基礎数学 – 統計数理基礎 – 分散、標準偏差(演習2)

<標準偏差>

問題

あるクラスの生徒10人が数学のテストを受けました。その得点は以下の通りです:

85, 92, 88, 76, 81, 95, 89, 78, 84, 90

このデータに基づいて、以下の問いに答えてください。

1. このデータセットの平均(平均点)を計算してください。
2. 各生徒の得点が平均点からどれだけ離れているか、つまり各得点の平均からの偏差を計算してください。
3. このデータセットの分散を計算してください。
4. このデータセットの標準偏差を計算してください。

 

 

 

 

 

 

 

 

解答:

ステップ1: 平均(平均点)の計算

平均は、すべてのデータ値の合計をデータの個数で割ったものです。

\[ \text{平均} = \frac{\text{データの合計}}{\text{データの個数}} \]

ステップ2: 偏差の計算

偏差は、各データ点が平均からどれだけ離れているかを示します。これは、各データ点と平均との差です。

\[ \text{偏差} = \text{データ点} – \text{平均} \]

ステップ3: 分散の計算

分散は、偏差の二乗の平均です。これにより、データが平均からどれだけ散らばっているかがわかります。

\[ \text{分散} = \frac{\sum (\text{偏差}^2)}{\text{データの個数}} \]

ステップ4: 標準偏差の計算

標準偏差は、分散の平方根です。これにより、データの散らばりの程度を平均と同じ単位で表すことができます。

\[ \text{標準偏差} = \sqrt{\text{分散}} \]

 

 

 

 

それでは、与えられたデータセットにこれらのステップを適用してみましょう。

データセット: 85, 92, 88, 76, 81, 95, 89, 78, 84, 90

まずは平均を計算します。

データセットの平均点は85.8点です。

 

 

ステップ2: 偏差の計算

次に、各生徒の得点が平均点からどれだけ離れているか、つまり各得点の平均からの偏差を計算します。これは、各データ点から平均点を引くことで求められます。

各得点の平均からの偏差は以下の通りです(少数点以下は丸めています)。

– 85点: -0.8
– 92点: +6.2
– 88点: +2.2
– 76点: -9.8
– 81点: -4.8
– 95点: +9.2
– 89点: +3.2
– 78点: -7.8
– 84点: -1.8
– 90点: +4.2

 

 

ステップ3: 分散の計算

次に、分散を計算します。分散は偏差の二乗の平均です。偏差を二乗し、それらの平均を求めます。

 

\[
\text{分散} = \frac{(-0.8)^2 + (6.2)^2 + (2.2)^2 + (-9.8)^2 + (-4.8)^2 + (9.2)^2 + (3.2)^2 + (-7.8)^2 + (-1.8)^2 + (4.2)^2}{10} = 33.96
\]

データセットの分散は33.96です。

 

 

ステップ4: 標準偏差の計算

最後に、標準偏差を計算します。標準偏差は分散の平方根です。

\[
\text{標準偏差} = \sqrt{33.96} \approx 5.83
\] データセットの標準偏差は約5.83です。

この標準偏差の値は、生徒の得点が平均点(85.8点)からどれだけ散らばっているかを示しています。標準偏差が大きいほど、得点の散らばりも大きいことを意味します。この場合、標準偏差が約5.83であるため、生徒の得点は平均点の周りに比較的広がっていることがわかります。