【計量経済学】教科書・参考書おすすめ本 – part5

 

 

 

 

【計量経済学】教科書・参考書おすすめ本(入門,大学学部,大学院でのテキストランキング)

 

Rによる実証分析: 回帰分析から因果分析へ

 

 

『Rによる実証分析(第2版) 回帰分析から因果分析へ』は、星野匡郎氏、田中久稔氏、北川梨津氏によって著された書籍です。

この本は、や計量経済学を含む「因果分析」に重点を置いています。

経済学を中心とする社会科学での回帰分析の正しい使い方をRを用いて詳細に解説し、数値シミュレーションを通じた直感的かつビジュアルな説明を提供しています。また、プログラミングマニュアルとしても機能するよう、Rコードの記法や実データを用いた演習を含んでいます

 

 

Rによる計量経済学

 

 

因果推論入門〜ミックステープ:基礎から現代的アプローチまで / Causal Inference: The Mixtape

『因果推論入門〜ミックステープ:基礎から現代的アプローチまで』はScott Cunningham著、複数の翻訳者による因果推論に関する教科書です。

この書籍は、因果推論に関する最新の進展をまとめ、学生や実務家が因果関係に関する意味ある回答を導き出すために必要な統計的手法を解説しています。

統計プログラミング言語(R、Stata)による実装を重視し、読者が利用できるデータとコードを添付しています。理論的解説が詳細であり、DAGや合成コントロール法などの発展的なトピックも扱っています。

 

 

効果検証入門〜正しい比較のための因果推論/計量経済学の基礎

『効果検証入門〜正しい比較のための因果推論/計量経済学の基礎』は、安井翔太著によるビジネスにおけるデータ利用のための因果推論と計量経済学の基礎に関する書籍です。

本書は、ビジネスで利用されるデータが、特定の施策の意思決定のために作られるため、そのデータで効果を計る際に、単純な比較では間違った結論に導かれるリスクを説明し、正しい結果を導くための分析手法と考え方を提供します。

RCT(ランダム化比較試験)が理想的な方法であることや、RCTができない場合でも因果推論を用いた再現の可能性についても解説しています。

安井翔太氏は、ノルウェー経済学校で経済学の修士号を取得し、サイバーエージェントに入社した後、アドテクスタジオで機械学習に関する業務やデータを基にした意思決定のコンサルティングを担当しています。

 

実証分析入門 データから「因果関係」を読み解く作法

『実証分析入門 データから「因果関係」を読み解く作法』は、森田果によって書かれた書籍で、政策効果の評価などで重要な「因果関係」の推測方法を数式に頼らずに解説しています。

この書籍は、実証分析の「作法」を学ぶためのもので、さまざまな分析手法やモデルについて、初級レベルのテキストとして構成されています。

内容は、OLS(最小二乗法)、重回帰分析、仮説検定などの統計的手法から、不均一分散への対処、質的変数の分析手法、最尤法(MLE)などのより高度なテーマまで幅広く扱っています。

 

データサイエンスの経済学 調査・実験,因果推論・機械学習が拓く行動経済学

『データサイエンスの経済学 調査・実験、因果推論・機械学習が拓く行動経済学』は、依田高典著による書籍で、ビッグデータの集積や人工知能の活用を背景に、エビデンス重視の実証革命が進む中で新たに要請される経済学に応えています。

内容は、アンケート調査やフィールド実験の経済学、ポリシー・ターゲティングの経済学など、データサイエンスを駆使した新たな経済学の要請に応えるものです。

 

 

 

ビッグデータ統計解析入門—経済学部/経営学部で学ばない統計学

 

『ビッグデータ統計解析入門』は、照井伸彦によって著された書籍で、ビッグデータ分析の基本的な手法や概念を詳しく解説しています。本書では、統計学や計量経済学とは異なる、ビッグデータの分析手法に特化した内容が提供されています。章立てとしては、ベイズ統計の基本、状態推定とベイジアンネットワーク、分類と機械学習、判別と機械学習、データの次元圧縮と高次元回帰、テキスト解析と自然言語処理、そしてニューラルネットワークとディープラーニングについて掘り下げられています。

