【東京大学公共政策大学院】2020年度院試試験の解答(経済学/ミクロ/問題1)

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問題1

(1)誤
参入費用のみが増加し,他の費用,限界費用などは変化していないため,完全競争均衡化では価格が変化しません.

(2)誤
予算制約式は,$p_1x_1+p_2x_2+p_3x_3 \leq M$となります.価格の変化前に使用した所得の量は,$1*50+5+10+10*5=150$より,予算制約式を等号で満たす.価格変化後に使用した所得の量は,$2*33+4*9+12*4=150$より,価格変化後も予算制約式を等号で満たしています.よって効用は変わりません.

(3)誤
生産者に従量税を課した場合,価格の値上げによって消費者に負担を転嫁します.これは消費者に従量税を課した時と同じ消費者余剰,生産者余剰となります.独占の時も同様に,生産者は消費者に負担を転嫁するはずです.独占の時であっても,消費者に課税か生産者に課税かによってCSとPSは変化しません.

(4)誤
効用関数をu(x)=x,資産をZと仮定する.この時,金融商品Aから得られる期待効用は,
\begin{align}
0.6*1.3Z-0.4*0.9Z=0.42B
\end{align}
また,金融商品Bから得られる期待効用は,Zです.金融商品Bから得られる期待効用の方が高いにも関わらず,資産の半分を金融商品Aにも費やしていることから,危険愛好的であると判断できます.