公共政策大学院の修了(卒業)に何年かかる? – 国内外の公共政策大学院をチェック!長期制度も活用しよう



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公共政策は、社会のさまざまな課題に対応するための重要な手段です。このような背景のもと、公共政策大学院の役割はますます重要になっていますが、学生や専門家が公共政策の学位を取得するために要する時間は気にするところかと思います。

公共政策大学院の修了年数は、教育の質や専門性の深さ、さらには学生のキャリアへの影響に直結するため、この問題は特に重要です。ここでは公共政策大学院の教育プログラムの構造、修了に要する年数、およびそれが学生の将来に与える影響についてみていきましょう。

 

 

 

公共政策大学院の1年,2年プログラムのメリット

もちろん早めに卒業できることが良かったり、派遣期間の制限で1年でしかないなどで2年というのが難しい場合もあります。

働きながら学業をしたいと言う場合は、早期の1年というパターンでなく、その場合は比重を減らした長期在籍制度が各公共政策大学院で準備されていますのでその活用なども考えてみましょう。

次の就職活動や、金銭的な制約等々で期間を1年で選ぶというのは致し方ありませんが、もし可能でしたら2年間の学術の学びがあったほうが良いかとは思います。その場合は時間はかかるけど、このような長期在学制度を使ってみましょう。海外ですとfull timeとpart timeというふうに分かれております。

 

また一度離職をされる方、学部から直接の場合は、2年間というプログラムはそれなりのメリットがあります。授業も多くのものが取れ、より専門性がつきます。

また、長期休みでのインターンなどを通して次の就職についてもじっくり準備できることもあります。自身のライフキャリアでこの辺りは決めて行きましょう。

 

また、2年のプログラムで実質1年でやるパターンとしては、1年目で履修単位数を最大にして、2年目は最小にするというやり方もあります。かなり忙しい1年目になりますが、1年目はフルで仕事をストップできるが2年目は仕事をしないと行けない場合などこれができる可能性があります。この辺りは各大学院での履修単位数やカリキュラムを確認しておきましょう。

 

 

公共政策大学院の修了(卒業)年数は?

公共政策大学院の修了年数については、もちろん大学院によりますが公共政策大学院(修士課程)では2年、博士課程では4〜6年となっております。

修士課程: 多くの公共政策大学院では、修士課程が基本的なプログラムとなっています。通常、この修士課程を修了するのには2年程度が必要です。しかし、一部のプログラムでは加速コースを提供しており、1年間で修了することも可能です。また、パートタイムやオンラインでの学習オプションを提供している場合、修了までにより長い時間がかかることがあります。

博士課程: 公共政策の博士課程は、より専門的で研究に重点を置いたプログラムです。東京大学公共政策大学院などで設置されております。設置されていない大学院も多いですが、博士課程の修了には通常、4年から6年程度が必要とされます。この期間は、研究の深さや論文の要件、学生の研究進捗によって異なります。

 

 

国内公共政策大学院の修了年数について

 

東京大学公共政策大学院

東京大学公共政策大学院での学位取得にかかる期間は、主にプログラムの種類によって異なります。一般的に、専門職学位課程(修士課程)は2年間の履修期間が設定されています。この期間には、幅広い分野の知識と実務で必要なスキルの習得が含まれます。

また、博士課程の場合、学位論文の提出と審査、最終試験に合格する必要がありますが、一般に博士課程は3年以上の期間を要することが一般的です。
さらに、在職中に大学院に通う場合、平日夜間や土曜日の授業のみで修了要件を満たすのは難しいとされています。そのため、1年間は学業に専念する必要があるか、長期履修学生制度を利用することも検討する必要があります。

 

 

一橋大学国際・公共政策大学院

一橋大学国際・公共政策大学院の修士課程は、通常2年間の学修期間が必要です。学生はこの期間中、専門職大学院として提供される多様なカリキュラムを通じて、政策分析や評価、実践的なスキルを学びます。教育課程は基礎科目、コア科目、応用科目、事例研究の4つのカテゴリに分かれており、学生はこれらの科目を修得することで、政策問題に対する深い理解と分析能力を養います。さらに、修士論文の提出も卒業要件の一部となっています。一橋大学の教育は、国内外で活躍するリーダーシップを持つ人材の育成を目指しています。

 

