【国際貿易】教科書・参考書おすすめ本(入門,大学学部,大学院でのテキストランキング)

国際貿易の概要

国際貿易の経済学は、国家間での商品、サービス、資本の交換プロセスを研究する経済学の一分野です。この分野は、国際貿易の原因と結果、貿易政策、貿易パターン、国際貿易の経済的影響などを分析します。以下は、国際貿易の経済学が取り組む主要なトピックの概要です。

貿易の理由と利益

  • 比較優位: 国が相対的に効率的に生産できる商品やサービスに特化し、他国と交換することで、全参加国が利益を得る理論。
  • 絶対優位: 一国が他国よりも少ないリソースで商品やサービスを生産できる場合、その国はその商品の絶対優位を持っているとされる。

貿易パターン

  • ヘクシャー=オリーン理論: 資源の国際的な違いが貿易パターンをどのように形成するかを説明する。
  • 新貿易理論: 市場の規模と規模の経済が貿易パターンにどのように影響するかを探る。

貿易政策

  • 関税と輸出補助金: 国際貿易における政府の介入として最も一般的な形態。
  • 自由貿易と保護主義: 自由貿易は国際貿易の障壁を取り除くことを支持し、保護主義は国内産業を外国競争から保護するための措置を支持する。

経済統合

  • 地域貿易協定: ナフタ(北米自由貿易協定)やEU(欧州連合)のような、地域的な経済統合の形態。
  • 多国間貿易協定: WTO(世界貿易機関)のように、多国間で合意される貿易ルール。

国際金融と貿易

  • 為替レート: 二国間の通貨の交換比率が貿易流れに与える影響。
  • 資本の流れ: 国際貿易における資本の動きと、それが経済に与える影響。

国際貿易の経済学は、グローバリゼーションが進む現代世界において、国家間の経済的相互依存を理解する上で不可欠な学問分野です。貿易理論、国際貿易政策、経済統合、そして国際金融市場の理解を深めることにより、国際経済の複雑な相互作用を分析し、予測するための重要な洞察を提供します。

 

 

 

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おすすめ国際貿易テキストのリスト

1 国際経済学 国際貿易編 (Minervaベイシック・エコノミクス)
2 理論と実証から学ぶ 新しい国際経済学
3 上級国際貿易 —理論と実証—
4 国際貿易 ―グローバル化と政策の経済分析―
5 貿易入門:世界と日本が見えてくる (大学生の学びをつくる)
6 なぜ自由貿易は支持されるのか: 貿易政治の国際比較
7 貿易戦争の政治経済学:資本主義を再構築する
8 国際貿易法入門 ――WTOとFTAの共存へ
9 世界経済論:変容するグローバリゼーション
10 大学4年間の国際政治学が10時間でざっと学べる
11 新々貿易理論とは何か: 企業の異質性と21世紀の国際経済
12 基礎から学ぶ国際経済と地域経済
13 国際経済論 (MINERVAスタートアップ経済学)
14 はじめて学ぶ国際経済〔新版〕 (有斐閣アルマ)
15 国際貿易のゆくえ 経済セミナー
16 国際経済学をつかむ
17 教養としてのグローバル経済
18 実証から学ぶ国際経済
19 貿易紛争とWTO: ルールに基づく紛争解決の事例研究
20 国際化時代の地域経済学
21 国際経済学入門 (経済学叢書Introductory)
22 私たちの国際経済 — 見つめよう,考えよう,世界のこと
23 グローバル経済の歴史 (有斐閣アルマ)

 

 

 

 

書籍概要

 

国際経済学 国際貿易編 (Minervaベイシック・エコノミクス)

 

中西訓嗣氏の著書『国際経済学 国際貿易編 (Minervaベイシック・エコノミクス)』は、国際貿易論に関連する標準的な理論と基礎的な事項を、図や例を交えてわかりやすく解説した教科書です。貿易のパターンと利益を明らかにすることに重点を置き、経済学を学び始めた大学生だけでなく、一般の社会人や高校生にも理解しやすい内容になっています。具体的なモデル名に焦点を当てるのではなく、各テーマに必要な理論部分を取り入れながら、国際貿易論の方法がどのように適用可能かを学ぶことができるよう配慮されています。

また、本書は国際貿易論の様々な側面をカバーしており、産業内貿易、製品差別化、独占的競争、国際生産要素移動、最適関税論、幼稚産業保護論、戦略的貿易政策論、国内政治過程、GATT・WTOの小史、WTOの基本理念と構造、関税競争、経済成長と貿易、地域貿易協定・経済統合など、幅広いトピックを扱っています。

