基礎数学 – 統計数理基礎 – 分散、標準偏差(演習1)

<分散>

問題:
あるクラスに10人の生徒がいます。彼らの数学のテストの点数は以下の通りです。

70, 75, 80, 85, 90, 95, 100, 105, 110, 115。

 

このデータの分散を計算してください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この問題を解くためのステップは次の通りです。

1. データの平均(平均点数)を計算します。
2. 各データ点(各生徒の点数)と平均との差を計算します。
3. それぞれの差の平方を計算します。
4. すべての平方した差を合計します。
5. 合計をデータ点の数(この場合は10)で割って分散を得ます。

この問題を解くことで、分散の計算方法とその意味をより深く理解できるでしょう。

 

 

解答:

分散の計算ステップ

1. 平均の計算
– 平均は、すべてのデータポイントの合計をデータポイントの数で割ったものです。
– 数式で表すと、平均 \( \mu \) は \( \mu = \frac{\sum{x_i}}{N} \) となります。ここで、\( x_i \) は各データポイント、\( N \) はデータポイントの総数です。

2. 各データポイントと平均との差の計算
– 各データポイント \( x_i \) から平均 \( \mu \) を引きます。
– 数式では、\( x_i – \mu \) となります。

3. 差の平方の計算
– ステップ2で得られた差をそれぞれ二乗します。
– 数式では、\( (x_i – \mu)^2 \) となります。

4. 平方した差の合計の計算
– ステップ3で得られたすべての値を合計します。
– 数式では、\( \sum{(x_i – \mu)^2} \) となります。

5. 分散の計算
– ステップ4の合計をデータポイントの数 \( N \) で割ります。
– 数式では、分散 \( \sigma^2 \) は \( \sigma^2 = \frac{\sum{(x_i – \mu)^2}}{N} \) となります。

 

 

 

問題の解答

生徒の数学のテストの点数は次の通りです:70, 75, 80, 85, 90, 95, 100, 105, 110, 115。

これらの点数を用いて、上記のステップに従って分散を計算します。まず、平均点数を計算し、次に各ステップを進めていきましょう。

 

 

 

このデータセットの平均点数は92.5点、分散は206.25となります。

 

 

 

平均は、全ての点数を合計して(\(70 + 75 + 80 + 85 + 90 + 95 + 100 + 105 + 110 + 115 = 925\))、その合計を点数の個数(10個)で割った結果です。

 

 

分散の計算過程

平均点数が92.5点であることを踏まえて、以下の手順で分散を計算します。

1. 各点数から平均を引く

例えば、最初の点数70から平均点数92.5を引くと、\(-22.5\)が得られます。これを全ての点数に対して行います。

2. 差を二乗する

得られた差\(-22.5\)を二乗すると、\(506.25\)となります。これを全ての差に対して行います。

3. 二乗した差の平均を求める

最後に、これらの二乗した差の平均を計算します。これが分散です。

具体的な計算を示します。

– \(70\)の点数の場合: \( (70 – 92.5)^2 = (-22.5)^2 = 506.25 \)
– \(75\)の点数の場合: \( (75 – 92.5)^2 = (-17.5)^2 = 306.25 \)
– \(80\)の点数の場合: \( (80 – 92.5)^2 = (-12.5)^2 = 156.25 \)
– \(85\)の点数の場合: \( (85 – 92.5)^2 = (-7.5)^2 = 56.25 \)
– \(90\)の点数の場合: \( (90 – 92.5)^2 = (-2.5)^2 = 6.25 \)
– \(95\)の点数の場合: \( (95 – 92.5)^2 = (2.5)^2 = 6.25 \)
– \(100\)の点数の場合: \( (100 – 92.5)^2 = (7.5)^2 = 56.25 \)
– \(105\)の点数の場合: \( (105 – 92.5)^2 = (12.5)^2 = 156.25 \)
– \(110\)の点数の場合: \( (110 – 92.5)^2 = (17.5)^2 = 306.25 \)
– \(115\)の点数の場合: \( (115 – 92.5)^2 = (22.5)^2 = 506.25 \)

これらの二乗した差の合計は\(2062.5\)であり、点数の個数が\(10\)なので、分散は\(2062.5 / 10 = 206.25\)点となります。

以上の計算により、各点数が平均点数からどの程度散らばっているかを表す分散を求めることができました。
この分散の値は、各生徒のスコアが平均からどの程度散らばっているかを数値で示しています。分散が大きいほど、データポイントは平均から広く散らばっていることを意味し、分散が小さいほど、データポイントは平均に近い値に集中していることを意味します。この場合、分散が206.25ということは、生徒のスコアが平均値から比較的広範囲にわたって分布していることを示しています。