【概要レベル】経済数学教室1〜9 – 小山昭雄 著

経済数学の参考書・教科書おすすめテキスト本【経済学で使う数学を入門から理解!】

 

 

 

 

経済数学教室〈1〉線型代数の基礎〈上〉

 

目次

第1章 予備的考察(基本的な推論形式;集合 ほか)
第2章 行列式(行列式の定義;行列式の基本性質 ほか)
第3章 ベクトル(ベクトル;ベクトル空間 ほか)
第4章 行列(行列の定義;行列の積 ほか)

 

 

経済数学教室〈2〉線型代数の基礎〈下〉

 

目次

第5章 2次形式(対称行列の固有値と固有ベクトル;対称行列の対角化 ほか)
第6章 ベクトルと幾何学(簡単な幾何学の問題;直線、平面の方程式 ほか)
第7章 ベクトル空間の線型写像(集合と写像;線型写像 ほか)
第8章 線型変換の構造―正方行列の標準化への道(ベクトル空間の直和;基底の変更に伴う表現行列の変化 ほか)
付録 一般逆行列と特異値分解(一般逆行列;特殊な一般逆行列 ほか)

 

内容(1巻、2巻)

経済数学教室シリーズの第1巻『線型代数の基礎〈上〉』と第2巻『線型代数の基礎〈下〉』は、経済学の数学的基盤を構築するための重要な入門テキストです。これらの書籍は、経済学における数多くの理論やモデルがどのように数学的に形成されるかを理解するために必要な線型代数の概念を解説しています。

第1巻は、高校数学の復習から始まり、集合、関数、方程式といった基礎知識を確認します。その後、行列とベクトルの基本的な概念を導入し、これらが経済学の分析にどのように活用されるかを説明します。行列式、ベクトル空間、行列の積などのトピックは、一般均衡理論や産業連関分析などの経済理論を数学的に表現するのに不可欠です。これらの数学的ツールは、経済システム内の様々な要素間の相互作用をモデル化し、効率的な解析と予測を可能にします。

第2巻は、より高度なトピックを扱い、個々の経済主体の最適化行動や資産選択問題に必要な数学的枠組みを提供します。2次形式とその応用に焦点を当て、対称行列の固有値や対角化などを通じて、経済学における多様な数学的問題を解くための技術を紹介します。また、ベクトルと幾何学を経済学の文脈でどのように利用するか、そして線型変換や線型写像が経済モデルの理解にどのように貢献するかを説明します。特に線型変換の構造や正方行列の標準化は、経済学の理論や実践において重要な意味を持ちます。

 

 

 

 

 

 

 

 

経済数学教室〈3〉線型代数と位相〈上〉

目次

第1章 Rの位相的考察(実数の連続性;実数体系Rの位相構造 ほか)
第2章 Rnの位相的考察(点列の極限;近傍、開集合、閉集合 ほか)
第3章 凸集合と線型不等式(凸結合と非負結合;凸集合 ほか)
第4章 不動点定理(写像の不動点;Brouwerの不動点定理 ほか)
第5章 複素数(複素数とは何か;平面上の点としての複素数、複素平面 ほか)

 

経済数学教室〈4〉線型代数と位相〈下〉

 

目次

第6章 非負行列(産業連関分析と非負行列;基本方程式の非負解 ほか)
第7章 線型計画法(線型計画問題;解の性質 ほか)
第8章 ゲームの理論―ゼロ和2人ゲームとその周辺(ゼロ和2人ゲーム;行列ゲーム ほか)
第9章 線型経済モデル(線型生産体系の有効点;産業連関モデルにおける非代替定理 ほか)
付録 位相空間(一般の集合の中で“近さ”をどう捉えるか;近傍系と開集合系 ほか)

 

内容(3巻、4巻)

経済数学教室シリーズの第3巻『線型代数と位相〈上〉』と第4巻『線型代数と位相〈下〉』は、経済学における数学的な手法を理解するために設計されています。これらのテキストは、経済学で使われる数学の基本概念を網羅的に解説しており、特に線型代数と位相空間に焦点を当てています。