この書籍は、統計学の基本的な枠組みを基にしつつ、ビッグデータ分析の最新のトピックを扱っており、統計学やデータサイエンスに関心のある学生や専門家にとって有用なリソースとなるでしょう。

 

 

一橋大学経済研究叢書53パネルデータ分析

 

 

『一橋大学経済研究叢書53 パネルデータ分析』は北村行伸氏によって著された書籍です。この本は、自然科学だけでなく、経済学、社会学、政治学などの社会科学分野における実証研究で頻繁に使用されるパネルデータ分析の理論と手法、そしてその応用研究について詳細に解説しています。特に、同一の対象を継続的に観察し記録したパネルデータの使用に関して、その歴史的発展と統計的理論・手法を詳しく紹介し、企業、家計、個人のパネルデータを用いた具体的な研究の成果も示されています。

 

 

 

動学的パネルデータ分析

 

 

『動学的パネルデータ分析』は、千木良弘朗、早川和彦、および山本拓によって著された専門書です。この書籍は、計量手法としてのパネルデータ分析の基本的な概念から始まり、動学的パネルモデル分析の基本的な結果、さらにパネルデータを使用した単位根検定や共和分の問題について詳細に解説しています。

本書は、動学的な計量分析の枠組みの中で、特に時系列分析がパネル分析の重要な構成要素として取り上げられています。時系列分析とは異なり、パネルデータはクロスセクションデータの増加により、より複雑な分析手法を必要とします。この背景から、本書はまずパネルデータ分析の計量手法の基本的なアプローチを紹介し、その後定常な動学的パネル分析に焦点を当てています。この部分では、外生変数を含まない単純なモデルから始めて、外生変数を含むモデルへと進んでいきます。各モデルの基本的な結果を整理し、定常的パネルモデルの検定とそのさまざまな拡張について詳細に説明しています。

さらに、非定常な動学的パネル分析も取り上げられており、ここでは特にパネルデータを使用した単位根検定や共和分の問題に焦点を当てています。パネルデータのクロスセクション間の相関を考慮し、相関がない第1世代と相関がある第2世代に分けて詳細に分析しています。また、最先端の研究が紹介され、新しい考え方が提示されています。この部分では、計量ソフトの進歩にも言及し、理論的な理解があれば、実証分析に進むことができることを強調しています。本書は、大学院生、実務家、および計量経済学を専門としない研究者を対象とした中級テキストであり、最先端の動学的パネル分析への橋渡し役を目指しています。

 

 

Pythonによる計量経済学入門

 

 

『Pythonによる計量経済学入門』は、中妻照雄によって著された、初学者でも取り組みやすい実践的な計量経済学の入門書です。この本は、確率論の基礎から始まり、回帰分析、因果推論までをカバーしています。読者はPythonを使って、これらの概念を実際に手を動かしながら学ぶことができます。

書籍は具体的に、重回帰モデルへの拡張、複数の回帰係数に関する仮説検定、誤差項の分散共分散行列の一般化、操作変数法、因果推論などを詳しく扱っています。また、2値選択モデルやPythonコードなど、実践に役立つ内容も付録として含まれています。

この書籍は、計量経済学の理論を深く理解し、Pythonを使ったデータ分析スキルを高めたいと考えている大学生、大学院生、または実務家にとって非常に価値のあるリソースとなるでしょう。

 

 

Rで学ぶ空間計量経済学入門

 

『Rで学ぶ空間計量経済学入門』は、ジュセッペ・アルビア著、堤盛人監訳による書籍で、21世紀の計量経済分析における重要な分野である空間計量経済学についての本格的な入門書です。この書籍では、20世紀の計量経済学が時系列分析を中心に据えていたのに対し、21世紀では「空間」が中心となることを示しています。特に、空間的な位置座標を応用した新たな学問やビジネスの可能性、およびビッグデータの多くが位置座標で紐付けられていることに注目し、これらの分野に興味を持つ読者にとって重要な内容を提供しています。

本書は、古典的線形回帰モデルから始まり、空間計量経済学における重要な定義、空間計量経済モデル、空間計量経済学における最新の話題、さらにはビッグデータのための代替モデルまで、幅広いトピックをカバーしています。各章では、基本的な概念から複雑なモデルの解説まで行い、Rコードを用いた実践的な例も提供しています。これにより、読者は空間計量経済学の理論を学びながら、実際のデータ分析にも取り組むことができます。

