指数とルート根号(2) – 経済学の数学入門

5. ルート(根号:こんごう)

 

数字の「ルート」とは、ある数を繰り返し掛け合わせた結果がその数になる数のことです。例えば、数の「平方根」は、それを2回掛け合わせると元の数になる数です。平方根を示す記号は「√」です。たとえば、\(25\)の平方根は、\(\sqrt{25}\)または\(25^{1/2}\)と表され、結果は\(5\)です。\(5\)の2乗、つまり\(5^2\)は\(5 \times 5\)で、結果は\(25\)になります。\(\sqrt{121}\)は\(11\)です。なぜなら\(11^2 = 121\)だからです。\(\sqrt{\frac{25}{4}} = \frac{5}{2}\)です。なぜなら\(\left(\frac{5}{2}\right)^2 = \frac{25}{4}\)だからです。\(\sqrt{81} = 9\)です。なぜなら\(9^2 = 81\)だからです。

分数を扱う場合は、分子と分母それぞれのルートを別々に求めて、その結果を割り算することで最終的な答えを得ます。完全平方数の平方根は整数です。分子と分母が完全平方数の分数は、その平方根が有理数になります。例えば、\(\sqrt{\frac{36}{9}} = \frac{6}{3}\)です。それ以外の正の数は、平方根が非循環小数、つまり無理数になります。例えば、\(\sqrt{3}\)は約\(1.73205081\)、\(\sqrt{\frac{99}{20}}\)は約\(2.23606798\)です。

一般に、「数のルート」と言うとき、平方根が思い浮かびますが、他にも立方根、4乗根、8乗根などがあります。これらのルートは平方根の記号「√」を使いますが、ルートの番号を記号の前に置きます。例えば、\(3√\)は立方根、\(4√\)は4乗根、\(8√\)は8乗根を意味します。

例を挙げると、\(49\)の平方根は\(\sqrt{49}\)で、結果は\(7\)です。なぜなら\(7^2 = 49\)だからです。また、立方根については、\(27\)の立方根は\(3√27\)で、結果は\(3\)です。なぜなら\(3^3 = 27\)だからです。

 

5.1 – 平方根の基礎

平方根は、数学の基本概念であり、ある数 \(a\) の2乗が別の与えられた数 \(x\) と等しくなる場合、その数 \(a\) を \(x\) の平方根と言います。平方根は、式 \(a^2 = x\) を満たす \(a\) で、これは \(a\) が \(x\) の平方根であることを意味します。この基本的な概念は、方程式の解法、図形学、実践的な問題解決など、数学の様々な領域で不可欠です。この記事では、平方根の主要な性質と計算方法について詳しく説明します。

 

 

・平方根の記号と表記方法

平方根は通常、根号記号 (√) を用いて表されます。数 \(x\) の平方根は \(\sqrt{x}\) と記述されます。たとえば、数 \(9\) の平方根は \(\sqrt{9}\) と表され、その値は \(3\) です。

 

 

・平方根の主要な性質

平方根にはいくつか重要な性質があります。

1. 非負性: 任意の非負の実数 \(x\) について、\(\sqrt{x}\) は常に非負です。つまり、\(\sqrt{x} \geq 0\)。
2. 一意性: 任意の非負の実数 \(x\) について、\(\sqrt{x}\) はただ一つの非負の値を持ちます。
3. 乗法に関する性質: 任意の非負の実数 \(a\) と \(b\) について、\(\sqrt{a} \times \sqrt{b} = \sqrt{a \times b}\) が成り立ちます。
4. 除法に関する性質: 任意の非負の実数 \(a\) と正の実数 \(b\) について、\(\frac{\sqrt{a}}{\sqrt{b}} = \sqrt{\frac{a}{b}}\) が成り立ちます。

 

・平方根の基本的な計算方法

・ 完全平方数: 数 \(1, 4, 9, 16, \ldots\) は完全平方数と呼ばれ、それらの平方根は整数です(例:\(\sqrt{16} = 4\))。
・ 非完全平方数: 完全平方数でない数(例:\(2, 3, 5, \ldots\))の平方根は、無理数となり、通常は小数で近似的に表されます(例:\(\sqrt{2} \approx 1.414\))。

 

・平方根を含む方程式の解法
平方根は方程式の解を求める際にも現れます。例えば、方程式 \(x^2 = a\)(\(a \geq 0\))は、\(x = \sqrt{a}\) または \(x = ・\sqrt{a}\) として解くことができます。この場合、解は二つ存在し、一つは正の平方根、もう一つは負の平方根です。

