東京大学公共政策大学院の合格体験記(東大での専門職大学院、新卒学生、社会人)

東京大学公共政策大学院の出願

東京大学公共政策大学院(GraSPP)の合格体験記をまとめた本記事では、これまでの合格者の体験を紹介します。これまで毎年5名以上の合格者と在学されていた方の情報を共有し、出願戦略や対策などについて詳しく解説します。

東京大学公共政策大学院の受験を考えている方に向けて、実際の受験プロセスや準備方法、そして合格後の生活について詳しくお伝えします。この記事を通じて、東京大学公共政策大学院を目指す皆さんが自身に合った戦略を立てる際の参考にしてください。

東大の公共政策大学院を含めて、公共政策大学院の院試は他の大学院研究科に比べて、何をどの程度準備すればいいのかが分かりにくい点が特徴です。また、合格者のバックグラウンドが非常に多様であり、特定の学部出身者や職業経験が必須というわけではないため、受験生にとって「どのような準備をすれば合格しやすいのか」が掴みにくいという課題があります。他の研究科ならほぼほぼ合格と言えるのが、なかなか公共政策大学院は我々もいえない場合があります。

そんなに国際経験(例えば留学、日本の外で企業インターン、NGOなどなど)がなくとも国際公共政策コースに受かったり、経済学が未習(または初学ぐらい)でも経済政策コースに受かっています。(ただし、合格が可能性が高まるやり方で経済学研究科と併願で、東大の経済学研究科に受かるレベルに達するとこのパターンは公共政策大学院でも合格しやすい傾向はあります。)

 

 

 

 

英語対策(TOEFL)

東京大学公共政策大学院への入学を目指す際、TOEFLスコアの提出が求められます。TOEFLを含め「最低合格」ラインは設定しておらず、提出書類、専門科目のエッセイ・試験や口述試験などと併せ、総合的な審査によって合格者を決定しているとされていますが、 実際にTOEFLも何点を取ればいいかも分かりにくいところはありますが、これはコースによるところもあります。

国際公共政策コースとMPP/IPにおいてはやはり少なくとも90点以上が良いでしょう。これらのコースで何かしらの留学経験、海外経験が多く既にTOEFLの点数を持っている、またはライティング、スピーキング力もありTOEFLを受けていなかったとしてもすぐTOEFLを取っている印象です。

経済政策コース、法政策コース、公共管理コースは、比較的TOEFLのスコアに幅があるものの、80-85点を目安にするのが望ましいでしょう。もちろん70点台でも合格者はいますし、この辺りはもし英語が芳しくなかったら他でカバーすることととなります。

 

 

 

 

 

エッセイについて

 

・一般

東京大学公共政策大学院の入試では、各コースごとに求められるエッセイのテーマが異なります。特に、経済政策コースを選択する受験者は「経済学」の区分を選択する必要があり、マクロ経済学・ミクロ経済学の知識が問われます。一方で、その他のコースでは、制限はありません。それぞれ各コースで必要となるエッセイの内容は以下のとおりです。

法律区分:「行政法」および「国際法」の2つのエッセイを提出

行政区分:「政治学(行政学を含む)」および「行政法」の2つのエッセイを提出

政治区分:「政治学(行政学を含む)」および「国際政治」の2つのエッセイを提出

国際関係区分: 「国際法」および「国際政治」の2つのエッセイを提出

経済学区分:「経済学(マクロ経済学、ミクロ経済学)」のエッセイを提出

ですので国際公共政策コースでも経済学区分でやっても構いません。

ただし、

・法政策コースなら法律区分、行政区分、

・国際公共政策コースなら法律区分、行政区分、国際関係区分、

・公共管理コースなら行政区分、政治区分、経済学区分

のどれかを選ぶことが多いです。

また各テーマが具体的な設定ではあるので、ある程度似た解答にはなってしまうところもありますが、しっかりアカデミックな書き方で引用の仕方、参考文献などしっかりと書きましょう。