『Rで学ぶ空間計量経済学入門』は、空間計量経済学に関心を持つ学生、研究者、実務家にとって理想的な入門書であり、この分野における理論と実践の架け橋となるでしょう。

 

 

 

 

空間統計学: 自然科学から人文・社会科学まで

 

『空間統計学: 自然科学から人文・社会科学まで』は、瀬谷創と堤盛人による専門書で、地球統計学と空間計量経済学を含む、空間データ分析におけるモデリング技法を統一的に解説しています。この書籍は、両分野が抱える空間データ分析に関わる課題の解決に役立つヒントを提供しており、空間計量経済学の必要性やモデルのパラメータ推定など、多岐にわたるテーマを網羅しています。具体的には、空間ラグモデルや空間誤差モデル、地理的加重回帰モデル、空間的自己相関の検定、空間的異質性の検定などのテーマを扱っています。

 

書籍の内容は、空間データの定義と特徴、数学的準備、空間重み行列と空間的影響の検定など、空間統計学の基礎から応用まで幅広くカバーしています。また、一般化線形モデル、加法モデル、ベイズ統計学の基礎などの付録も含まれており、読者が空間統計学の基本的な概念と技法を深く理解するのに役立つ内容となっています。

 

瀬谷創氏と堤盛人氏は、それぞれ国立環境研究所地球環境研究センターの特別研究員、筑波大学システム情報系教授であり、両氏ともに空間統計学および空間計量経済学の分野で豊富な経験と専門知識を有しています。この書籍は、自然科学から人文・社会科学まで、幅広い分野での空間データの分析に関心のある大学生や院生、専門家にとって貴重な資源となるでしょう。

 

 

部分識別入門: 計量経済学の革新的アプローチ

 

『部分識別入門: 計量経済学の革新的アプローチ』は奥村綱雄によって著された書籍です。この書籍では、計量経済学分野における近年急速に発展している新しい手法である部分識別について、基礎理論から応用に至るまで、丁寧に解説しています。部分識別は、従来の計量経済学の常識を覆す強力なツールとされ、その全体像を詳細に理解することができるようになっています。

本書は、実証例を用いて部分識別の概念を明確にし、読者が容易に理解できるように、わかりやすい言葉で説明しています。内容は部分識別の基本から始まり、増加関数の仮定、操作変数の仮定、単調処置選択の仮定など、部分識別に関する多くの重要なトピックについて詳しく説明しています。これにより、読者は部分識別とは何か、その重要性や応用方法を深く理解することができます。

 

 

 

実証分析のための計量経済学

 

 

本書の目的
・多くの人に計量経済分析の興奮を体験させる
・分析結果の読み取り方を教え、計量経済分析の有用性を広める
・計量経済学の教科書・参考書として、エッセンスを提供
・計量経済学の学習の難しさ
・計量経済学の理論、数式、証明、応用の難しさ
・本書の問題意識:分析の興味深さと学問の難しさのギャップ
・最低限の概念とルールを学び、実践的な計量経済分析を可能にする

 

本書の構成と内容
・第I部:計量経済学の基本概念、初学者向け
・第II部と第III部:分析手法、応用分野、実践的な理解
・太字、チェックポイント、Q&A、演習問題を活用して学習をサポート

 

本書の利用目的
・授業や自習のテキスト
・補助教材や参考書、課題論文・研究論文のための参考資料
・計量経済学のエッセンスを効率的に習得する手助け

 

 

経済・ファイナンスデータの計量時系列分析

 

『経済・ファイナンスデータの計量時系列分析』は沖本竜義著の書籍で、経済・ファイナンスデータを分析する際に不可欠な時系列分析を丁寧に解説しています。本書は時系列分析の入門書として位置づけられており、基礎的な考え方から実際のデータに時系列モデルを応用する際に必要な知識までを網羅しています。具体的には、ARMA過程、予測、VARモデル、単位根過程、見せかけの回帰と共和分、GARCHモデル、状態変化を伴うモデルなどが扱われています。

沖本竜義氏は1976年生まれで、カリフォルニア大学サンディエゴ校の経済学部で博士号(経済学Ph.D.、統計学M.S.)を取得した後、一橋大学大学院国際企業戦略研究科(ICS)で准教授を務めるなど、時系列分析に関する豊富な知識と経験を有しています。

