学問は、個人、社会、市場、国家の相互作用とその影響を理解するために、これらの領域間の関係とダイナミクスを分析します。

政治経済学にはいくつかの主要な研究領域があります。これには、経済関係の政治、国内の政治的・経済的問題、政治と経済システムの比較研究、国際政治経済学が含まれます。この分野は、政府が政治的および経済的利益をどのようにバランスさせるか、国際関係での複雑な相互作用などを分析し、政策が経済的および社会的福祉に与える影響について洞察を提供します​。

政治経済学は、もともと道徳哲学に根ざしていたため、初めから非常に規範的な分野でしたが、経済学は客観的で価値中立を目指して発展しました。この違いは、国際貿易などのトピックを扱う際のアプローチの違いにより明らかです。経済学はリソースの配分や市場環境に数学的モデルを用いて焦点を当てるのに対し、政治経済学は社会、政治、経済の圧力と利益を分析に取り入れ、より広範な視点を提供します。

 

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書籍概要

 

 

政治経済学 — グローバル化時代の国家と市場

政治経済学における国家と市場の関係を探求する本です。内容は、先進国の資本主義、福祉国家のあり方、経済成長や不平等の政治的要因、各国の財政政策、金融政策の違いなどをカバーしています。章立ては、政治経済学の基本からコーポレート・ガバナンスの政治経済学まで幅広いトピックを扱っています。

 

 

国際政治経済学(田所 昌幸)

スタンダードで良いテキストです。

初章では国際政治経済学の展開、経済と政治学の関連、富と権力の関係、グローバル市場と国民国家について論じ、国際政治経済を見る三つの視角を紹介します。第二章では大航海時代から重商主義、自由貿易の展開、戦間期の国際経済秩序、パックス・アメリカーナの国際経済秩序とその変動、グローバル化への影響を史的に概観します。第三章では市場経済とその限界について、経済的繁栄の条件、国際自由主義の論理、自由主義の限界、国内政治の力学、覇権、制度、理念、グローバル市場経済の夢と現実を掘り下げます。

第四章では国策としての経済を扱い、富と権力の関係、経済的関与、経済援助、経済制裁、経済安全保障、武器生産と移転に焦点を当てます。第五章では社会構造と経済の関連性を探り、搾取と支配の政治経済学、開発論、生態論、技術革新、脱工業社会、文化と経済発展について論じます。最終章ではグローバル化の諸問題に焦点を当て、グローバル化と国民経済、地域主義、グローバル市場の安定化、国際人口移動、グローバル経済と安全保障、グローバル・ガバナンスについて議論します。この書籍は、国際政治経済学の多角的な側面を網羅し、グローバル化の時代における政治と経済の複雑な相互作用を理解する上で重要な資料です。

 

 

 

国際政治経済学・入門 (有斐閣アルマ)

政治と経済の相互作用に焦点を当て、現代国際社会が抱える問題を「理論と歴史」「事例分析」「展望」の3部構成で解説しています。この新版では、国際社会と国際政治経済学の変化に基づき、各章をアップデートし、「金融」「移民」の章を新たに追加しています。このテキストは、国際政治経済学の理論と実際の事例を組み合わせたアプローチで、基礎から応用まで幅広い知識を提供しています​

 

政治と経済の関係が3時間でわかる 教養としての政治経済学

 

政治学と経済学の領域における政治経済学という新しいジャンルの研究を、日本や世界の現状に応用して、一般のビジネスパーソンにも理解しやすいように平易な表現で解説しています。

本書は、情報の不透明性やメディアの堕落、新型コロナ問題などの出来事を契機に、政治に関心を持つ人々が増える中で、政治と経済の関係をより深く理解するためのものです。著者の井堀利宏氏は東京大学の名誉教授で、経済学関連の著作を多く持っています。

具体的な内容としては、選挙のあり方、財政政策、金融政策、コロナ危機などの政治的な問題を経済学で分析する政治経済学の理論に基づいて、政治と経済の関係を解説しています。また、日本が直面している課題を政治経済学の枠組みで説明し、それらに対する処方箋を提供しています。

この本は、政治や経済に関心があるビジネスパーソンや一般読者に向けて書かれており、政治経済学を学び始める人にとって理解しやすい入門書となっています。

 

 

現代の政治経済学 – マルクスとケインズの総合

 

『現代の政治経済学 – マルクスとケインズの総合』は、鍋島直樹によって著された本で、資本主義経済が抱える矛盾や対立を踏まえ、豊かで平等な社会実現を目指す現代政治経済学について解説しています。この本では、ポスト・ケインズ派やマルクス派を含む主要理論の基礎と現代的展開を平易に説明しています。

 

 

