【計量経済学】教科書・参考書おすすめ本 – part6

 

 

 

【計量経済学】教科書・参考書おすすめ本(入門,大学学部,大学院でのテキストランキング)

 

 

完全独習 統計学入門

 

『完全独習 統計学入門』は、小島寛之氏による統計学の基礎を体系的に理解できる入門書です。本書は、文系の読者でも独習可能な内容で、必要最小限の数式と丁寧な計算式の解説を通じて、統計学の基本から応用までを学ぶことができます。数学記号や数学公式をほとんど使用せず、穴埋め式の簡単な練習問題を通じて、統計学の最重要ゴールである「検定」や「区間推定」に最短時間で到達することができる構成になっています。

具体的な内容としては、度数分布表やヒストグラム、平均値の役割、データの散らばり具合を見積もる統計量(分散や標準偏差)、標準偏差を用いた評価、正規分布や統計的推定、仮説検定、区間推定など、統計学の重要な概念を幅広くカバーしています。また、各章にはまとめと練習問題が含まれており、理解を深めるための十分な機会が提供されています。

著者の小島寛之氏は、帝京大学経済学部の准教授で、数学エッセイストとしても知られています。彼の専門は数理経済学で、東京大学理学部数学科卒業後、同大学院経済学研究科の博士課程を修了しています。彼の著書には、『確率的発想法』、『使える!確率的思考』、『マンガでわかる微分積分』など、多数の作品があります。

 

 

はじめての統計学

 

『はじめての統計学』は、鳥居泰彦による入門書で、数学が苦手な人でも基礎から理解できるように丁寧に解説されています。統計の基本概念から、一様分布、正規分布、t分布、χ二乗分布、仮説検定、相関分布、回帰分析など、統計学のエッセンスを体系的に学ぶことができます。本書には練習問題が含まれており、解いていくうちに統計学の知識が身につくようになっています。

数学が苦手な人にも理解しやすい平易な言葉で、統計学を分かりやすく解説することに長けています。本書は、随所に練習問題が含まれ、実践的な経済データの読み方にも応用できるため、統計学初学者にとって格好の入門書です。

 

 

基本統計学(宮川公男)

 

『基本統計学』は宮川公男著による統計学の入門書です。著者は一橋大学と麗澤大学の名誉教授で、この書籍は初学者が基本から段階を踏んで統計学を学ぶことができるように設計されています。やや難しい箇所には特別な印が付けられており、読者が自身の学習目的に合わせて読み進めることができるようになっています。

第4版と第5版の主な違いは、第5版では近年のデータ・サイエンスとの関連を説明する章が新たに追加されていることです。第5版は2022年に発売され、内容には不確かさの時代に対応する基本統計学、平均値と分散、度数分布、回帰と相関の分析、確率、確率変数と確率分布、主な確率分布、標本分布、推定、検定、回帰の推測統計理論、そして統計学の歴史、因果関係分析、データ・サイエンスなどが含まれています。

『基本統計学』は、12万人以上が学んできたロングセラーであり、信頼の厚い定番テキストとして知られています。初心者でも理解しやすいように丁寧に解説されており、統計学を学びたいすべての人にとって有用なリソースです。

 

 

統計学入門(東京大学教養学部統計学教室)

『統計学入門』は東京大学教養学部統計学教室によって編纂され、文科と理科の学生に向けて、統計的思考の基礎を分かりやすく解説し、統計学の体系的な知識を提供することを目指しています。

著者は複数の専門家によって執筆され、豊富な実例と図表を用いて、視覚的にも理解しやすい構成となっています。

 

 

計量経済学のための統計学

 

『計量経済学のための統計学』は岩澤政宗による著作で、日評ベーシック・シリーズの一冊です。経済学部の学生を対象に、基本的な統計学の考え方や分析手法を解説しています。この書籍は、計量経済学への入門として構成されており、経済データ(観察データ)を分析するための基礎を身につけることができます。

目次には「統計学とは何か」「集合と写像」「確率」「分布」などの基礎的な概念に加え、「期待値と分散」「条件付き期待値」「多変数の期待値と分散」など、統計学の重要なトピックが含まれています。

岩澤政宗は小樽商科大学商学部経済学科の准教授であり、本書においては統計学の基本となる考え方を丁寧に解説しています。また、同シリーズの『計量経済学』と合わせて読むことで、計量経済学の基礎がさらに深まります。この書籍は、経済データを分析するための理論的側面をおろそかにせず、経済データ分析の基礎が身につくように設計されています。

 

計量経済学のための数学

 

あくまで計量経済学に特化した数学を扱っており、コンパクトに纏まっております。初級中級の計量経済学を終わったところで読んでおきたい1冊です。

 

計量経済学の基礎知識
・線形代数と確率論の知識が必要
・多変数の計量モデルを理解するために行列表記が役立つ
・推定量の直感的理解には部分空間や射影の概念が必要
・最小二乗法の正当化には条件付き期待値が使用され、確率収束と法則収束が精度評価に関与

 

本書の目的
・入門から中上級の計量経済学への橋渡し
・線形代数と確率論の基礎解説
・計量経済学に焦点を当てたトピックの選択

第I部と第II部の構成
・第I部:線形代数の解説
・独学可能で高校生や学部1年生向け
・第II部:確率論の解説
・測度論的確率論を初学者向けに
・抽象概念を具体的な実例で説明
・前提知識:微積分の基本
・演習問題付き

 

演習問題と解答
・本文内の例題の再確認から難問まで幅広い演習問題
・解答は本書の巻末

 

Probability and Statistics for Economists(Bruce E. Hansen)

 

『Probability and Statistics for Economists』は、Bruce E. Hansenによる教科書で、主に経済学の大学院生や博士課程の学生を対象に、数学的確率と統計理論の基礎を提供しています。これは、計量経済学で使用される方法の基礎であり、確率論は不確実性を扱うための定量的言語として、そして現代統計の基礎として位置づけられています。

教科書は、密度関数、連続確率変数の変換、期待値、対称分布、切断分布、センサー分布、モーメント生成関数、特性関数などのトピックを詳細にカバーしています。さらに、パラメトリック分布、多変量分布、正規分布および関連分布、標本抽出、大数の法則、中心極限理論、最尤推定、モーメント法などのトピックも扱っています。

この教科書は、計量経済学における1年間の博士課程で通常教えられる核心的な内容をカバーする2部構成のシリーズの最初の部分です。このシリーズの次の巻は『Econometrics』です。

 

 

データ解析のための数理統計入門

 

『データ解析のための数理統計入門』は、久保川達也著者による数理統計の基礎知識をわかりやすく解説する書籍です。前著『現代数理統計学の基礎』よりも難易度がやや下がっており、統計検定でいうと準1級レベルに設定されています。

前半部分では、確率、確率変数、確率分布、期待値と共分散、大数の法則と中心極限定理などの基礎知識と必要な道具を学習し、パラメータの推定、信頼区間、仮説検定などの推測統計の方法を説明しています。

後半部分では、線形回帰、ロジスティック回帰、分散分析、ベイズ統計とMCMC法、ブートストラップ法、ノンパラメトリック検定、生存時間解析、多変量解析などの様々なトピックを扱い、統計分析の幅広い知識と手法を提供しています。