【解答】アセモグル/レイブソン/リスト マクロ経済学 – 3章、復習問題

1. 最適化とは、与えられた制約の中で最も望ましい結果を得るための選択をすることを指します。水準による最適化は、全体の水準を最適化することを目指すもので、差分による最適化は、増減や変動を最適化することを目指すものです。

2. 最適化原理においては、人は常に最善の選択肢を選ぶと考えられているわけではございません。状況や制約に応じて、最適と考えられる選択をするとされています。

3. 比較静学とは、ある一定の時点での経済の状態を分析する手法を指します。例えば、ある年の国内総生産を分析する場合などが該当します。

4. 都市の中心部の近くに住むことを選択する人と、通勤時間が長い場所に住むことを選択する人がいることは、必ずしも最適化の失敗とは言えません。それぞれの人が価値を置く要素に応じて、最適な選択をしていると考えられます。

5. 2つの学区を境にして似たような住宅が販売されている場合、その住宅の価格差を比較することで、子どもの学校の質に対する価値を推定することができます。

6. 「何事も全力を尽くすべき」という諺に対して、経済学者は必ずしも同意するわけではございません。経済学では、限られたリソースを効率的に使用することが重視されます。

7. 経済学では、ほとんどの場合に差分による最適化を活用します。これは、変動や増減を重視する現代の経済状況に適しているからです。

8. マンション市場において、都市の中心部に近いマンションの供給が少ない理由としては、土地の限られた供給や高い土地価格などが考えられます。

9. 最適化行動の分析は、規範的であるとも、事実解明的であるとも言えます。これは、最適化行動が「あるべき」行動を示す一方で、実際の行動を分析することも目的としているからです。