基礎数学 – 統計数理基礎 – 因果関係と相関関係(演習1)

<相関係数>

問題:

あるクラスの生徒10人の数学と科学のテストの点数が以下の通りです。

– 数学の点数: 56, 75, 45, 71, 62, 64, 58, 80, 76, 69
– 科学の点数: 66, 70, 40, 60, 65, 68, 55, 80, 77, 72

このデータを用いて、以下の問題に答えなさい。

1. 数学と科学の点数の平均値をそれぞれ求めなさい。
2. 数学と科学の点数の標準偏差をそれぞれ求めなさい。
3. 数学と科学の点数の間の相関係数を求めなさい。

 

 

 

 

 

 

解答:

1. 平均値の計算

平均値は、すべての数値を合計して、数値の総数で割ることで求められます。

数学の平均

\[
\text{平均} = \frac{\text{数学の点数の合計}}{\text{生徒の数}} = \frac{56 + 75 + 45 + 71 + 62 + 64 + 58 + 80 + 76 + 69}{10}
\]

科学の平均

\[
\text{平均} = \frac{\text{科学の点数の合計}}{\text{生徒の数}} = \frac{66 + 70 + 40 + 60 + 65 + 68 + 55 + 80 + 77 + 72}{10}
\]

2. 標準偏差の計算

標準偏差は、データが平均からどの程度散らばっているかを示します。計算式は以下の通りです。

\[
\text{標準偏差} = \sqrt{\frac{\sum{(x_i – \text{平均})^2}}{n}}
\]

ここで \(x_i\) は各データポイント、\(n\) はデータポイントの数を表します。

数学の標準偏差

\[
\text{標準偏差} = \sqrt{\frac{(56 – \text{平均})^2 + (75 – \text{平均})^2 + … + (69 – \text{平均})^2}{10}}
\]

科学の標準偏差

\[
\text{標準偏差} = \sqrt{\frac{(66 – \text{平均})^2 + (70 – \text{平均})^2 + … + (72 – \text{平均})^2}{10}}
\]

3. 相関係数の計算

ピアソンの相関係数は以下の式で計算されます。

\[
r = \frac{\sum{(x_i – \text{平均}_x)(y_i – \text{平均}_y)}}{\sqrt{\sum{(x_i – \text{平均}_x)^2}}\sqrt{\sum{(y_i – \text{平均}_y)^2}}}
\]

ここで \(x_i\) と \(y_i\) はそれぞれ数学と科学の点数、\(\text{平均}_x\) と \(\text{平均}_y\) はそれぞれ数学と科学の平均点を指します。

 

それでは、これらの計算を実際に行ってみましょう。

計算の結果は以下の通りです。

1. 平均値
– 数学の平均:65.6
– 科学の平均:65.3

2. 標準偏差
– 数学の標準偏差:約10.17
– 科学の標準偏差:約10.96

3. 相関係数
– 数学と科学の相関係数:約0.86

この相関係数は、数学と科学の点数が非常に強い正の相関を持っていることを示しています。つまり、数学で高得点を取る生徒は科学でも高得点を取る傾向がある、ということです。相関係数が1に近いほど、二つの変数間の正の相関が強いことを意味します。