京都大学公共政策大学院

京都大学公共政策大学院での学位取得にかかる年数は、一般的に2年間です。この期間は、所定のカリキュラムに従って必要な単位を修得し、修了要件を満たすことが求められます。ただし、特定の条件を満たす学生には、より短い期間での修了が可能な「1年履修特例」が設けられています。一方で、仕事などの都合により長期履修を希望する学生のために、最長4年まで修学期間を延長することも可能です。修了後には「公共政策修士(専門職)」の学位が授与されます。

京都大学公共政策大学院は、専門職大学院として設立され、公共的職務に従事する高度専門職業人の育成を目指しています。教育課程は、公共政策分析・評価、行政組織間交渉、地球共生の3つのスペシャリスト能力の発展的育成に重点を置いており、クラスター制履修モデルにより構成されています。

 

大阪大学大学院国際公共政策研究科

大阪大学大学院国際公共政策研究科の博士前期課程(修士課程)の標準修業年限は2年間です。この期間には所定の科目履修と論文作成が含まれ、修了すると「修士(国際公共政策)」の学位が授与されます。この課程では、多様な学生の学修を支えるためのカリキュラムが組まれており、国際機関やマスコミ、シンクタンク、地方・中央の官公庁などから積極的に講師を招いて、多様な授業が提供されています。

さらに、2019年度からは博士前期課程早期修了プログラムが実施されており、大阪大学法学部の4年生が学部の授業と並行して最大10単位まで博士前期課程の科目を取得できるようになっています。この制度を利用すると、最短1年間で修士の学位を取得し修了することが可能です。また、優れた研究業績を上げた学生には、上記のプログラムを利用しなくても、早期修了の可能性があります。

博士後期課程(博士課程)では、通常の修業年数は3年以上です。ただし、優れた研究業績を上げた学生は、1年以上3年未満で修了する可能性もあるようです。この制度は、学生の意欲向上を図るために設けられています。授業形態は多様で、国際的な視点からの教育が強調されており、英語での授業も多く提供されています。

 



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海外(世界)公共政策大学院の修了年数について

 

ここではアメリカ、イギリスのプログラムをいくつかみていきましょう。

ハーバード・ケネディスクール(Harvard Kennedy School)

 

ハーバード・ケネディスクール(Harvard Kennedy School)における学位取得プログラムは、一般的には1年以上の期間が必要です。具体的には、マスタープログラムには以下のようなものがあります:

  • 公共政策修士(Master in Public Policy):2年間のプログラムで、複雑な問題を理解し、具体的な解決策を作成するための厳格なトレーニングが提供されます。
  • 国際開発における公共行政修士(Master in Public Administration in International Development):2年間のプログラムで、経済学と定量的手法における厳格なトレーニングが組み合わされています。
  • 公共行政修士(Master in Public Administration):2年間のプログラムで、公共問題を解決するためのさらなる効果的なリーダーシップスキルを教えます。

これらのプログラムは一般的に2年間で構成されており、1年未満で完了することは難しいと考えられます。また、ハーバード・ケネディスクールでは、経営教育(Executive Education)などの短期プログラムも提供されていますが、これらは通常、専門家や上級レベルの専門家を対象とした短期の職業開発クラスであり、一般的な学位プログラムとは異なります。

 

プリンストンSPIA (Princeton School of Public and International Affairs)

プリンストン大学の公共・国際問題スクール(SPIA)では、いくつかの異なる学位プログラムが提供されています。それぞれのプログラムの期間は以下の通りです。

  • 公共政策修士(M.P.P.): これは中堅職員向けの1年間のプログラムで、公共サービス分野でのリーダーシップを目指す方に適しています。このプログラムには8つのフルタームコースが必要で、学術年度前の夏期プログラムへの参加が求められます​。
  • 公共政策修士(M.P.A.): これは2年間のフルタイムプログラムで、国際および国内の政策キャリアに向けた厳格な準備を提供します。このプログラムでは、政治分析、定量的手法、経済および行動分析をカバーする7つの必修コアコースを含む16のフルタームコースを完了する必要があります​。
  • 公共・国際問題学博士(Ph.D.): このプログラムは5年間のカリキュラムで、公共政策の重要な分野で高品質の研究者を養成することを目的としています。セキュリティ研究と科学技術・環境政策(STEP)の2つの研究クラスターがあります​。
  • 公共政策と法(M.P.A./J.D.)ダブルディグリー: このプログラムはSPIAと提携する法科大学院での4年間の学習を経て、公共政策と法の二重学位を取得します​。
  • 公共政策とビジネス(M.P.A./M.B.A.)ダブルディグリー: このプログラムは、スタンフォード大学のビジネススクールとの協力により、3年間で公共政策とビジネスの二重学位を取得することができます​。

