環境経済学とは?
広い意味で、環境経済学は経済活動や政策が我々が生活する場で、どのように環境面で影響するか、または原因となるかを調べます。ある経済活動が環境面としてどのように影響を与えているのか、また逆に環境に関する数値が社会、経済活動に働いかという面も調べることができます。
人間活動の生産は汚染を引き起こします。ある工場から排出される煙は酸性雨を引き起こし、地球温暖化にも寄与する可能性もあります。生産活動(企業)だけでなく、人々の活動からでも同じことが言えます。家庭での消費があがればそ汚染された焼却炉やゴミ捨て場に送られる廃棄物が増えることになります。
しかし、このような汚染は経済活動の避けられない結果と言うことではありません。
環境に関する政策によって政府は汚染を行っている企業に排出物を浄化するよう法律、条例とたてて要求することができ、人々に行動を変えるよう促すことができます。
ただし、一般にはこれらの対策には公害防止装置の設置などの費用がかかります。したがって経済学の中心的な考えであるトレードオフがおこります。。クリーンな環境を求める場合は、経済的コストがかかります。環境経済学の中心的な問題は、この環境と経済活動(人々の環境に負荷をかける行動)トレードオフに関するものです。
• 環境保護に費用がかかる場合、公害防止にいくら費やすべきか? – 汚染をゼロに減らす価値はありますか、それとも経済的利益があるため、ある程度の汚染を受け入れる必要があるのか。
• これらの決定を下す際に、汚染の少ない環境になったら人々はどの程度得利益を得られ、それをどのように評価できるのか。
• 公害を削減するための政府の政策はどのような形を取るべきか? 環境に配慮した生産と消費を奨励するために、汚染税や排出量取引を利用して、市場ベースの環境政策を採択する必要があるか。
環境経済学は、これらの問題について考えるためのフレームワークを提供します。これらの問題は、気候変動、資源、リサイクル、交通渋滞などの政策論争や公の議論の重要な分野の中心に位置しています。
環境経済学のテーマ
環境経済学の研究テーマで参考になるジャーナルは、環境経済学の分野に特化したJournal of Environmental Economics and Management(Elsevier)、Ecological Economics(Elsevier)、American Journal of Agricultural Economics(Wiley)、また資源、エネルギー寄りですとResource and Energy Economics(Elsevier)、Energy Economics(Elsevier)になります。
もちろん様々なジャンルをカバーした総合でのトップ経済学ジャーナルもありますが、高度な内容になるので修士プログラムまでで参考にするのは専門の経済学雑誌が良いでしょう。
環境経済学ではマクロ経済分野や、意思決定でのミクロ分野、また農業や開発、医療などとのリンクもあり、例えば農業経済学から入っての環境が見たい場合は農業経済学のジャーナル(例えばJournal of Agricultural and Resource Economics)なども参照してみるのが良いでしょう。
大学大学院で学ぶ際の前提知識
マクロ経済学、ミクロ経済学の知識が前提となります。また実証論文を書く場合は計量経済学の知識、またはその他様々なソフトウェアの知識も必要になる場合があります(地理情報システムなど)。
また、環境経済学は資源エネルギー、農業、食料、都市交通、気候変動、開発などとのトピックともリンクしているのでそれらのトピックもテーマに合わせて学んでいきましょう。
大学大学院で学ぶ環境経済学の内容
授業内容ですが大学院、そして授業を担当する方でどこに重きを置くかが変わってきます。またそこで出るリーディングリストの文献なども変わってくるところがあります。
環境経済学の原則(ミクロ理論、マクロ理論)、所有権、外部性、環境政策の評価などが扱われますが各大学院でのシラバスが閲覧できる場合は確認しましょう。また大学院で使われる環境経済学の目次等も確認してみましょう。
おすすめテキスト
参考リンク
NBER environment/energy working group
NBER environment/energy summer institute papers
Resources for the Future (RFF)