問題
総需要は、\(Y_d = C + I + G\)で与えられます。ここで、\(C\)は消費を、\(I\)は投資を、\(G\)は政府支出を表します。消費\(C\)は所得に依存する関数で、\(C = 250 + 0.8Y\)とします。投資\(I\)は120、政府支出\(G\)は定数で70とします。
均衡国民所得の計算
均衡状態では、総供給(国民所得)は総需要に等しいため、以下の等式が成立します。
\[Y_d = C + I + G\]
上記の消費関数を代入すると、
\[Y_d = (250 + 0.8Y) + 120 + 70\]
これを\(Y\)について解くと、
\[Y_d – 0.8Y = 440\] \[0.2Y_d = 440\] \[Y_d = \frac{440}{0.2}\]
これを計算すると、均衡国民所得の値が求まります。
問題解決の計算過程
この問題解決の過程では、与えられた経済モデルに基づき、財市場での総供給と総需要が一致する点、つまり均衡点での国民所得を求めます。総需要は消費、投資、政府支出の合計であり、消費は所得の関数です。この過程をステップバイステップで説明します。
ステップ 1: 総需要の式を設定
総需要 \(Y_d\) は、消費 \(C\)、投資 \(I\)、政府支出 \(G\) の和で表されます。この問題では、消費 \(C\) は所得 \(Y\) に依存し、その関数が \(C = 250 + 0.8Y\) と与えられています。また、投資 \(I\) は 120、政府支出 \(G\) は 70 と固定されています。これらの値を用いて総需要の式を構築します。
\[ Y_d = C + I + G \]
\[ Y_d = (250 + 0.8Y) + 120 + 70 \]
ステップ 2: 総需要の式を整理
総需要の式を \(Y\) に関して整理します。
\[ Y_d = 250 + 0.8Y + 120 + 70 \]
\[ Y_d = 0.8Y + 440 \]
ステップ 3: 均衡条件の適用
財市場での均衡条件は、総供給 \(Y\) が総需要 \(Y_d\) に等しいというものです。これにより、次の等式が成立します。
\[ Y = Y_d \]
\[ Y = 0.8Y + 440 \]
ステップ 4: 均衡国民所得の計算
均衡条件の式を \(Y\) について解きます。これを解くために、両辺から \(0.8Y\) を引いて \(Y\) を単独で表します。
\[ Y – 0.8Y = 440 \]
\[ 0.2Y = 440 \]
\[ Y = \frac{440}{0.2} \]
\[ Y = 2200 \]
したがって、均衡国民所得は 2200 と計算されます。
計算過程の要点
– 総需要の式を設定する際には、消費、投資、政府支出の数値を用います。
– 式を整理して、\(Y\) に関する方程式を作成します。
– 均衡条件を適用して、総供給と総需要が等しい状態を表す式を立てます。
– 方程式を解いて、均衡国民所得を求めます。
この過程を通じて、経済モデルにおける基本的な計算手法を理解し、均衡点での国民所得を導き出します。
こちらは財市場における総供給と総需要を表すグラフです。総供給線(Ys = Y)は点線で示されており、45度の直線を形成しています。これは、任意の点での総供給が国民所得に等しいことを意味します。総需要曲線(Yd = 250 + 0.8Y + 120 + 70)は、消費、投資、及び政府支出を取り入れた与えられた方程式に基づいてプロットされています。
赤い点は、総供給が総需要に等しい均衡点を示しており、国民所得(Y)が2200の地点に位置します。この点は、与えられた経済モデルによる財市場における均衡国民所得を表しています。