平方根の理解は数学のさまざまな領域での基礎となります。平方根の性質を把握し、その計算方法を習得することによって、より高度な数学的問題への対応能力を高めることができます。

 

 

5.2 – 立方根の理解

立方根は数学的概念で、ある数 a の3乗が別の数 x に等しい場合、その数 ax の立方根と呼びます。具体的には、\(a^3 = x\) を満たす ax の立方根です。立方根は、空間の体積計算や物理学の様々な方程式の解析において、不可欠な役割を果たします。この記事では、立方根の基本的な定義、計算方法、およびその特徴について説明します。

 

 

・立方根の記号と表記方法

立方根は根号記号 (√) の下に3を置くことで表されます。数 x の立方根は \(\sqrt[3]{x}\) と書かれます。例えば、\(8\) の立方根は \(\sqrt[3]{8}\) と表記され、その値は \(2\) です。

 

 

・立方根の主要な特徴と性質

立方根には以下のような特徴と性質があります。

1. 実数範囲での存在: 任意の実数 \(x\) に対して、\(x\) の立方根 \(\sqrt[3]{x}\) は常に実数として存在します。
2. 奇関数の性質: 立方根関数は奇関数です。つまり、\(\sqrt[3]{-x} = -\sqrt[3]{x}\) が成り立ちます。
3. 乗法に関する性質: 任意の実数 \(a\) と \(b\) に対して、\(\sqrt[3]{a} \times \sqrt[3]{b} = \sqrt[3]{a \times b}\)。
4. 除法に関する性質: 任意の実数 \(a\) と \(b\)(\(b \neq 0\))に対して、\(\frac{\sqrt[3]{a}}{\sqrt[3]{b}} = \sqrt[3]{\frac{a}{b}}\)。

 

 

・負の数の立方根

立方根は負の数に対しても定義されており、負の数の立方根は負の数になります。例えば、\(-27\) の立方根は \(-3\) で、これは \((-3)^3 = -27\) であることから明らかです。

 

・立方根を含む方程式の解法

立方根は方程式 \(x^3 = a\) の解を見つけるためにも使用されます。この方程式の解は \(x = \sqrt[3]{a}\) であり、立方根を含む方程式は通常、\(a\) の符号に関係なく一つの実数解を持ちます。

立方根は数学の多くの領域で重要な役割を担い、特に体積や密度の計算など、幾何学や物理学で頻繁に使用されます。立方根の特性を理解し、これを適切に計算することで、より複雑な数学問題や実世界の問題に対する強固な基盤を築くことができます。

 

 

5.3 – 高次の根とその応用

高次の根、すなわち4次根、5次根などは、平方根や立方根の一般化された形として理解されます。これらは数 \(x\) の \(n\) 乗が与えられた数に等しくなるような数 \(x\)、つまり \(x^n = a\) のときの \(x\) を指します。このセクションでは、高次の根の基本的な定義、その性質、計算方法、そして実際の応用について解説します。

・高次の根の定義と記号

高次の根は、根号記号の下に根の次数 \(n\) を置いて表されます。数 \(a\) の \(n\) 次の根は \(\sqrt[n]{a}\) と書きます。例えば、16の4次根は \(\sqrt[4]{16}\) と表され、その値は \(2\) です。

 

 

 

・高次の根の主な性質

1. 存在と一意性 : 任意の正の実数 \(a\) と偶数 \(n\) に対して、\(\sqrt[n]{a}\) はただ一つの正の値を持ちます。\(n\) が奇数の場合、\(\sqrt[n]{a}\) は \(a\) が正の場合には正、\(a\) が負の場合には負の一つの値を持ちます。
2. 乗法に関する性質 : 任意の正の実数 \(a\)、\(b\) に対して、\(\sqrt[n]{a} imes \sqrt[n]{b} = \sqrt[n]{a imes b}\)。
3. 除法に関する性質 : 任意の正の実数 \(a\) と \(b\)(\(b
eq 0\))に対して、\(
rac{\sqrt[n]{a}}{\sqrt[n]{b}} = \sqrt[n]{
rac{a}{b}}\)。
4. 冪指数法則 : 任意の正の実数 \(a\) に対して、\((\sqrt[n]{a})^n = a\)。

 

