効用関数 \( U(x) = \sqrt{x} \) を一次微分と二次微分する方法について、数式を用いて分かりやすく説明します。
一次微分(限界効用)
まず、効用関数 \( U(x) = \sqrt{x} \) から限界効用を求めるために、この関数を \( x \) に関して微分します。関数が \( \sqrt{x} \) という形であるため、これは \( x^{1/2} \) と書き直すことができます。微分の公式 \( \frac{d}{dx} x^n = nx^{n-1} \) を使用して、次のように微分します。
\[ \frac{dU}{dx} = \frac{d}{dx} x^{1/2} = \frac{1}{2}x^{-1/2} = \frac{1}{2\sqrt{x}} \]
この式は、消費量 \( x \) が1単位増えるたびに効用がどれだけ増加するかを示しており、\( x \) が大きくなるにつれてその増加量は小さくなります。
二次微分(限界効用の変化率)
次に、一次微分得られた限界効用 \( \frac{dU}{dx} = \frac{1}{2\sqrt{x}} \) をさらに \( x \) に関して微分します。これにより、限界効用の変化の割合、つまり消費量が増えるにつれて限界効用がどのように変化するかがわかります。再び微分の公式を用いて二次微分を行います。
\[ \frac{d}{dx} \left(\frac{1}{2\sqrt{x}}\right) = \frac{d}{dx} \left(\frac{1}{2}x^{-1/2}\right) \]
この式を微分する際には、定数係数を保持し \( x^{-1/2} \) の微分を行います。
\[ \frac{d}{dx} \left(\frac{1}{2}x^{-1/2}\right) = \frac{1}{2} \cdot (-\frac{1}{2}x^{-3/2}) = -\frac{1}{4}x^{-3/2} = -\frac{1}{4x^{3/2}} \]
この結果、二次微分 \( \frac{d^2U}{dx^2} \) が得られ、これは限界効用が減少する割合を示しています。つまり、\( x \) の値が大きくなるにつれて、追加の消費による効用の増加がさらに少なくなることを表しています。
このように、数学的な微分のステップを踏むことで、経済学的な概念をより明確に定量的に理解することができます。