経済学と経済
現在、経済、経済学での入門の書籍が多く出ています。古典的なものから、ベストセラーのもの、またテキスト教科書ベースのもの、最新の書籍まで数ある中でまずはどのようなものを読んでみたいのかで変わってきます。ここでは少しでもその指標になる紹介をしていきたいと思います。
まずは、経済学と経済についての違いを理解することも大切です。
経済は、日常生活での現象や活動を指します。これには、市場での商品やサービスの交換、価格の変動、消費行動、金利や為替の動きなど、私たちの生活を取り巻く様々な現象が含まれます。簡単に言うと、経済は私たちが毎日目にする、または経験する実際の活動や状態です。
一方で、経済学はこれらの経済現象を理論的または実証的に解析し、説明する学問です。経済学では、経済活動の背後にある原理や法則性を探求し、より良い資源の分配や効率的な経済政策についての理論を構築します。経済学は大きくミクロ経済学とマクロ経済学に分けられ、ミクロ経済学は個々の消費者や企業の行動に焦点を当て、マクロ経済学は経済全体の動き、例えば国全体の生産活動や失業率などを扱います。
ですので入門の書籍を選ぶにおいても経済学の入門なのか、経済の入門なのかについてテーマを分けて選びましょう。経済全般の読み物はタイトルで経済学という形でなく、日本経済、世界経済となっております。
経済学の方は、ミクロ、マクロに分かれているテキストや総合での経済学入門というようなタイトルになっています。
またテキストベースでなく、一般的な読み物でも分かりやすく書かれており、タイトルでは経済学と書かれていても経済についても触れているものも多いので是非、目次なども確認してみましょう。
【マクロ経済学】おすすめ本(入門,大学学部,大学院でのテキスト)も確認する
【ミクロ経済学】おすすめ本(入門,大学学部,大学院でのテキスト)も確認する
【ゲーム理論】おすすめ本(入門,大学学部,大学院でのテキスト)も確認する
2024年
こちらでは2024年発売の書籍をピックアップしております。
忘れられたアダム・スミス: 経済学は必要をどのように扱ってきたか
21世紀の市場と競争: デジタル経済・プラットフォーム・不完全競争
イノベーションの経済学 「繁栄のパラドクス」に学ぶ巨大市場の創り方
いますぐできる実践行動経済学: ナッジを使ってよりよい意思決定を実現
経済学入門テキスト
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経済学全般の読み物
予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」
ファスト&スローあなたの意思はどのように決まるか?(上,下)
経済学の歴史
経済学古典
日本経済、世界経済、経済史
経済・経済学おすすめ書籍一覧ランキング
書籍概要
マンキュー入門経済学
経済学の基礎的な原則と概念を広く解説したテキストです。この書籍は、ミクロ経済学とマクロ経済学の両方を扱っており、経済学の入門者にとって非常に理解しやすく設計されています。各章は経済学の基本的なトピックを取り上げ、読者が経済の基礎を理解し、現代経済の問題について考えることができるように構成されています。
本書の特徴は、経済学の基本原則を分かりやすく解説している点です。例えば、経済学の10大原則を紹介し、それらがどのように個人の意思決定、市場の構造、国全体の経済政策に影響を与えるかを説明します。また、市場の需要と供給、政府の役割、マクロ経済の指標、経済成長、インフレーション、財政政策など、経済学の重要なトピックをカバーしています。
『マンキュー入門経済学』は、学術的な厳密さを保ちながらも、高校生から大学生、さらにはビジネスマンに至るまで、幅広い読者にとって理解しやすい内容となっており、世界中で広く読まれていることが特徴です。この本は、経済学の基本を学ぶための優れた入門書として、多くの学習者に推奨されています。
経済学を味わう — 東大1、2年生に大人気の授業
