これまでのプログラム参加者も含めて、20人程度にそれまでのバックグラウンド、どのような勉強をしてきたかなどまとめていきます。(経済専攻経済学コースを中心として)
出身大学・専攻
合格を左右するわけではありません。東京大学経済学部からそのまま進学するケースもあれば、他の国立大学の経済学部や関連分野、また私立大学の経済学部出身者が合格することもあります。さらに、学部時代に経済学を専攻していなかった国立・私立大学の出身者でも合格した例が見られます。
旧帝大や有力な国立・私立大学からの進学者が多い傾向にありますが、大学院進学を意識し始めた時期が遅くても、学部3年生までに経済学の入門〜中級レベルを学習していれば、大きな負担なく準備を進めることができます。
特に、数学・物理・工学などの理系出身者は、経済学の専門知識がなくても、数学や統計学に強みがあるため、比較的スムーズに合格するケースが多いです。一方、社会科学や人文学系の出身者は、数学や統計学の難易度が経済学より低い、または未習の場合が多いため、3年生の秋頃から計画的に学習を進めれば十分合格可能です。
なぜ東大経済学研究科を志望?
もちろん偏差値的なところはありますが、実際にもその卓越したアカデミックな環境と研究レベルの高さです。日本における経済学研究の中心的な機関として、東大には各分野で著名な教授陣が揃っており、理論・実証の両面から高度な研究が行われています。ミクロ経済学、マクロ経済学、計量経済学といった基礎分野はもちろんのこと、開発経済、医療経済、行動経済、国際経済・貿易、労働教育、環境などの応用分野においても、世界的に評価の高い研究が展開されている点は大きな魅力となっています。また、国際的な学術ネットワークを持ち、海外の著名な大学とも研究交流を積極的に行っているため、国内にいながら世界水準の教育と研究環境を享受できることも志望動機の一つとなっています。
さらに、東大には全国から優秀な学生が集まり、高い志を持った仲間と切磋琢磨できる環境が整っています。単なる学問的な知識の吸収にとどまらず、互いに刺激を与え合いながら成長できる環境があることも、東京大学大学院経済学研究科を志望する大きな理由となります。
各分野ともトップの先生方がいますので、分野はどの分野でもより研究環境が整っているでしょう。
経済学の知識、筆記
院試では筆記はありませんが、基本的には学部でやるミクロ経済学、マクロ経済学、計量経済学の知識をもっているのが良いです。
特に院試を考え始めてから、それまで未学習の場合には、ミクロ経済学、マクロ経済学を特に優先に、いわゆる、学部でやる中(上)級テキスト(マクロ経済学 新版 (New Liberal Arts Selection) 、マクロ経済学(二神,堀978-4-641-16502-1) 、 ミクロ経済学の力、 ミクロ経済学(奥野978-4-13-042127-0) 、一歩ずつ学ぶ ゲーム理論)をまずは行いましょう。
計量経済学も知識的には学部中上級の計量(計量経済学 (New Liberal Arts Selection)のレベル)まで行きたいですが、そこまで時間がなければならない場合は、ジャーナル、論文を読めるためのやり方を取りましょう。書籍では
辺りで、読むための計量経済学本を取り、学んでいきましょう。
また、実際にreplicationできるデータを回してみたりするとき、STATAが多いのでSTATAも使えたりするのも良いですが、R,Pythonがメインで院でも使うので、この辺りある程度プログラミングもできるようにしておくようしておきましょう。
計画書
まずは長いです。5000文字ですので、研究テーマ、研究目的、研究方法についての内容についてしっかりと書く必要があります。あまりこの辺りも書かれてませんが、参考文献もほぼ英語での主要経済学ジャーナルからピックアップする必要があります。
以下、あくまでこれまでの合格者の平均ですが下記のような書き方をしましょう。
研究テーマの背景として、まず研究対象分野の現状と直面する課題を提示し、それがなぜ重要なのかを説明する必要があります。既存研究の成果を整理し、これまでにどのような知見が得られているのかを明確にするとともに、自身の研究がどのような新規性や貢献を持つのかを示すことが重要です。
次に、研究の目的を明確にし、具体的にどのような問いに対して答えを出そうとしているのかを述べます。さらに、仮説を設定し、どのような経済理論や実証データを用いてその仮説を検証するのかを説明します。研究の手法についても詳しく述べ、計量経済学を用いる場合には、採用する分析手法を具体的に示します。また、使用するデータの種類や入手方法についても明確に記述し、研究の実現可能性を高めることが求められます。
研究の期待される成果については、どのような結果が得られる可能性があるのかを考察し、それが学術的にどのような貢献をもたらすのかを説明します。加えて、研究が政策的な示唆を持つ場合には、その意義についても言及することが望ましいです。
計画書の作成にあたっては、論理的な一貫性を保ち、問題提起から結論までがスムーズに繋がるように構成することが重要です。また、既存研究との差別化を明確にし、新しい知見をもたらす研究であることを示すとともに、データや手法についても具体的に記述することで、研究の実現可能性を高めることが求められます。
面接口述試験
面接は4名(3名、5名)での先生が行われます。
口述試験に関する志望分野について、研究計画書の内容に基づき、以下の選択肢の中から最も適切なものを 1 つ選んでくださいと指示があります。
- ミクロ経済学
- マクロ経済学
- 労働経済学
- 財政・公共経済学
- 産業組織
- 開発経済学
- 国際経済学
- 都市経済学
- その他(具体的に記載してください)
ここで選んだ分野の先生が面接には来てくれます。ただし複数形でまたがる分野もありますし、例えば労働経済学、計量経済学がそれぞれメインの先生がきたりもよくあります。あまり面接官の先生は意識セず大丈夫ですが、先に東大の経済学研究科の教員ページをみておきましょう。
面接はほぼ計画書に沿って行われます。途中違うことも聞かれたり、例えば他学部から経済学研究科に来た場合はその理由とかも聞かれたりしますので、その辺りは準備しておきましょう。