基礎数学 – 統計数理基礎 – 条件付き確率

条件付き確率は、ある事象が起こったという条件のもとで、別の事象が起こる確率のことを言います。これは、ある情報が与えられたときに、事象の発生確率がどのように変わるかを理解するのに役立ちます。

条件付き確率は次の式で表されます。
\[ P(A|B) = \frac{P(A \cap B)}{P(B)} \]

ここで、
– \( P(A|B) \) は、事象Bが起こったという条件のもとで事象Aが起こる確率です。
– \( P(A \cap B) \) は、事象Aと事象Bが同時に起こる確率です。
– \( P(B) \) は、事象Bが起こる確率です。

例として、あるクラスに男性10人、女性20人がいるとします。このクラスから無作為に1人を選ぶとき、その人が女性である確率は、全体の人数30人中から20人が女性なので、\( P(女性) = \frac{20}{30} = \frac{2}{3} \) です。

ここで、さらに情報を加えて、選ばれた人が長髪であるとします。クラス全体で長髪の人が15人おり、そのうち女性が10人だとした場合、選ばれた人が長髪であるという条件のもとで女性である確率はどうなるでしょうか。

この場合の条件付き確率 \( P(女性|長髪) \) は、
\[ P(女性|長髪) = \frac{P(女性 \cap 長髪)}{P(長髪)} = \frac{10/30}{15/30} = \frac{10}{15} = \frac{2}{3} \]

この例では、条件付き確率を通じて、ある情報(この場合は「長髪である」という情報)が与えられたときに、特定の事象(この場合は「女性である」という事象)の確率がどのように変わるか(または変わらないか)を考察できます。条件付き確率は統計学や機械学習、日常生活の意思決定においても重要な概念です。