この書籍は、計量経済学における時系列モデルを実際のデータに応用する際に役立つ知識と技術を丁寧に解説しており、計量経済学の基礎知識がある方にとっては興味深く、実際に役立つ内容が満載されています。時系列分析に興味がある大学生や院生、さらには専門家にとっても有用な参考書となるでしょう。

 

実証のための計量時系列分析

 

 

『実証のための計量時系列分析』は、ウォルター・エンダース著、新谷元嗣氏と藪友良氏による日本語訳で、時系列分析の手法に関する包括的な知識を提供する書籍です。この分野は経済学だけでなく、政治学や環境学など多岐にわたる分野で応用され、現実の事象の把握に不可欠なツールとされています。

ウォルター・エンダースは、ノーベル経済学賞を受賞したクライブ・グレンジャーとエンダース=グレンジャー検定を開発したことで知られる計量経済学者です。彼は、計量理論に加え、景気変動、国際金融、テロリズムなどの実証分析への貢献でも知られています。

本書は、ARMAモデル、GARCHモデル、単位根検定、VARモデル、共和分分析、非線形推定といった時系列分析手法の実践手順を詳細に解説しており、学生、研究者、実務家など、実証分析に関心のある人々に広く支持されている教科書です。また、ウェブサポートページでは、データセットやEViewsマニュアルなどの追加資料も提供しています。

新谷氏と藪氏による翻訳は、原著の第4版を基にしており、最新の手法までカバーしています。特に非線形モデルと構造変化に関する解説が加筆されており、時系列分析の基本的な手法を一冊で理解できるように構成されています。

 

ファイナンスのための計量分析

 

『ファイナンスのための計量分析』は、John Y.Campbell, Andrew W. Lo, Craig Mackinlayが著者で、祝迫得夫, 大橋和彦, 中村信弘, 本多俊毅, 和田賢治が翻訳した書籍です。この書籍は、ファイナンスにおける計量分析の方法論を網羅しており、特に経済・ファイナンスデータの計量時系列分析に重点を置いています。

この分野は経済学のみならず、政治学や環境学など幅広い分野で応用されており、地球温暖化現象の評価など、現実の事象の把握に不可欠な知識とされています。本書の著者であるウォルター・エンダースは、ノーベル経済学賞を受賞したクライブ・グレンジャーとエンダース=グレンジャー検定を開発したことで知られる計量経済学者です。彼は計量理論だけでなく、景気変動、国際金融、テロリズムなどの実証分析への貢献でも知られています。

本書は、ARMAモデル、GARCHモデル、単位根検定、VARモデル、共和分分析、非線形推定といった時系列分析手法の実践手順を詳細に解説しており、学生、研究者、実務家など、実証分析に関心のある人々に広く支持されている教科書です。また、ウェブサポートページでは、データセットやEViewsマニュアルなどの追加資料も提供しています。

 

 

原因と結果の経済学―――データから真実を見抜く思考法

 

『原因と結果の経済学―――データから真実を見抜く思考法』は、中室牧子と津川友介による著作で、日常生活でよく耳にする一見もっともらしそうな通説が実は根拠のないものであることを明らかにし、因果関係を正しく理解するための思考法を解説しています。本書は、統計学や経済学の専門知識がなくても理解できるように、図やイラスト、具体的な事例を用いて、因果推論の基本概念を非常にわかりやすく説明しています。

中室牧子氏は慶應義塾大学の准教授で教育経済学を専門とし、津川友介氏は医療政策学と医療経済学の専門家でハーバード公衆衛生大学院に所属しています。彼らは、実際の研究結果を例に挙げながら、日本の政策がきちんと検証されずに行われている例を多く紹介しており、ビジネスパーソンにとってマーケティングなどの分野で非常に役立つ情報を提供しています。

本書では、例えば「健診を受けること」と「長生きすること」が因果関係にあるのか、または単なる相関関係に過ぎないのかといった問題を取り上げています。また、「テレビ視聴」と「学力低下」との関係や、「偏差値の高い大学への進学」と「収入の増加」といった通説を分析し、これらが本当に因果関係にあるのかどうかを解説しています。数学的な公式を一切使わずに、因果推論の考え方を徹底的にわかりやすく解説することで、読者が日常生活で直面する様々な情報を批判的に分析し、正しく判断する力を養うことができる内容になっています。