『経済学を味わう – 東大1、2年生に大人気の授業』は、東京大学で行われている人気の経済学講義を基に作成された書籍です。この本は、市村英彦、岡崎哲二、佐藤泰裕、松井彰彦によって編集され、2020年に日本評論社から発行されました。
この書籍は、経済学の様々な側面を広範囲にわたって取り扱っています。目次には以下のような章が含まれています:
第1章「経済学がおもしろい:ゲーム理論と制度設計」(松井彰彦)
第2章「市場の力、政府の役割:公共経済学」(小川光)
第3章「国民所得とその分配:マクロ経済学」(楡井誠)
第4章「データ分析で社会を変える:実証ミクロ経済学」(山口慎太郎)
第5章「実証分析を支える理論:計量経済学」(市村英彦)
第6章「グローバリゼーションの光と影:国際経済学」(古沢泰治)
第7章「都市を分析する:都市経済学」(佐藤泰裕)
第8章「理論と現実に根ざした応用ミクロ分析:産業組織論」(大橋弘)
第9章「世界の貧困削減に挑む:開発経済学」(澤田康幸)
第10章「歴史の経済分析:経済史」(岡崎哲二)
第11章「会計情報開示の意味:財務会計と情報の経済学」(首藤昭信)
第12章「デリバティブ価格の計算:金融工学」(白谷健一郎)
この本は、経済学の様々な分野を掘り下げることによって、学生や一般の読者に経済学の広い範囲を紹介し、理解を深めることを目的としています。また、経済学が日々の生活や社会にどのように関連しているかを示し、読者に経済学の興味深い側面を提供しています。
本書は、経済学の基本原則や理論に加えて、現実世界での経済学の応用にも焦点を当てています。各章は、その分野の専門家によって書かれており、読者に対して経済学の多様なアプローチと理論の適用を示しています 。
経済学って何だろう: 現実の社会問題から学ぶ経済学入門
経済学の基本的な概念とアプローチを、現実の経済・社会問題を事例に取り入れながら解説する入門書です。著本書は、ミクロ経済学、マクロ経済学、国際経済学、開発経済学、行動経済学、政治経済学、計量経済学などの分野のエッセンスを紹介し、これらの知識が今後の社会を考える上でどのように役立つかを示しています。
本書の特徴は、経済学の理論だけでなく、現実の社会問題との関連を重視している点です。例えば、日本経済の長期停滞、所得格差の拡大、国の経済規模や所得レベルの測定方法など、現代の重要なテーマに焦点を当てています。これらの問題に対する経済学的な分析と解決策を提案しており、読者は経済学がどのように日常生活や社会問題に関連しているかを理解することができます。
また、本書は経済学の誤解を解き明かすことにも注力しています。例えば、経済学が必ずしも弱肉強食の自由市場経済を支持するわけではなく、市場の失敗や社会的不平等に対して政府の介入が必要な場合もあることを説明しています。さらに、経済学は経済活動だけでなく、ゲーム理論や行動経済学などを通じて人間の行動や心理を分析する学問でもあると示しています。
絶望を希望に変える経済学
“絶望を希望に変える経済学: 社会の重大問題をどう解決するか”(英語原題: “Good Economics for Hard Times”)は、は、現代の複雑で困難な経済的および社会的課題に対処するための経済学の役割とアプローチについて探求しています。
本書は、困難な時代に事実の重要性を強調し、空想や悪夢がはびこる世界において、現実に根ざした経済学のアプローチを提案しています。その内容は、チャールズ・ディケンズの小説「困難な時代」を想起させるもので、夢や空想が否定され、事実のみが重視される状況を描いている点が特徴です。著者たち、アビジット・V・バナジー(インド生まれ)とエステル・デュフロ(フランス生まれ)は、それぞれ経済学の分野で著名な学者であり、この本を通じて、現代社会の経済的課題に対する独自の見解を提示しています。
この本は、経済学がいかにして現実世界の問題、特に貧困や格差といった社会問題に対処することができるかを探るものです。著者たちは、経済学の理論と実践がどのように現代社会の問題解決に役立つかを論じ、読者に新しい視点を提供します。