【京都大学公共政策大学院】2022年度院試試験 – 解答、経済理論問2

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問2

(1)パレート最適とは,実行可能な資源配分のうちで別のいかなる配分に移ろうとも,「いかなる人の効用を下げることなく,他の誰かの効用を改善する」ことができないような資源配分の状態のことを指します.

 

(2)競争均衡では,各消費者の効用が最大化され,各企業の利潤が最大化され,需給が一致する均衡が実現します.このとき,各経済主体はそれぞれの最適化行動をとっていて,均衡の状態から資源配分を変えようとすると,必ず誰かの効用が低下してしまいます.よって,競争均衡ではパレート最適になります.

 

(3)競争均衡がパレート最適にならない場合の例として,工場の排水が地域住民に負の外部性を与えている場合があります.このとき,企業の供給と市場の需要が一致する点が競争均衡であるが,負の外部性が考慮されていないために,パレート最適な資源配分よりも,過大な資源配分が実現してしまいます.