さらに本書は、因果関係と相関関係の違い、因果関係を確認するためのチェックポイント、さまざまな研究手法を用いた具体的な分析結果などを提供し、読者が「根拠のない通説」に惑わされずに真実を見抜く力を身につけることを目指しています。

 

 

 

 

データ分析の力 因果関係に迫る思考法

 

『データ分析の力 因果関係に迫る思考法』は、伊藤公一朗氏の著の本で、ビジネスや政策形成において因果関係を正確に見極めることの重要性と、それを実現するためのデータ分析の手法を紹介しています。本書では、「広告が売り上げにどのような影響を与えたのか」「特定の政策がどのような影響をもたらしたのか」といった問題に対して、因果関係分析に焦点を当てて、データ分析の入門知識を展開しています。

本書の特徴は、数式を使用せずに具体例やビジュアルな描写を用いて、データ分析手法を解説している点です。読者が直感的に理解しやすいように、因果関係に迫る最先端のデータ分析手法について詳しく説明しています。それには、ランダム化比較試験(RCT)、RDデザイン、パネル・データ分析などが含まれます。

また、本書は、なぜデータ分析から因果関係を導くのが難しいのかから始まり、実際の実験を行うランダム化比較試験、境界線を使うRDデザイン、階段状の変化を使う集積分析、複数期間のデータを活用するパネル・データ分析など、具体的なデータ分析手法を紹介しています。そして、データ分析をビジネスや政策形成に生かすための実践的な内容に加え、データ分析の不完全性や限界についても触れています。

伊藤公一朗は、この分野における専門家であり、データ分析の力を活用してビジネスや政府の政策を改善する方法について、実際の例を通じて詳しく説明しています。例として、オバマ前大統領が選挙戦で因果関係を明らかにする統計手法を使用し、ウェブサイトのトップページのデザインを最適化した結果、大幅な支援金を集めることができた事例や、グーグルがウェブサイトの文字の色と閲覧者数の因果関係を分析して利益を増やした事例などが紹介されています。

全体として、『データ分析の力 因果関係に迫る思考法』は、データから因果関係を見極め、ビジネスや政策の改善につなげるための手法を学ぶことができる入門書です。専門的な数式に頼ることなく、具体例とビジュアルな説明を通じて、データ分析の基本を理解することができるため、データ分析に興味があるビジネスパーソンや政策立案者にとって非常に有益な内容となっています。

 

 

次世代の実証経済学

 

『次世代の実証経済学』は、大塚啓二郎、黒崎卓、澤田康幸、園部哲史による編著で、実証経済学の最先端とその将来像について議論を展開しています。

本書では、実証経済学における近年の進化を概観し、その進化によってもたらされた研究の発展や課題について詳細に考察しています。

また、日本の経済学をリードする執筆陣が各章の本論、コメント、リプライを通して熱く議論し、実証経済学の政策への実装や経済学の社会実装に向けた課題と手法の限界についても論じています。

 

 

 

 

 進化する経済学の実証分析

 

『進化する経済学の実証分析』は、経済セミナー編集部が編集し、経済学の実証分析における最先端の手法とその進化を概観し、紹介する書籍です。この新版は、好評であった経済セミナーの増刊号を元にしており、近年の経済学分野での実証分析の進展を含んで新たに書籍化されました。

本書では、実証分析が経済学の様々な分野でどのように用いられているか、学問の進展や現実社会にどのような影響を与えてきたかを探求しています。さらに、これからの経済学において実証研究がどのような役割を果たすかについても考察しています。

具体的には、実証分析が切り拓く経済学の未来に関する鼎談、経済学における実証分析の新たな潮流についてのインタビュー、さまざまな実証分析手法に関する詳細な解説が含まれています。これにより、経済学の実証分析の最前線を理解するための決定版となっています。

 

 

