公共政策大学院は使い方としては、かなり融通が利くプログラムです。在学期間でも様々な授業を取れますし、より強めたい分野のスキルは公共政策大学院の他の大学院/研究科でも取れたりします。また就職においても多方面の分野でキャリア形成が可能です。
また、公共政策大学院も毎年カリキュラムをアップデートしており、公共政策の中でもアントレプレナー/イノベーションなどに焦点を当てたビジネススクールに近いプログラムや、データサイエンスのプログラムを計量経済学の中でも提供したりしており、その柔軟性が魅力です。
公共政策大学院での進学メリット
多角的な政策分析能力の獲得
- 公共政策大学院では、政策課題の現状分析や情報収集を基に、政策創造、実施、評価などを行うための知識と技術が身につきます。政治、行政、財政、公共経営、都市政策など多様な分野において、政策形成の全過程にわたる知識を習得できます。
例えば東京大学公共政策大学院でのカリキュラムは、基幹科目、展開科目、実践科目、事例研究の4つの科目群から構成されています。
- 基幹科目: 公共政策の基礎となる知識と分析能力を身につけるための科目。法学分野、政治学分野、経済学分野から構成されています。
- 展開科目: 各政策分野や地域研究に関連する科目、または専門性の高い分野を修得するための科目。
- 実践科目: 実務に応用することを目的としており、政策実務と関連した科目や実務経験を持つ教員による教育が行われる科目。
- 事例研究: 具体的な事例を基にした事例分析の手法によって行われる授業で、政策分析能力の向上に寄与する。
専門性の高いカリキュラム
- 公共政策大学院では、政治学、行政学、経済学、法律学などの基礎科目に加え、実際の政策研究や特殊研究、英語での授業と論文執筆など、専門性の高い教育が受けられます。これにより、具体的な政策分野の研究や国際的な視野での問題解決能力が養われます。
東京大学公共政策大学院を例に取り上げてみましょう。ここでは、政治学、行政学、経済学、法律学などの基礎科目だけでなく、実際の政策研究や特殊研究、英語での授業と論文執筆など、高度な教育が提供されています。
また、東京大学では経済学研究科の教授が公共政策大学院でも兼任の教授もおり、授業を担当することがあり、これにより学生は一流の経済学者から直接学ぶ機会を得られます。また、学生は履修の自由度が高く、必要に応じて経済学研究科の授業を直接取ることも可能です。
特に経済政策コースでは、入学初学期に「ミクロ経済学（Microeconomics）」や「経済政策のための計量経済学（Econometrics for Public Policy）」などの必修科目が開講されています。これらの科目は大学院修了の要件として単位取得が必要であり、英語での講義が行われるため、英語力も重要な要素となります。事前の準備として、経済学および英語の勉強が推奨されています。
さらに、東京大学公共政策大学院では、リサーチペーパーや研究論文の制度が設けられています。これは、研究者としてのキャリアを目指す学生にとって重要な機会であり、自身の研究を深めるとともに専門的なスキルを発展させることができます。また、Capstone 演習が提供されており、これは学生がチームを組んで実践的な課題に取り組む機会を与えるものです。学生はこれまでに修得した知識やスキルを用いて、外部のクライアントから提示された課題に対する解決策を考案し、クライアントからフィードバックを受けます。
実践的なスキルの習得
- 公共政策大学院では、レポート作成、プレゼンテーション技法、ファシリテーション技法など実践的なスキルを学ぶことができます。これにより、政策の立案や実施に必要な実務能力を身につけることが可能です。
東京大学公共政策大学院では、実践的なスキルの習得に重点を置いた教育が行われています。具体的には、公共管理コースや国際公共政策コースなどで、法律、政治、経済の各分野における基礎科目とともに、事例研究や実践科目が提供されています。これらの科目では、具体的な事例を基にした分析や、コミュニケーション能力の向上を目指すケースメソッド方式などが採用されており、実務での応用を重視しています。
また、国際的な視野を持つ政策実務家の育成を目指し、コミュニケーションや合意形成の能力に優れた人材の養成が目標とされています。さらに、英語による授業科目の提供や、筆記試験やレポートなどによる成績評価なども行われ、学生が現代社会の課題に対応できるような幅広い知識と実務で必要なスキルを身につけられるような教育が行われています。
キャリアの幅広い選択肢
- 公共政策大学院の修了生は、政府機関、民間企業、国際機関、NGOなど多岐にわたる分野で活躍しています。金融機関、コンサルティング会社、各種省庁、自治体など、様々なキャリアパスが開かれています。
この辺りは各大学院のHPで卒業生の進路として記載されています。是非確認しておきましょう。
グローバルな視点とリーダーシップの養成
- 多くの公共政策大学院ではグローバルな問題に対する理解を深め、国際社会で活躍できるリーダーの育成を目指しています。英語での授業や国際的なカリキュラムを通じて、国際的な視点やリーダーシップを身につけることができます。
各大学院ともに専門応用科目を設け、同時に学際的視座を確保するために理系との接点となる科目も提供しています。また、実務家教員による実践科目も設けられ、独創的な課題設定能力のトレーニングや現場に即したプロジェクトの設計と実施が重視されています。さらに、この専攻は英語による指導のみで修了できる体制となっており、国際的なコミュニケーション能力の強化にも貢献しています。