中西氏は、この分野における深い知識と経験を持っており、神戸大学大学院経済学研究科で教授を務め、経済学博士の学位を有しています。著者は「貿易自由化は、いくつかの問題を抱えてはいるものの、基本的には実行すべきものである」という視点を持っており、その立場は本書にも反映されています。

 

 

理論と実証から学ぶ 新しい国際経済学

 

 

友原章典氏の著書「理論と実証から学ぶ 新しい国際経済学」は、グローバル化の進展に伴う国際貿易の問題について、理論と実証の両面からアプローチを試みる教科書です。本書は、特に初級から上級への橋渡しを意識した中級レベルの内容になっており、初学者でも理解しやすいように段階的にモデルを数式化して学べるように構成されています。

具体的には、実証分析の基礎や重力モデルの解説、自由貿易と保護貿易のメリットの検証など、経済理論を基にした実証研究の手法を紹介しています。また、社会厚生の数値化や異なる市場での競争、保護貿易の政治経済学など、実際の経済現象を理解するための多岐にわたるトピックが取り上げられています。

 

 

上級国際貿易 —理論と実証—

『上級国際貿易 —理論と実証—』は、ロバート・C・フィンストラ氏著、伊藤元重氏監修、下井直毅氏翻訳による、国際貿易に関する理論と実証の最新研究を扱った書籍です。この本は、現実の貿易の世界と経済理論を整合的に理解することを目標にしており、主に大学院生を対象としていますが、貿易理論に興味のある読者にも有用な内容となっています。

本書では、輸入数量割当や輸出補助金、貿易政策の政治経済学、貿易と内生的成長、多国籍企業と企業組織など、国際経済学の様々な側面を深く掘り下げています。各章では、関税と数量割当の同等性、不完全競争や品質選択に起因する非同等性、自由貿易における均衡、多製品を扱う企業の価格付け、輸出自主規制など、具体的なテーマについて詳細な分析と演習問題が提供されています。

また、貿易政策の政治経済学に関しては、中位投票者モデルや保護の販売モデル、内生的なロビー活動、地域貿易協定など、政治と経済の相互作用に焦点を当てています。さらに、貿易と成長の関係、多国籍企業の戦略、企業組織に関する洞察も提供しており、国際経済学の複雑な問題を理解するための実践的なガイドとなっています。

 

 

 

 

国際貿易 ―グローバル化と政策の経済分析―

 

ジョン・マクラレン氏著、柳瀬明彦氏翻訳の『国際貿易 ―グローバル化と政策の経済分析―』でグローバル化に伴う様々な現実の政策問題や、歴史上の出来事を題材として取り上げ、伝統的な貿易モデルから最新の理論・実証研究までを網羅しています。

この書籍は、環境、児童労働、移民など、グローバル化が引き起こすさまざまな問題について考察し、国際経済学の理論や政策分析を提供するものと考えられます。また、国際経済学を学ぶ上でのテキストとして、また、グローバルな視点から様々な問題を考えるための参考書として有用であるります。

 

 

貿易入門:世界と日本が見えてくる (大学生の学びをつくる)

 

『貿易入門:世界と日本が見えてくる (大学生の学びをつくる)』は、大学1年生を主な対象とし、貿易の基本から現状に至るまでを包括的に解説する教科書です。コロナ禍やウクライナ戦争の影響を含む最新情報を反映しており、貿易の歴史、理論、政策、実務、国際収支、外国為替などの内容が含まれています。国際ビジネスを目指す人々にも適しています。全体としては、貿易の基礎、展開、課題について、各セクションごとに詳しく説明しているテキストです。

 

 

 

なぜ自由貿易は支持されるのか: 貿易政治の国際比較

 

久米郁男氏(早稲田大学教授)編集の『なぜ自由貿易は支持されるのか: 貿易政治の国際比較』は、自由貿易をめぐる政治対立をサーベイ実験を通じて読み解く本です。国際社会における自由貿易体制の退潮と新たな自由貿易協定の締結が広がる現状を背景に、人々が自由貿易を支持する底堅い理由を、消費者の利益や安全保障上の利益に焦点を当てて実証的に明らかにします。

