基礎数学 – 統計数理基礎 – 母分散と標本分散(演習1)

<母分散と標本分散>

問題:

あるクラスに10人の生徒がいます。彼らの数学のテストスコアは以下の通りです。

\[ 65, 70, 85, 90, 75, 60, 80, 95, 70, 85 \]

このデータを使用して以下の問題に答えてください。

1. 母平均を計算してください。
2. 標本分散を計算してください。この際、n-1で割ることに注意してください。
3. 母分散を計算してください。この際、nで割ることに注意してください。

 

 

 

 

 

 

 

 

解答:

概念の説明:

1. 母平均 (μ): これは、全てのデータの平均値です。つまり、全てのデータ値を足し合わせて、データの総数で割ったものです。

2. 標本分散 (s²): これは、データのばらつきを表す数値です。データ各々の値と母平均との差の二乗を合計し、それをデータの数から1を引いた値(n-1)で割ります。n-1で割るのは、標本からの推定における不偏性を保証するためです。

3. 母分散 (σ²*: これもデータのばらつきを表す数値ですが、標本分散とは異なり、データの総数(n)で割ります。母分散は、全てのデータを利用して計算されるため、nで割るのが適切です。

 

 

問題の解説:

– 母平均の計算:
– 全てのテストスコアを合計し、生徒の数(10人)で割ります。

– 標本分散の計算:
– まず、各テストスコアと母平均との差を計算し、その差を二乗します。
– これらの二乗した値を全て合計し、生徒の数から1を引いた値(10-1=9)で割ります。

– 母分散の計算:
– 標本分散の計算と同様に、各テストスコアと母平均との差の二乗の合計を求めます。
– しかし、この合計を生徒の数(10)で割ります。

それでは、この問題の具体的な解答を計算してみましょう。

問題の解答は以下のようになります。

1. 母平均 (μ) は、77.5です。
2. 標本分散 (s²) は、約129.17です。
3. 母分散 (σ²) は、116.25です。

これらの計算により、母平均が全生徒のテストスコアの平均であること、標本分散と母分散がスコアのばらつきを異なる方法で測定していることがわかります。標本分散はデータの数から1を引いた値で割ることで、より正確なばらつきの推定を可能にしています。一方、母分散は全データを使用しているため、単純にデータの数で割ります。