大学院の進学での研究室訪問とは
研究室訪問とは、大学院進学前に希望する研究室や指導教員を訪問し、研究内容や指導方針、研究室の雰囲気を確認する活動です。研究室の環境が大学院生活全体に影響を及ぼすため、訪問は重要と言われています。
しかしながら、経済学の修士課程時点での大学院では必要がありません。特に大学学部から違う大学院への外部の方々が必要かと思ってしまうのですが、その場合でも必要ありません。
まずは通常、理系、また別分野の文系の大学院の分野ではスタンダードで、下記のような流れがあります。
研究室訪問が重要な理由
・教員について理解を深める
教員の指導スタイルや人柄を知り、自分に合った教員を選ぶことで、充実した研究生活が送れます。指導教員は研究活動やキャリアにも大きく影響するため、相性が重要です。
・研究室の雰囲気を把握する
研究室での生活には他の学生との協力も不可欠です。研究仲間との相性や助け合いの文化が、自身の成長を支える要素になります。
・疑問や不安を解消する
研究テーマや指導方針、進路相談などを質問することで、研究活動や大学院生活の具体像が見えてきます。
研究室訪問の時期と準備
・訪問の最適時期:学部3年の夏から4年の初夏がベスト。ただし、卒論・修士論文で忙しい12月から2月上旬は避けましょう。
・アポイントメントの取り方:メールでの事前連絡が一般的。少なくとも訪問の2週間前には連絡し、日程を調整します。
訪問当日のポイントとマナー
・服装:内部生:私服(清潔感があるもの)、外部生:スーツが無難
・持ち物:USBやメモ帳を持参し、過去問やスライドの保存や、質問事項の記録に備えます。
・挨拶と質問:到着時に教員や学生に挨拶し、質問を通じて研究室の雰囲気や指導方針を確認。礼儀正しく感謝の意も伝えましょう。
訪問時に聞くべき質問
- 研究テーマやトピック:研究の背景や進め方を確認する。
- 学会発表や論文投稿の機会:研究成果の発表頻度を把握する。
- 教員と学生の距離感:指導方法や日常の交流のあり方を確認。
- コアタイムや稼働時間:研究室の活動時間を事前に理解する。
- 就職活動や大学院入試の支援:研究と並行できるか確認する。
- 研究設備の充実度:実験装置や分析機器の利用状況を確認する。
- ゼミや報告会の頻度:研究活動にどの程度時間を割く必要があるか把握する。
複数研究室の比較と最適な選択
複数の研究室を訪問し、自分の研究目標やキャリアに合った環境を見極めます。先輩や友人にも相談し、他の研究室と比較することで、最適な選択が可能になります。
経済学の修士課程では
経済学の場合、修士課程のスタンスとしては、修士2年次に進級する前にやっと研究テーマを決め、そこから担当教官を選ぶのが一般的です。そのため、大学院入試時に提出した研究計画書と実際の研究内容が異なることが多く、研究テーマは大学院入学後も変わる傾向があります。
したがって、入試時点での研究室訪問や教員への問い合わせは必須ではありません。むしろ、こうした研究をやりたいといった内容や、世間話程度の会話のために、各大学院の先生に直接連絡を取ることは避けるべきです。
これをやってしまうと、先生側からは「経済学研究科の院試の作法が分かっていないなぁ」と思われてしまします。
大枠での質問とかがあれば、必ず各大学院の院試説明会で確認しましょう。
研究室訪問ではなく話す可能性
もし、大学院での先生に話す機会がある場合は例えば既にリサーチアシスタントで知り合っていて、既に研究もある程度話せる場合などです。この場合は元々先生側もしってくれているので、より研究について話す機会はあるでしょう。
まだ研究計画調書段階で、構想がないまま行ってしまうのだけは避けましょう。
ただし、先生によっては面倒見が良い方もいらっしゃいます。そのような教員であることが分かれば、訪問してみるのも一つの手ですが、あくまで個人的な関係づくりに留まります。出願の際の加点にはなりませんので、研究室訪問が合否に直接影響を与えることは期待しない方がよいでしょう。