基礎数学 – 統計数理基礎 – 母集団平均と標本平均(演習1)

<母集団と標本>

問題:
ある都市には、成人男性の身長の平均が175cm、標準偏差が8cmであるとされています。これを母集団とします。研究者がこの都市の成人男性100人を無作為に選び、彼らの身長を測定しました。この100人のサンプルデータから、次の質問に答えてください。

1. この100人のサンプルは母集団のどの特性を推定するために使用されますか?
2. サンプルの平均身長が177cmだった場合、母集団の平均と比較してどのような意味がありますか?
3. サンプルの標準偏差が7cmだった場合、これは母集団の標準偏差とどのように関連していますか?
4. もしサンプルサイズを200人に増やすと、サンプルの結果の信頼性はどのように変わりますか?

 

 

 

 

 

 

解答:

この問題の解説に入る前に、母集団と標本の基本的な概念について簡単に説明します。

– 母集団: 研究の対象となる全体の集団。この場合、都市に住むすべての成人男性です。
– 標本: 母集団から抽出された一部分の集団。この場合、無作為に選ばれた100人の成人男性です。

問題の各部分について解説します。

 

 

1. サンプルは母集団のどの特性を推定するために使用されますか?

サンプルは、母集団の「平均身長」と「標準偏差」を推定するために使用されます。サンプルの平均と標準偏差は、母集団のこれらのパラメータの良い推定値となります。

 

2. サンプルの平均身長が177cmだった場合の意味

サンプルの平均が177cmで、母集団の平均が175cmの場合、サンプルは母集団の平均よりもやや高いことを示します。しかし、これはサンプルのばらつきや抽出方法によるもので、必ずしも母集団の平均が実際には177cmであるとは限りません。

 

 

3. サンプルの標準偏差が7cmの場合の意味

サンプルの標準偏差が7cmで、母集団の標準偏差が8cmの場合、サンプルの身長のばらつきは母集団のそれよりもわずかに小さいことを意味します。これは、サンプルが母集団のばらつきを完全には表していない可能性があることを示唆しています。

 

 

4. サンプルサイズを200人に増やすと、結果の信頼性の変化

サンプルサイズを増やすと、サンプルの結果の信頼性は一般に高まります。これは、大きなサンプルが母集団の特性をより正確に反映する傾向があるためです。特に、標準誤差はサンプルサイズの平方根に反比例するため、サンプルサイズが大きくなると標準誤差は小さくなり、推定値の精度が向上します。

 

これらの解説は、統計学の基本的な概念に基づいています。母集団と標本に関するさらに詳細な理解には、統計学の理論と実践の深い学習が必要です。