制度はいかに進化するか 技能形成の比較政治経済学

『制度はいかに進化するか 技能形成の比較政治経済学』は、キャスリーン・セーレンによって書かれた書籍で、政治経済学における制度の進化に焦点を当てています。本書は特に、ドイツ、イギリス、アメリカ、日本の職業教育制度(特に企業内職業教育制度)の成立過程を詳細に分析しています。セーレンは政治的な観点から制度の成立、存続、変容、解体のプロセス全体を捉え、制度の漸進的な変化を理論的に説明しています。

セーレンは、手工業親方、熟練工業労働者、熟練に依存する工業(金属機械産業)の使用者及び国家などの主体を中心に、これらの織り成す動態を詳細に分析しています。本書では、各国における制度の成立が比較され、特にドイツの場合、19世紀末から20世紀末までの長期的なスパンで制度の展開を追っています。これにより、制度の進化がどのように行われたかが明確にされています。

また、本書は経済学におけるゲーム論などの興隆の政治学へのインパクトを背景に持ち、職業教育制度が経済学や教育学の研究対象としても重要であることを示しています。このように、本書は比較政治経済学の古典と位置づけられ、多様な学術領域に影響を与える内容となっています。

 

制度と進化の政治経済学: 調整の重層性と多様性

経済学の最先端での議論に基づいて21世紀資本主義の制度的多様性と時間と空間における重層的調整を体系的に分析する意欲作です。著者たちは、制度と進化経済学における問題点や進化的制度分析、市場経済と市民社会、失業と労働規律、資本主義の多様性とレジリエンス、市場ベース型資本主義の移植など多岐にわたるテーマを探究しています。また、気候危機や健康危機といった現代の重要な問題にも焦点を当てています

 

貿易戦争の政治経済学: 資本主義を再構築する

 

経済学者ダニ・ロドリックによる作品で、グローバル化の問題点や経済学の役割について深く掘り下げています。この本では、グローバル化が進む中で経済学がどのように利用されてきたか、そしてそれが世界経済にどのような影響を与えたかを批判的に分析しています。特に、経済学者が特定のモデルに固執することが、世界金融危機などの背景にあると指摘しています​。

また、ロドリックは、健全なグローバル化のためには国民国家の尊重が必要であり、多様な経済問題の解決にはグローバル・ガバナンスに頼るのではなく、各国が国内で対処するべきだと主張しています。彼は、環太平洋連携協定(TPP)のような統一ルールで国を縛ることが不適切であるとしています。これは、「大企業による公共政策の私物化」のように見えると述べています​​。

ただし、本書の提案は理論的なものであり、実際のグローバル経済のガバナンスにおいて各国政府が国内政治を超えて合意するのは難しいとも指摘されています。

 

震災復興の政治経済学 津波被災と原発危機の分離と交錯

関する意思決定プロセスを詳細に検討しています。本書は、震災復興政策の過剰と原発危機対応の不徹底を明らかにし、震災復興での費用負担のあり方について鋭い問いを投げかけています​​​​​。

特に、震災直後の事実に対する見解や先入観が状況を正しく把握することを妨げた点、復興政策が発災後数か月間で急速に決定されたこと、そして「東日本大震災」というネーミングが被害の広範囲に及ぶ印象を決定づけたことなどが指摘されています。また、政治的スローガン「東北の復興なくして日本の再生なし」が予算規模の肥大化に影響を与えたことも分析されています。

この書籍は、東日本大震災とそれに続く複雑な復興プロセスを理解する上で重要な一助となるものです。震災復興の政治経済学に関する詳細な分析を求める方には、特におすすめの一冊です。

 

 

覇権後の国際政治経済学

国際政治経済学において、ヘゲモニー(覇権国)が不在の現代国際社会において国際レジームがどのような役割を果たすかを探求しています。コヘインは情報の非対称性や限定合理性などの概念を使用し、国際政治経済学の新たな分析手法を提案しています。この書籍は、国際関係の理解を深める上で重要な一冊とされています。

 

現代アジア政治経済学入門

 

現代のアジアの政治、経済、国際関係などの多様なテーマを扱い、アジアの実態を解説しています。各章は政治、経済、社会の3部に分かれており、アジアの多様性に焦点を当てています。これは、アジアを理解するための入門書として適しており、幅広い視点からアジアの現状を学ぶことができます。

 

「やらせ」の政治経済学:発見から破綻まで

 

やらせがどのように発生し、成功し、最終的に発覚するかを多角的に考察する書籍です。この本は、分野横断的な視点から、やらせの発生原因やその影響について研究しています。国内外の政治において存在する「やらせ」の問題を、政治分析、数量分析、国際政治理論分析、社会学的手法など、さまざまな方法で分析しています。これまでに実施された定量的・学術的な分析は他になく、その意味で独特の研究成果を提供しています。