進化するビジネスの実証分析

『進化するビジネスの実証分析』は、経済セミナー編集部によって編集された書籍で、ビジネスや政策の現場で注目を集める経済学の実践と研究の最前線を解説しています。この書籍は、ビジネスに役立つ経済学、特に実証ミクロ経済学に焦点を当てており、個々の経済主体の行動をミクロデータを用いて解明する分野です。特に、産業組織論(Industrial Organization:通称IO)が注目されており、企業の行動、産業についての考察、競争政策や規制が企業や消費者にどのように影響するかなど、ビジネスと密接に関わるトピックを研究対象としています。

この書籍は、経営戦略や競争戦略論とIOの関係を詳細に解説し、ビジネスの実証分析として、特に「実証IO」に重点を置いています。実証IOは、戦略的な相互作用がある寡占市場などを主戦場とし、詳細なデータを用いて市場や競争構造の変化を分析する分野です。また、実証分析における構造推定アプローチと因果推論アプローチの適用場面や特徴についても詳細な解説がなされており、読者にビジネス実証分析の全体像を俯瞰できる内容となっています。

統計的因果推論

 

『統計的因果推論』は岩崎学氏による著作で、統計解析の観点から因果関係の推定に焦点を当てたものです。この書籍は、群間比較の統計数理、傾向スコア、マッチング、層別、操作変数法、ケースコントロール研究など、統計的因果推論の枠組みに関連する多岐にわたるトピックを網羅しています。読者層としては、大学院の学生や実際のデータ解析の業務に携わる統計専門家が想定されており、欠測データへの対処法や、ケース・コントロール研究など、特定の分析方法について詳細な解説がされています。

。また、本書は「統計解析スタンダード」というシリーズの一部として朝倉書店から出版されており、数学的定式化と因果推論についての補足資料も含まれています。これにより、読者は統計的因果推論の基礎から応用までを総合的に学ぶことができます。

 

 

インベンス・ルービン 統計的因果推論(上)

 

 

『インベンス・ルービン 統計的因果推論(上)』は、ノーベル経済学賞を受賞したG.W. インベンスと、因果推論の分野で第一人者であるD.B. ルービンが共著した統計的因果推論の基本書です。この書籍は、潜在的結果変数、割り当てメカニズム、処置効果、非順守などの重要な概念を定義し、体系的に解説しています。特に、基本的な枠組み、古典的無作為化実験、正則な割り当てメカニズムの設計、解析、追加的な解析に焦点を当て、非順守を含む問題についても考察しています。

書籍は、完全無作為化実験、Neymanの反復実験、完全無作為化実験における回帰分析などの手法を詳細に解説しており、様々なシミュレーション研究や具体的な事例の分析を通じて、統計学における因果推論の理論的基礎を築いています。それぞれの章では、統計的手法の概念、実施方法、解析方法について詳しく説明し、因果効果の推定におけるこれらの手法の適用を示しています。

また、本書は、翻訳に星野崇宏氏と繁桝算男氏が監修を務めており、統計的因果推論の基礎理論に関する解説とともに、事例による解説も比較的丁寧に行われていることが特徴です。数理的・理論的な部分も比較的詳細に扱われており、数式の意味を追いながら読むことで、理解が深まる内容となっています。

 

 

インベンス・ルービン 統計的因果推論(下)

インベンス・ルービン 統計的因果推論(下)』は、統計的因果推論の理論的基礎を築いたG.W. インベンスとD.B. ルービンによる著作の下巻で、正則な割り当てメカニズムの仮定に関する議論を深め、具体的な事例を通じてさまざまなモデルや分析を掘り下げています。書籍では、対象者に割り当て非順守が含まれる実験についても考察し、第III部から第VII部までの構成で、統計的因果推論の理論と実践について詳細に解説しています。

書籍の主な内容には、共変量の分布のバランスを評価し改善するためのサンプル選定、共変量の分布のバランスを改善するためのトリミング、傾向スコアによる層別解析、マッチング推定量、標準的な平均処置効果推定量のサンプリング分散、および一般的な推定対象への統計的推測が含まれており、それぞれのセクションでは、概念的な説明、数理的な定式化、および具体的な事例を通じた分析が行われています。

この書籍は、統計的因果推論を深く学びたい研究者、データサイエンティスト、政策立案者などにとって、理論と実践の両面から重要な知見を提供する、統計的因果推論の分野における必読の基本書とされています。