需要の価格弾力性 – 経済学の数学入門(経済数学)

弾力性、価格弾力性

弾力性は経済学の概念で、ある要素(例えば価格や所得)が変動した時に、別の要素(例えば需要量や供給量)がどの程度応答するかを測定するために使われます。特に、価格弾力性は価格の変化が需要や供給に与える影響を示します。

 

需要の価格弾力性の式

 

需要の価格弾力性の式は通常以下のようになります。

\[ 需要の価格弾力性 = \frac{\text{数量の変化率}}{\text{価格の変化率}} \times (-1) \]

 

 

例: コーヒーと紅茶の価格弾力性

コーヒー(A財)

  • 元の価格: 1000円
  • 新しい価格: 1100円(価格が100円上昇)
  • 元の購入量: 10杯
  • 新しい購入量: 8杯(購入量が2杯減少)

紅茶(B財)

  • 元の価格: 300円
  • 新しい価格: 400円(価格が100円上昇)
  • 元の購入量: 10杯
  • 新しい購入量: 5杯(購入量が5杯減少)

 

弾力性の計算

コーヒー

  • 価格の変化率 = (1100円 – 1000円) / 1000円 = 0.1(10%)
  • 数量の変化率 = (8杯 – 10杯) / 10杯 = -0.2(-20%)
  • 弾力性 = \(-\frac{0.2}{0.1} \times (-1) = 2\)

解釈: この計算によると、コーヒーの価格弾力性は2です。これは、価格が1%上昇すると、需要が2%減少することを意味します。つまり、コーヒーの需要は価格の変動に対して非常に敏感であることを示しています。

紅茶(B財)

  • 価格の変化率 = (400円 – 300円) / 300円 = 0.333(33.3%)
  • 数量の変化率 = (5杯 – 10杯) / 10杯 = -0.5(-50%)
  • 弾力性 = \(-\frac{0.5}{0.333} \times (-1) = 1.5\)

解釈: 紅茶の価格弾力性は1.5です。これは、価格が1%上昇すると、需要が1.5%減少することを意味します。

 

つまり、コーヒーの需要は価格の変動に対して非常に敏感であることを示しています。