限界効用から最適な消費計画はいくつになるか?
・効用関数は以下の通りです。
\[ U_1 = x_1^{1/2} \]
\[ U_2 = 2x_2^{1/2} \]
・総効用 \( U \) は、\( U_1 \) と \( U_2 \) の和となります。
\[ U = U_1 + U_2 = x_1^{1/2} + 2x_2^{1/2} \]
限界代替率(MRS)の計算
・限界効用(MU)は、各効用関数の \( x_1 \) と \( x_2 \) に関する導関数です。
\[ MU_1 = \frac{\partial U_1}{\partial x_1} = \frac{1}{2}x_1^{-1/2} \]
\[ MU_2 = \frac{\partial U_2}{\partial x_2} = 2 \times \frac{1}{2}x_2^{-1/2} = x_2^{-1/2} \]
上記の限界代替率(MRS)の計算過程を説明します。
限界効用(Marginal Utility, MU)の計算:
効用関数 \( U_1 = x_1^{1/2} \) と \( U_2 = 2x_2^{1/2} \) から、各財の限界効用を計算します。
\( MU_1 \) は \( U_1 \) の \( x_1 \) に関する導関数となります。
\[ MU_1 = \frac{dU_1}{dx_1} = \frac{d}{dx_1} x_1^{1/2} = \frac{1}{2}x_1^{-1/2} \]
\( MU_2 \) は \( U_2 \) の \( x_2 \) に関する導関数となります。
\[ MU_2 = \frac{dU_2}{dx_2} = \frac{d}{dx_2} 2x_2^{1/2} = 2 \times \frac{1}{2}x_2^{-1/2} = x_2^{-1/2} \]
・MRSは限界効用の比率です。
ここでは \( MU_2 \) を \( MU_1 \) で割ります。MRSの計算式は次のようになります:
\[ MRS = \frac{MU_2}{MU_1} \]
ここに、上記で計算した \( MU_1 \) と \( MU_2 \) を代入します:
\[ MRS = \frac{x_2^{-1/2}}{\frac{1}{2}x_1^{-1/2}} \]
この式を単純化するために、まず分数の分母にある分数(\(\frac{1}{2}\))を取り除く必要があります。これを行うために、分子と分母に2を掛けます。この操作は分数全体の値を変えません。
計算すると、
\[ MRS = \frac{2 \times x_2^{-1/2}}{2 \times \frac{1}{2}x_1^{-1/2}} \]
\[ MRS = \frac{2 \times x_2^{-1/2}}{x_1^{-1/2}} \]
分数の中で、\( x_2^{-1/2} \) は \( x_2 \) の平方根の逆数、つまり \( \frac{1}{\sqrt{x_2}} \) に相当し、同様に \( x_1^{-1/2} \) は \( \frac{1}{\sqrt{x_1}} \) に相当します。これを使って式をさらに単純化します:
\[ MRS = \frac{2}{\sqrt{x_1}} \times \sqrt{x_2} \]
ここで、\( \sqrt{x_2} \) を分子に移動し、\( \sqrt{x_1} \) は分母に残ります。これにより、次のようになります:
\[ MRS = 2 \times \frac{\sqrt{x_2}}{\sqrt{x_1}} \]
この形は、\( x_2 \) の平方根と \( x_1 \) の平方根の比率の2倍を示しています。これがMRSの単純化の過程です。
この式を単純化すると、
\[ MRS = 2 \times \frac{x_2^{1/2}}{x_1^{1/2}} \]
ここで、2倍するのは \( MU_1 \) の分母に \( \frac{1}{2} \) があるためです。これにより、MRSは \( x_2 \) の平方根と \( x_1 \) の平方根の比率の2倍になります。
これがMRSの計算と展開の過程です。最適消費の決定において、このMRSは財の価格比に等しいと仮定されます。
予算制約式
・予算制約式を設定します。
\[ p_1x_1 + p_2x_2 = m \]
ここで \( p_1 = 1 \), \( p_2 = 2 \), \( m = 90 \) なので、
\[ x_1 + 2x_2 = 90 \]
限界代替率(MRS)は、限界効用の比率
・限界代替率(MRS)は、限界効用の比率です。
最適消費点では、MRSは物価比に等しいです:
\[ MRS = \frac{MU_1}{MU_2} = \frac{\frac{1}{2}x_1^{-1/2}}{x_2^{-1/2}} \]
\[ MRS = \frac{1}{2} \frac{x_2^{1/2}}{x_1^{1/2}} \]
このMRSが \( \frac{p_1}{p_2} \) に等しいとき、最適消費が達成されます。したがって、
\[ \frac{1}{2} \frac{x_2^{1/2}}{x_1^{1/2}} = \frac{1}{2} \]
これを単純化すると、
\[ x_2^{1/2} = x_1^{1/2} \]
\[ x_2 = x_1 \]
予算制約式に代入
・この関係を予算制約式に代入します。
\[ x_1 + 2x_2 = 90 \]
\[ x_1 + 2x_1 = 90 \]
\[ 3x_1 = 90 \]
\[ x_1 = \frac{90}{3} = 30 \]
・\( x_1 \) の値を \( x_2 \) の式に代入します。
\[ x_2 = x_1 = 30 \]
したがって、最適消費量は \( x_1 = 30 \), \( x_2 = 30 \) となります。これが、効用最大化の条件下での予算制約を考慮した消費量の計算過程です。