これらのプログラムは、学生が公共部門や非営利部門でのキャリアを追求するために、借金を負うことなく卒業できるよう設計されています。特にMPPプログラムは、1年以内に修了可能なプログラムです。

 

シカゴハリス公共政策大学院(Harris School of Public Policy)

 

シカゴ大学のハリス公共政策大学院(Harris School of Public Policy)には、複数の学位プログラムがあり、それぞれのプログラムで学位取得に要する期間は以下の通りです。

  1. 公共政策修士(Master of Public Policy, MPP): このフラグシッププログラムは、最も複雑な政策問題に影響を与えるためのデータサイエンスと分析スキルを身に付けることを目的としています。期間は2年です​。
  • 計算分析と公共政策の科学修士(Master of Science in Computational Analysis and Public Policy, MSCAPP): 公共政策とデータサイエンスの交差点でのキャリアに備えるため、大規模な問題にビッグデータを適用するプログラムです。期間は2年です​。
  • 公共政策の学術修士(Master of Arts in Public Policy, MA): 既存の大学院学位に政策分析の基本スキルを補完するためのフルタイムプログラムで、1学年で公共政策のMAを取得できます​。
  • 研究方法証明付き公共政策の学術修士(Master of Arts in Public Policy with Certificates in Research Methods, MACRM): 研究と定量的方法における経験と1対1の教員指導を提供するプログラムで、真剣に研究を行いたい人やPhDを目指す人に適しています。期間は15ヶ月/4学期です​。
  • 夜間公共政策修士(Evening Master’s Program in Public Policy, Part-Time MA): 中堅職員向けに設計されたパートタイムプログラムで、複雑な政策課題を通じて組織をリードするために必要なスキルを習得します。4学期で公共政策のMAを取得できます​。
  • 公共政策に関する博士(Doctor of Philosophy in Public Policy, PhD): 実質的および制度的な公共政策の側面に関わる研究指向のキャリアに備えるプログラムです。具体的な期間なく、論文の進捗で3〜5年を要します。

また、1年以内で取得可能なプログラムとして、公共政策の学術修士(MA)があります。これは1学年で完了可能なフルタイムプログラムです。

 

 

コロンビアSIPA(Columbia, School of International and Public Affairs)

コロンビア大学の国際公共政策大学院(School of International and Public Affairs, SIPA)では、以下のようなマスター・プログラムが提供されています。

  • 国際問題修士(Master of International Affairs, MIA): 国際問題に関する専門家を育成するプログラムで、期間は21ヶ月です。
  • 公共行政修士(Master of Public Administration, MPA): 公共政策の分析や実務スキルに重点を置いたプログラム。21ヶ月の期間です。
  • 経済政策管理の公共行政修士(MPA in Economic Policy Management, MPA-EPM): 経済政策の設計と実施に重点を置いた12ヶ月間のプログラムです。
  • 環境科学と政策の公共行政修士(MPA in Environmental Science and Policy): 環境に関する政策と管理に焦点を当てたプログラムです。こちらも12ヶ月間のプログラムです。
  • 開発実践の公共行政修士(MPA in Development Practice): 持続可能な開発の課題に取り組むための22ヶ月間のプログラムです。
  • グローバルリーダーシップの公共行政修士(MPA in Global Leadership): 経験豊富なプロフェッショナルを対象とした10ヶ月間のフルタイムプログラムです。
  • 公共行政のエグゼクティブマスター(Executive Master of Public Administration, EMPA): 経験豊富な専門家向けのプログラムで、フルタイムの勉強が難しい人々を対象としています。2〜3年で働きながら取ります。
  • 持続可能な開発の博士(Ph.D. in Sustainable Development): 社会科学(特に経済学)と自然科学の要素を組み合わせたプログラムです。こちらは3〜5年かかります。

これらのプログラムは、分析方法と実践的な管理スキルの訓練を組み合わせており、卒業生が問題を理解し解決策を実施できるようにしています。上記ですと3つほど1年以下プログラムがあります。