第3巻では、まず実数の連続性や位相構造についての基本的な考察から始まります。これは経済学でよく使われる関数の連続性や極限の概念を理解するための土台を築くことを意図しています。その後、n次元実数ベクトル空間の研究に移行し、経済学における多次元データや変数間の関係を表現する際の数学的枠組みを提供します。線型不等式や凸集合の解説は、経済学における最適化問題や線型計画法、産業連関分析などの理論に直接関連しています。不動点定理や複素数の扱いは、経済学のモデルにおける平衡点の解析や、代数的な問題解決に役立ちます。

 

第4巻では、非負行列の理論を通じて、産業連関分析のような経済モデルにおける重要な数学的手法を説明しています。非負行列は経済システムの異なる部門間の相互依存関係を表すのに使われ、基本方程式の非負解は生産量や供給量の最適化問題に直結します。線型計画法は資源の割り当てや生産計画の最適化に、ゲーム理論は競争環境下での戦略的決定に役立ちます。位相空間の概念は、抽象的な集合や空間における“近さ”の概念を扱うための基礎として、経済モデルにおける連続性や収束の性質を考慮する際に重要です。

 

 

 

 

 

 

経済数学教室〈5〉微分積分の基礎(上)

 

目次

第1章 微分法(微分係数、導関数;導関数;平均値の定理とその周辺 ほか)
第2章 積分法(不定積分(原始関数)
不定積分の基本公式
有理関数の積分 ほか)
第3章 偏微分(偏微分係数と偏導関数;全微分;方向微分係数 ほか)

 

経済数学教室〈6〉微分積分の基礎(下)

 

目次

第4章 無限級数(無限級数;正項級数 ほか)
第5章 重積分(重積分の定義と基本性質;累次積分への還元 ほか)
第6章の非線型計画法(非線型計画問題;局所最適性の必要条件(1)―F.Johnの定理 ほか)
第7章 経済学における最適化と比較静学(最適値関数と包絡線定理;選好と効用関数 ほか)

 

内容(5巻、6巻)

経済数学教室シリーズの第5巻『微分積分の基礎(上)』と第6巻『微分積分の基礎(下)』は、経済学における微分積分の使用方法とその重要性を解説することに特化しています。これらのテキストは、経済学者が理論モデルの構築、分析、最適化問題の解決に必要な微分積分の知識を習得するための基礎を提供します。

第5巻では、微分法と積分法の基本的な理論から始まります。この部分では、微分係数や導関数の概念、平均値の定理などが詳細に説明されており、これらは関数の振る舞いを理解し予測するのに不可欠です。また、積分法においては、不定積分や有理関数の積分方法などが扱われ、これによって経済関数の総和や累積影響を評価する手法が提供されます。さらに、偏微分のセクションでは、多変数関数における部分的な変化を扱い、これが経済学においてどのように役立つかが強調されています。たとえば、生産関数や効用関数における要素の限界影響を測定する際には偏微分が欠かせません。

第6巻は、より高度なトピックを扱い、無限級数、多重積分、非線型計画法、および経済学における最適化と比較静学を解説します。無限級数は、経済的な無限時間モデルや割引現在価値の計算などに適用されます。多重積分は、経済的な複数の変数を持つ関数の総合的な影響を分析するために使われることがあります。非線型計画法は、経済モデルにおけるより複雑な最適化問題、特に非線形の制約や目的関数を持つ問題に対処する際に重要です。また、最適化と比較静学の章では、経済学者がどのようにして効用最大化やコスト最小化のような経済的決定を行うかを数学的に評価します。

 

 

 

 

 

経済数学教室〈7〉ダイナミック・システム〈上〉

 

目次

第1章 差分法、和分法、差分方程式(差分法;和分法;差分方程式;連立線型差分方程式 ほか)

第2章 常微分方程式(微分方程式とは何か;1階微分方程式の解法;高階線型微分方程式;定数係数の高階線型微分方程式 ほか)

 

経済数学教室〈8〉ダイナミック・システム〈下〉

 

