問題2(需要と供給) – 経済学の数学入門(経済数学)

問題2

 

問題1同様に需要関数および供給関数が以下のように与えられています。

    • 需要関数: \( P = 420 {-}0.2Q \)
    • 供給関数: \( P = 60 + 0.4Q \)

ここで1単位あたり50円課される場合の均衡価格と均衡取引量を求めなさい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

税金が供給関数に与える影響

税金が1単位あたり50円課される場合、これが供給関数に影響を与えます。税金は供給者が負担するため、供給者のコストが増加し、供給曲線が上にシフトします。具体的には、供給関数に税金を加算することで、新しい供給関数を得ます。

元の供給関数は \( P = 60 + 0.4Q \) です。ここに1単位あたり50円の税金を加えると、新しい供給関数は \( P = 60 + 0.4Q + 50 \) となります。これを簡単にすると、新しい供給関数は \( P = 110 + 0.4Q \) となります。

新しい均衡点を求めるために、この新しい供給関数と元の需要関数 \( P = 420 {-} 0.2Q \) を等しいとして方程式を解きます。

\( 420 {-} 0.2Q = 110 + 0.4Q \)

新しい均衡取引量 \( Q^* \) の計算

      1. 方程式の設定: 新しい供給関数と需要関数を等しく設定します。
        \( 420 {-} 0.2Q = 110 + 0.4Q \)
      2. 移項と整理:
        • 両辺から 110 を引き、0.2Q を加えます。
        • \( 310 = 0.6Q \)
      3. \( Q^* \) の解決:
        • \( Q^* \) を求めるために両辺を 0.6 で割ります。
        • \( Q^* = \frac{310}{0.6} \)

新しい均衡価格 \( P^* \) の計算

      1. \( Q^* \) を供給関数に代入:
        • 新しい均衡取引量 \( Q^* \) を新しい供給関数 \( P = 110 + 0.4Q \) に代入します。
      2. \( P^* \) の計算:
        • \( P^* = 110 + 0.4 \times Q^* \)

 

 

解答

これらのステップに従って計算した結果、新しい均衡取引量 \( Q^* \) は約 516.67 単位、均衡価格 \( P^* \) は約 316.67 円となります。したがって、1単位あたり50円の税金が課されると、均衡価格は上昇し、均衡取引量は減少することがわかります。これは、税金が供給コストを増加させるため、より高い価格で少ない量が市場で取引されることを意味します。

 

このグラフは、税金が市場均衡に与える影響を示しています。緑色の点は税金導入前の均衡点を表し、赤色の点は税金導入後の新しい均衡点を示しています。税金が課されると供給曲線が上にシフトし、結果として均衡価格が上昇し、均衡取引量が減少します。

  • 税金前の均衡点は、取引量が600単位で、価格が300円です(緑色の点)。
  • 税金後の新しい均衡点は、取引量が約516.67単位で、価格が約316.67円です(赤色の点)。