 

 

・社会人

社会人枠での出願を考えている方は、一般枠とは異なり、専門的な知識を問うエッセイではなく、職業人としての経験から得られた知見及び問題意識等ということで、自身の職務経験やキャリアの中で培った知識・スキルをどのように公共政策の分野で活かせるかを示す内容が求められます。

特に、東京大学公共政策大学院では、さまざまなバックグラウンドを持つ社会人が入学しており、官公庁、民間企業など多様なフィールドでの経験が評価されます。そのため、エッセイの中では、自分のこれまでのキャリアの中で得た専門性や実務経験が、公共政策を学ぶ上でどのように役立つのか、また大学院での学びをどのように今後のキャリアに活かしていくのかを明確に示すことが重要です。

ただし、エッセイの文字数には限りがあるため、自身の職務経験をすべて網羅しようとするのではなく、特に強調したいポイントを絞って書くことが大切です。例えば、「これまでの職務経験の中でどのような課題に直面し、それをどう乗り越えたのか」「どのような政策課題に携わり、どのような影響を与えたのか」「なぜ公共政策の分野での学びが自身のキャリアにとって必要なのか」など、具体的なエピソードを交えながら論理的に展開すると説得力が増します。

 

 

 

志望書

 

また志望書の提出と、後に口述試験(面接)が実施されます。この志望書と面接では、受験生の志望動機や専門分野の理解度、将来のキャリアプランなどが総合的に評価されます。

 

志望書は

一般・社会人ともには学業及び学業以外の活動の経過、大学院で習得したい知識と能力、将来志望する進路と関係づけて記載

とある通り、

・公共政策大学院前のこと(過去)

・公共政策大学院でのこと(今)

・公共政策大学院後のこと(未来)

を中心に書くようにしましょう。

また一般、社会人ともに、志望書もアカデミックな書き方で書いていきましょう。引用の仕方、最新の研究を見つけて書くようにFront Labでは指導します。

 

面接(口頭試験)

 

・志望書から

また、面接では、志望書を中心に聞かれますので、志望書に沿った形で「なぜGraSPPを選んだのか」という点について明確に答える必要があります。他の大学院ではなくGraSPPを志望する理由を論理的に説明し、その根拠として、専門分野やカリキュラムの特徴を挙げると説得力が増します。また、自身の学問的関心や将来のキャリアプランとGraSPPでの学びがどのように結びつくのかを具体的に示すことが求められます。

次に、専門分野に関する質問が行われることが多く、提出した志望書の内容や学術的な知識について深く掘り下げられることがあります。面接官の先生は、受験生が公共政策の分野でどの程度の知識を持ち、どのような視点で勉強を進めようとしているのかを確認するために、関連する理論や政策事例についての理解を問うことがあります。そのため、志望書の内容をしっかりと復習し、根拠となるデータや理論について明確に説明できるように準備しておくことが重要です。

また、「なぜこの分野に興味を持ったのか」という質問もよく出されます。これまでの学業や職務経験の中で、どのようなきっかけで公共政策に関心を持ち、それがどのように現在の志望に繋がっているのかを整理して伝えることが重要です。単に「興味がある」と述べるのではなく、具体的なエピソードや経験を交えて説明することで、説得力を高めることができます。

さらに、将来のキャリアプランについても問われることが多く、「GraSPPでの学びをどのように活かし、卒業後にどのようなキャリアを目指しているのか」を具体的に説明する必要があります。官公庁や国際機関、シンクタンク、コンサルティング会社など、目指す進路がどのようにGraSPPの学びと結びついているのかを明確にし、社会に対してどのように貢献したいのかを具体的に述べることが求められます。

 

・エッセイから

社会人の場合はエッセイがキャリアからなので志望書と並列なので、志望書とエッセイ別々に質問とはありませんが、一般の場合はエッセイはエッセイの中で書いたことについていくつかだけ質問が出たりします。