目次

第3章 変分法(いろいろな変分問題;弱極値と強極値;固定端点問題における弱極値の諸条件;強極値;固定端点問題の一般化;複数個の未知関数を含む変分問題;条件付き変分問題;独立変数が複数個の変分問題

第4章 動的計画法(動的計画法の適用例;動的計画法の一般的構造;変分法へのDPの適用)

第5章 最適制御理論(最適制御問題の一般的構造―連続時間の場合;基本問題とそれに対する最大原理;終点条件の変更;条件付き最適制御問題;線型制御問題;最適制御問題と変分問題;離散時間の最適制御問題)

 

内容(7巻,8巻)

経済数学教室シリーズの第7巻『ダイナミック・システム〈上〉』と第8巻『ダイナミック・システム〈下〉』は、経済学におけるダイナミック(動的)なモデルの理解と解析に必要な数学的手法を深く掘り下げています。これらのテキストは、時間を通じて変化する経済現象をモデル化し、最適化問題を解くための理論的基盤を提供することを目的としています。

第7巻では、差分法と微分方程式を中心に扱います。差分法と差分方程式は、離散的な時間ステップでモデル化される経済現象、例えば年ごとの経済成長や季節ごとの消費パターンなどを分析するのに使用されます。これらは経済データの時系列分析や動的な経済モデルの構築に不可欠です。一方、常微分方程式は、時間に連続的な変化を伴う経済システム、例えば資本蓄積や人口成長などのモデルに適用され、システムの挙動や安定性を分析するのに役立ちます。

第8巻では、変分法、動的計画法、最適制御理論を詳細に扱います。変分法は、特定の機能を最適化するための解を見つけるのに使われ、経済学での資源割り当てや効率的な生産パターンの探求に応用されます。動的計画法は、時間を通じて最適な決定を連続的に行う問題、例えば在庫管理や投資計画に有効です。最適制御理論は、システムの状態を時間とともに制御し最適化するための強力なフレームワークを提供し、経済政策の設計や企業の長期戦略に適用されます。

 

 

 

 

経済数学教室〈9〉確率論

 

目次

第1章 確率論の基礎概念
第2章 確率変数とその分布
第3章 1次元確率変数をめぐる話題
第4章 多次元確率変数をめぐる話題
第5章 確率変数列の収束
第6章 確率過程
第7章 Markov過程
第8章 条件付期待値とマルチンゲール
第9章 確率過程の微分・積分
第10章 確率微分方程式

『経済数学教室』シリーズの第9巻では、経済学や経営学の学習に必要不可欠な「確率論」の理解を深めることを目的としています。確率論は経済理論、金融理論、リスク管理、意思決定分析など、多岐にわたる領域での応用があります。この書籍は、確率論の基礎から応用までを広範囲にわたりカバーしており、経済学の学習において重要な役割を果たします。

 

経済学での確率論の具体的な使用例

・リスクと不確実性のモデリング

経済学ではリスクと不確実性が中心的なテーマであり、確率論はこれらの要素を定量的に分析するための基本的なツールを提供します。たとえば、保険数理や金融市場の価格変動の分析などが挙げられます。

 

・確率過程と金融派生商品の価格設定

確率微分方程式は、株価や利子率などの時間とともに変動する金融資産の価格をモデル化するのに使われます。これは、オプション価格理論やリスク管理に直接的な応用があります。

 

・マルチンゲールと条件付き期待値

マルチンゲール理論は、フェアな賭けや情報のフィルタリング、経済時間系列の予測に使用される重要な概念です。この理論は、情報の進化に基づいた予測や評価を行う際の基盤となります。

 

・マルコフ過程と経済ダイナミクス

経済行動の時間的進化をモデル化する際、マルコフ過程がしばしば使用されます。これは、経済システムや市場の状態が「記憶のない」過程に基づいて進化すると考える際に有用です。

 

・確率変数の収束と大数の法則

経済データの解析や経済理論の検証において、大数の法則や中心極限定理など、確率変数列の収束の概念が頻繁に使用されます。これにより、大規模なデータセットから信頼性の高い推測を行うことが可能になります。