 

 

ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)

ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)の公共政策関連の大学院プログラムは、以下のようになっています。

  1. 公共政策修士(Master of Public Policy, MPP): 公共政策の複雑な課題に対する理解を深めるためのプログラムで、9ヶ月です。
  • 公共政策と行政の理学修士(MSc Public Policy and Administration): このプログラムは、政策アドバイスの委託、生産、管理、使用に焦点を当てています。2年プログラムです。
  • 哲学と公共政策の理学修士(MSc Philosophy and Public Policy): 倫理と政治哲学に関する中心的なトピックを扱うこのプログラムは1年(フルタイム)から2年(パートタイム)で修了可能です​。
  • 国際社会と公共政策の理学修士(MSc International Social and Public Policy): このプログラムは、社会と公共政策に関する核となる問題や概念について学びます。1年(フルタイム)から2年(パートタイム)で修了可能です​。
  • 公共行政のエグゼクティブ修士(Executive Master of Public Administration, EMPA): この22ヶ月間のプログラムは、公共政策の定量的評価や経済政策分析などに焦点を当て、フルタイムの雇用を持つ人々向けに設計されています​。
  • 公共政策のデータサイエンス修士(MPA in Data Science for Public Policy): 公共政策におけるデータサイエンスのコア概念と技術スキルを学ぶ2年間のプログラムです​。

これらのプログラムは、それぞれ公共政策のさまざまな側面に焦点を当てており、専門的な知識と技術を提供しています。上記ではLSEはいくつか1年でのプログラムを用意しています。

 

オックスフォード(Oxford)

オックスフォード大学で提供されている公共政策関連の大学院プログラムには、以下のようなものがあります:

  1. 公共政策修士(Master of Public Policy, MPP): このプログラムは集中的な1年間の教育課程で、公共政策についての学びを提供します。実践的なアプローチを通じて、公共政策の作成、実施、評価に関する知識を深め、リーダーシップと変革を目指す人々に向けて設計されています​。
  • 公共政策の哲学博士(DPhil in Public Policy): このプログラムは学術的に優れた学生を対象とし、公共政策に関する厳格な研究学位を提供します。プログラムの具体的な期間は一般的に博士課程は3〜5年間かかることが多いです​。
  • 公共政策研究の理学修士(MSc in Public Policy Research): このプログラムは、公共政策を改善するために応用研究を行いたいと考える個人を対象としています。このプログラムは、MPPや同等の専門的な修士号を持つ卒業生を対象としており、公共政策プロセスに関する既存の知識に基づいて構築されています。1年間プログラムです。

オックスフォードでも上記のように1年プログラムが準備されています。

 

ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)

UCL(University College London)の公共政策関連の大学院プログラムには、主に次のようなコースがあります。

  • 公共政策修士(MSc Public Policy): このプログラムは、公共政策の基本的な概念、理論、方法論、原則を学ぶことに重点を置いています。フルタイムで1年間、またはパートタイムで2年間のコースで構成されています。プログラムの内容には、政治学理論、公共政策分析の経済的アプローチ、社会的目標としての経済効率と公平性、研究方法などが含まれます。
  • 国際公共政策修士(MSc International Public Policy): このプログラムは、世界的な公共政策プログラムの分析に焦点を当てています。こちらもフルタイムで1年間、パートタイムで2年間のプログラムです。比較政治学、国際関係、公共政策、政治理論などの広範囲なモジュールから選択することができます。
  • イノベーションと公共政策MPhil/PhD: 研究重点のプログラムで、主にイノベーション、公共価値、包括的成長などに関する研究が行われます。フルタイムでは通常4年間、パートタイムでは5年間が期間として設定されています。MPhilからPhDへの昇格評価があり、これに合格する必要があります。

これらのプログラムは、それぞれ異なる専門分野に焦点を当て、学生が公共政策の分析、研究方法、政治学、経済学などの分野でのキャリアを追求するためのスキルを開発することを目的としています。

UCLでもいくつかでは1年での公共政策関連プログラムが準備されています。

 

 

各大学院のチェック

ここではアメリカ、イギリスの公共政策のプログラムを見てみました。

上記あげたところも毎年のadmissionで変更があったりしますし、また新しいプログラムが創出されたりします。まずは各大学院のプログラムリストで見てみましょう。

 

 

 

 

 

 



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