本書の内容は以下のように構成されています。

序章では自由貿易の政治的基盤について久米郁男氏が論じ、
第I部では日本の貿易政治に焦点を当て、「市場取引の利益」や安全保障と自由貿易の関係について掘り下げます。

第II部では比較の視点から、ドイツ・イタリアや米国・メキシコにおける国際貿易支持とEU支持の関係、自由貿易の国内基盤に関する比較分析、ナショナリズムと自由貿易についてサーベイ実験を通じた分析を提供します。
第III部では政治制度と貿易政治の関係を探り、人々の対外意識・態度と通商政策について論じます。

『なぜ自由貿易は支持されるのか』は、自由貿易がもたらす複数の利益と、それによって支持される根強い理由を明らかにするための実証的な分析を提供しています。この書籍は、政治学、国際関係、経済学に関心がある読者にとって有益な資料となるでしょう。

 

 

貿易戦争の政治経済学:資本主義を再構築する

 

ダニ・ロドリック氏の著書『貿易戦争の政治経済学:資本主義を再構築する』では、グローバリゼーションの論客として知られるロドリック氏が、現代国際貿易の問題点を政治学と経済学の視点から分析しています。本書では特に、米国と中国の間で進行中の貿易戦争が世界経済に及ぼす影響に焦点を当てており、トランプ政権下のアメリカの国益を重視した政策や、中国の貿易赤字がアメリカ経済に与える負の影響などが検証されています。

ロドリック氏は、中国の急速な輸出拡大がアメリカにおける雇用低迷や富の分配への悪影響をもたらし、特定の産業において失業率が長期間高止まりする一方で、他の産業ではそれを相殺する形の雇用増加が見られなかったことを指摘しています。また、中国との貿易が持つ公正性の問題、すなわち中国政府による補助金を使った輸出促進や意図的な通貨安政策などがアメリカの貿易赤字に大きく寄与しているとし、これがトランプ政権の貿易政策に影響を与えていると論じています。

さらに、ロドリック氏は自由主義と重商主義の対立という観点から現状を分析し、これまでの自由主義陣営と重商主義陣営が共存していた状況が、先進国における格差拡大や中間層の苦境により変化していると述べています。特に米国では自由主義から重商主義への転換が進んでいるとし、これが国際貿易における新たな緊張関係を生み出していると警鐘を鳴らしています。

 

 

国際貿易法入門 ――WTOとFTAの共存へ

 

関根豪政氏の著書『国際貿易法入門 ――WTOとFTAの共存へ』(ちくま新書)は、国際貿易法の基礎から現代の自由貿易協定(FTA)の増加と世界貿易機関(WTO)の弱体化に至るまでの背景を解説しています。

著者の関根豪政氏は、1981年生まれで、慶應義塾大学大学院法学研究科の博士課程を修了し、博士(法学)の学位を取得しています。現在は名古屋商科大学経済学部の教授として勤務しています。国際貿易法に関する深い知識と研究背景を持ち、『国際貿易紛争処理の法的課題』(共編著)や『体験する法学』(共編著)などの著書もあります。

本書は、戦後間もなく確立された国際貿易法の基礎、1995年に発足したWTOの役割とその後の弱体化、さらにはFTAの増加とそれらが日本に与える影響について、具体的なFTAの例(TPP、日EU・EPA、RCEP、日米貿易協定など)を挙げながら詳細に解説しています。最終的には、WTOとFTAが共存する新しい時代の国際貿易体制を提案し、日本を取り巻く国際環境の変化についても論じています。

目次は以下の通りです。

  • WTOとルール・メイキングの停滞
  • WTO紛争処理制度とその危機
  • FTAの隆盛
  • 日本のFTA政策と日本が参加する協定
  • WTO・FTA共存の時代

この本を通して、読者は国際貿易法の基礎知識を得るとともに、現代の国際貿易の複雑な状況を理解し、ビジネスに活かすことができるようになるでしょう。

 

 

 世界経済論:変容するグローバリゼーション

 

『世界経済論:変容するグローバリゼーション』は、1980年代以降のアメリカ主導のグローバリゼーションが生んだ国内外の「社会経済的な分断」に焦点を当て、現代世界経済の構造を解説しています。歴史、理論、制度を網羅し、具体的な事象とその背景にある問題の関連性を明らかにし、読者が現代の世界経済を理解するための基礎知識と考察力を身につけることを目的としています。山本和人氏と鳥谷一生氏が編著者です。

 

 

大学4年間の国際政治学が10時間でざっと学べる

 

国際政治学とは、国家間の関係や国際システム、国際法、国際組織などを研究する学問分野で、この分野の国際関係の動向を理解し、国家の対外政策や国際紛争の原因と解決策を分析する上で重要な役割を果たしています。