金利(利子:単利、複利) – 経済学の数学入門(経済数学)

単利と複利の定義

単利(Simple Interest)

単利とは、元本のみを利息計算の対象とする方法です。つまり、利息が発生するたびに、その利息が再投資されず、元本のみが次年度の利息計算の基礎となります。

計算式:
\[ \text{元利合計金額} = a + (a \times r \times n) \]

  • \( a \) は元本(初期投資額)
  • \( r \) は年利率(小数形式)
  • \( n \) は運用年数

複利(Compound Interest)

複利は、元本に加えて、それまでに得られた利息も再投資される方法です。これにより、「利子が利子を生む」効果が発生し、資産の増加が加速します。

計算式:
\[ \text{元利合計金額} = a \times (1 + r)^n \]

  • \( a \)、\( r \)、\( n \) の定義は単利と同じ

利息の計算例

年利率を 5%(0.05と表記)、元本を 100,000円、運用期間を 3年とした場合の単利と複利の計算は以下のようになります。

単利の場合

  • 1年後: \( 100,000 + (100,000 \times 0.05 \times 1) = 105,000 \) 円
  • 2年後: \( 100,000 + (100,000 \times 0.05 \times 2) = 110,000 \) 円
  • 3年後: \( 100,000 + (100,000 \times 0.05 \times 3) = 115,000 \) 円

複利の場合

  • 1年後: \( 100,000 \times (1 + 0.05)^1 = 105,000 \) 円
  • 2年後: \( 100,000 \times (1 + 0.05)^2 = 110,250 \) 円
  • 3年後: \( 100,000 \times (1 + 0.05)^3 = 115,762.50 \) 円

このように、複利の場合は運用期間が長くなるほど、元本に加えて利息が再投資されるため、得られる総額は単利のそれよりも増加します。特に長期投資では、この「複利効果」による差が顕著になります。