金融の世界史の書籍おすすめ本(世界での金融史の流れ、現在のトピックとは?)ランキング

 

 

 

 

 

 

 

金融の歴史の概要

金融の歴史は非常に古く、社会や経済の発展と共に進化してきました。以下、金融の世界史における主要な出来事や発展を簡潔に説明します。

 

 

 

古代文明と金融の起源

金融の概念は、古代文明にまで遡ります。古代メソポタミアやエジプトでは、物々交換や初期の貨幣の使用が行われていました。また、借金や利子の概念も古代から存在しており、紀元前2000年頃のバビロニアでは、初期の銀行業務が行われていました。

  • 古代ギリシャとローマ: 銀行業務や為替の原型が発達し、特にローマ帝国では、公衆に貸し出すための資金調達が行われました。これが後の金融システムの基盤を形成しました。

 

 

 

 

中世の金融

中世に入ると、ヨーロッパで商業活動が活発になり、金融が大きく発展しました。特に、イタリアの都市国家(ヴェネツィア、ジェノヴァ、フィレンツェなど)は金融業の中心地となり、銀行業や商業信用が発展しました。

  • ルネサンス期の銀行業: 14世紀から15世紀にかけて、メディチ家などの金融業者が大きな役割を果たし、銀行業がさらに高度化しました。また、この時期には国際的な金融取引も拡大し、ヨーロッパ全土での信用取引や手形が広まりました。

 

 

 

 

近代金融の形成

近代になると、金融市場の枠組みが整い、中央銀行や株式市場などが誕生しました。

  • 17世紀のイギリスとオランダ: 世界初の中央銀行であるスウェーデンの「リクスバンク」が1668年に設立され、1694年にはイングランド銀行も創設されました。これらの中央銀行は、国家の通貨発行や金融政策を担い、近代的な金融システムの基盤を築きました。
  • オランダ東インド会社と株式市場: オランダでは、1602年に設立されたオランダ東インド会社が世界初の株式を発行し、アムステルダムにおいて最初の株式取引所が開設されました。これが株式市場の始まりです。

 

 

 

19世紀と産業革命

産業革命期には、大規模な資金調達が必要となり、金融市場が急速に拡大しました。この時期には、多くの国で金融機関や証券取引所が設立されました。

  • アメリカとヨーロッパの金融発展: 19世紀後半、ニューヨークやロンドンなどが国際金融の中心地として台頭し、近代的な銀行業務や証券取引が本格的に行われるようになりました。また、この時期には、金本位制(ゴールドスタンダード)が国際的に採用され、通貨の安定と国際取引が進展しました。

 

 

 

20世紀の金融とグローバル化

20世紀は、金融システムに大きな変化がもたらされました。特に、世界大戦や経済恐慌、そして金融のグローバル化が大きな影響を与えました。

  • 1929年の世界恐慌: アメリカの株式市場の暴落が引き金となり、世界的な経済恐慌が発生しました。これにより、多くの金融機関が破綻し、世界経済に大きな影響を与えました。
  • ブレトンウッズ体制(1944年): 第二次世界大戦後、国際金融システムを再構築するために、ブレトンウッズ協定が締結されました。この協定により、アメリカのドルが基軸通貨となり、IMF(国際通貨基金)や世界銀行などの国際機関が設立されました。
  • 1971年のニクソン・ショック: アメリカのリチャード・ニクソン大統領が金とドルの兌換停止を発表し、金本位制が終焉を迎えました。これにより、為替相場は変動相場制に移行し、現代の金融市場が形成されました。

 

 

 

 

21世紀と現代金融

21世紀に入り、デジタル技術やグローバル化により、金融はさらに複雑化し、国際的な結びつきが強まりました。

  • リーマン・ショック(2008年): アメリカのリーマン・ブラザーズの破綻が引き金となり、世界的な金融危機が発生しました。これにより、各国の金融規制の見直しや中央銀行の役割の再評価が行われました。
  • フィンテックと仮想通貨: 近年では、テクノロジーの進化によりフィンテック(金融テクノロジー)が急速に発展し、ビットコインなどの仮想通貨やブロックチェーン技術が注目されています。これにより、従来の金融システムに変革がもたらされつつあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

金融の世界史の書籍ランキング/一覧

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

書籍概要

 

金融の世界史 -バブルと戦争と株式市場-

 

『金融の世界史―バブルと戦争と株式市場―』は、板谷敏彦氏による金融の歴史を広範に扱った書籍で、世界の経済発展における金融の役割を深掘りしています。この本は、古代メソポタミア文明から始まり、リーマン・ショックに至るまで、金融システムの進化やその影響を詳細に説明しています。特に、バブル経済や戦争、株式市場の関わりが重視されており、金融が歴史的にいかに重要であったかを明らかにします。

特徴的なのは、シュメール人が発明した貸借記録を含む初期の金融システムから始まり、ルネサンス期に登場した銀行や保険業、そして大航海時代以降の世界市場の形成まで、金融の発展過程を網羅的に解説している点です。

また、この本では金融の本質を「人間の欲と叡智の足跡」として描き、歴史的出来事や金融商品(株式、債券、保険など)の起源とそれらの背景にある人間の活動がどのように絡み合っているかを具体的なエピソードで示しています。これにより、読者は金融史の複雑さを理解しやすく、現代の金融システムとのつながりも意識できる構成となっています。

 

 

 

 

 

 

金融化の世界史 ──大衆消費社会からGAFAの時代へ

玉木俊明氏による著書で、近世から現代にかけての金融の歴史を詳述した作品です。この本では、金融化が社会と経済に与えた影響を多面的に探求しています。特に、大衆消費社会から金融社会への移行と、その過程で起こった所得格差の拡大がテーマです。

金融化とは、経済活動における金融の役割が次第に拡大し、企業や政府、個人の経済行動に強く影響を与えるようになる現象を指します。本書では、この過程が欧米でどのように進行し、現代のグローバル経済やGAFA(Google, Apple, Facebook, Amazon)のような巨大企業がどのように金融化の波に乗って成長したかを説明しています。

本書の興味深い点は、歴史的な視点から金融化の影響を解明していることです。大航海時代の金融の発展から始まり、現代のデジタル技術による金融の進化までを追い、その過程でタックスヘイブンの隆盛やデジタルプラットフォーム企業の台頭についても詳細に言及されています。
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この本は、金融や経済に興味を持つ人々にとって、現代の経済構造を理解する上で非常に有益な内容です。金融の歴史が現代社会にどのようにつながっているのか、複雑な仕組みを解き明かす一冊です。

 

 

 

 

 

貨幣の「新」世界史──ハンムラビ法典からビットコインまで

カビール・セガールによる著作で、貨幣の歴史を通してお金の本質とその影響を探る一冊です。この本では、ハンムラビ法典にまでさかのぼり、貨幣の誕生からビットコインなどの現代のデジタル通貨に至るまで、貨幣がどのように社会や文化に影響を与えてきたかを幅広く解説しています。

セガールは、ウォール街での経験をもとに、金融危機の影響や人々の生活に与える貨幣の力について考察しています。彼は世界各国を訪問し、脳科学や行動経済学、歴史学など多様な視点からお金の役割を分析します。特に、貨幣がどのようにして人間の行動を左右し、社会の進化に影響を与えたかに焦点を当てています​。

この本は、単なる歴史書ではなく、貨幣が社会にどのように組み込まれ、どのように発展してきたかを理解するための洞察を提供しており、金融の歴史や現代のデジタル経済に興味を持つ読者にとって非常に興味深い内容です。