・高次の根の計算法と例

–  \(16\) の \(4\) 次の根は \( \sqrt[4]{16} = 2 \)。
–  \(81\) の \(4\) 次の根は \( \sqrt[4]{81} = 3 \)。

– \(34\) の \(5\) 次の根は \( \sqrt[5]{34} \approx 2.024 \)。

 

6. ルートの簡略化と近似

6.1 – 簡略化

ここでは平方根や立方根の簡単化の方法を分かりやすく説明します。

・平方根の簡単化
平方根を簡単化するには、完全平方の因数を根号の中から取り出し、根号の外にその平方根を置きます。これを正しく行う手順は以下の通りです。

1. 因数分解: 根号の中の数を因数分解します。
2. 因数のペア: 同じ因数が2回出現した場合、その両方を消して、その因数を根号の外に1回書きます。3回出現した場合は、2回分を消して外に出し、残り1回分を中に残します。4回、6回、8回といった場合は、それぞれ2組、3組、4組と数えます。
3. 乗算: 根号の外に出た数と、根号の中に残った数をそれぞれ乗算します。
4. 確認: 根号の外の数を2乗し、根号の中の数と乗算した結果が、元の根号の中の数と一致するか確認します。

例1: $\sqrt{50}$を簡単化する。
$\sqrt{50} = \sqrt{2 \times 5 \times 5}$
= $5 \times \sqrt{2}$ (5が2回出現するため、外に出し、2を中に残す)
確認: $5^2 \times \sqrt{2}^2 = 25 \times 2 = 50$

例2: $\sqrt{72}$を簡単化する。
$\sqrt{72} = \sqrt{2 \times 2 \times 2 \times 3 \times 3}$
= $2 \times 3 \times \sqrt{2}$ (2と3がそれぞれ2回出現するため、外に出し、2を中に残す)
確認: $(2 \times 3)^2 \times \sqrt{2}^2 = 36 \times 2 = 72$

 

 

 

・立方根の簡単化

立方根も同様に、因数分解して、同じ因数が3回出現するごとに、根号の外に1回書き出します。

例3: $3\sqrt{64}$を簡単化する。
$3\sqrt{64}$
= $3\sqrt{2 \times 2 \times 2 \times 2 \times 2 \times 2}$
= 4 (2が3回ずつ2セット出現するため、4を答えとする)
答え: 4

例4: $3\sqrt{216}$を簡単化する。
$3\sqrt{216}$
= $3\sqrt{2 \times 2 \times 2 \times 3 \times 3 \times 3}$
= 6 (3が3回出現するため、外に出し、$2 \times 2 \times 2 = 8$を中に残す)
答え: 6

このように因数分解して、因数の組や三つ組を根号の外に移動させることで、平方根や立方根を簡単化できます。

 

 

6.2 – 近似

平方根を近似するために1つ方法を紹介です。数字の平方根を求める際、まずその数字に近い完全平方数を選び、その平方根を使って次のステップに進みます。以下にその手順を分かりやすく説明します。新しい数字として、例えば√45を使ってみましょう。

1. 与えられた数字に近い完全平方数を選びます。45に近い完全平方数は49ですね。√49は7です。
2. 元の数字(ここでは45)をステップ1で見つけた平方根(この場合は7)で割ります。つまり、45 ÷ 7 = 6.43です。
3. ステップ1の結果(7)とステップ2の結果(6.43)の算術平均(平均値)を求めます。つまり、(7 + 6.43) ÷ 2 = 6.715です。
4. 元の数字(45)をステップ3の結果(6.715)で割ります。45 ÷ 6.715 ≈ 6.70です。
5. ステップ3の結果(6.715)とステップ4の結果(6.70)の算術平均を取ります。つまり、(6.715 + 6.70) ÷ 2 = 6.7075です。
6. この新しい結果(6.7075)を使って、ステップ4と5を繰り返します。近似値が十分に正確になるまでこの工程を続けます。

例:√45の近似を求めます。
49が45に近いので、√49 = 7
45 ÷ 7 = 6.43
(7 + 6.43) ÷ 2 = 6.715
45 ÷ 6.715 ≈ 6.70
(6.715 + 6.70) ÷ 2 = 6.7075
45 ÷ 6.7075 ≈ 6.707
(6.7075 + 6.707) ÷ 2 = 6.70725
これを繰り返すことで、√45の近似値が得られます。

この方法は繰り返すことでより精度の高い近似値が得られ、計算が簡単になるのが特徴です。