市場の均衡(供給量と需要量) – 経済学の数学入門(経済数学)

市場均衡モデルの例

経済学の分野での連立一次方程式の例として、単純な市場均衡モデルを考えることができます。このモデルでは、商品の供給と需要が均衡する点を見つけることが目的です。以下に、具体的な例を示します。

ここでは市場が均衡するためには、供給量と需要量が等しい必要で、この辺りはミクロ経済学で学習します。

 

需要関数と供給関数

需要関数: 需要量は価格に反比例すると仮定します。価格 \( P \) と需要量 \( Q_d \) の関係が次の方程式で表されるとします。
\( Q_d = 50 {-} 3P \)
ここで、\( Q_d \) は需要量、\( P \) は商品の価格です。

供給関数: 供給量は価格に比例すると仮定します。価格 \( P \) と供給量 \( Q_s \) の関係が次の方程式で表されるとします。
\( Q_s = 2P + 10 \)
ここで、\( Q_s \) は供給量です。

均衡条件

市場が均衡するためには、供給量と需要量が等しい必要があります。つまり、\( Q_d = Q_s \) となる価格 \( P \) と数量 \( Q \) を見つける必要があります。

解法

まず、需要関数と供給関数を等しく設定します。
\( 50 {-} 3P = 2P + 10 \)

この方程式を解いて、均衡価格 \( P \) を求めます。
\( 50 {-} 10 = 2P + 3P \)
\( 40 = 5P \)
\( P = 8 \)

次に、この価格をいずれかの関数(需要関数または供給関数)に代入して、均衡数量を求めます。
\( Q = 50 {-} 3 \times 8 \)
\( Q = 50 {-} 24 \)
\( Q = 26 \)

したがって、この市場の均衡点は、価格が 8 で数量が 26 のときに達成されます。このようにして、連立一次方程式を使用して経済学の問題を解析することができます。

 

 

均衡条件(供給量と需要量が等しいこと)を利用して、1つの方程式を作成し、それを解いています。これは、特に代入法や加減法といった標準的な連立方程式の解法のいずれかに分類されるものではなく、むしろ均衡分析の一例と見ることができます。

均衡分析では、異なる関数(この場合は需要関数と供給関数)が等しい点を見つけることが目的です。このプロセスは、一般的な連立方程式の解法(代入法や加減法)とは異なり、特定の経済学的状況に特化しています。

ただし、もし需要関数と供給関数のそれぞれを別の方程式と見なし、2つの方程式を連立一次方程式として解く場合には、代入法や加減法を適用することも可能です。この場合、1つの方程式から変数(例えば価格 PP)を求め、それをもう1つの方程式に代入して解を求めるのが代入法になります。また、2つの方程式の左辺(または右辺)を等しくすることで、変数を消去し解を求めるのが加減法になります。