【過去問】大阪大学大学院経済学研究科 – 入試問題(院試)解答

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2022年度(2021年実施)ミクロ

(a) 各消費者の限界代替率(marginal rate of substitution)を求めます。
消費者1の効用関数: $U_1(x_1, y_1) = \sqrt{x_1 y_1}$
消費者1の限界代替率(MRS)は、消費者が財Xと財Yを交換する際に放棄するYの量に対するXの量です。これは、消費者1の効用関数に対する財Xの限界効用と財Yの限界効用の比率で求めることができます。

$MU_{1x} = \frac{\partial U_1}{\partial x_1} = \frac{1}{2} \frac{y_1}{\sqrt{x_1 y_1}}$
$MU_{1y} = \frac{\partial U_1}{\partial y_1} = \frac{1}{2} \frac{x_1}{\sqrt{x_1 y_1}}$
$MRS_1 = \frac{MU_{1x}}{MU_{1y}} = \frac{y_1}{x_1}$
消費者2の効用関数: $U_2(x_2, y_2) = ax_2 + by_2$
消費者2の限界代替率(MRS)は、同様に消費者2の効用関数に対する財Xの限界効用と財Yの限界効用の比率で求めることができます。
$MU_{2x} = \frac{\partial U_2}{\partial x_2} = a$
$MU_{2y} = \frac{\partial U_2}{\partial y_2} = b$
$MRS_2 = \frac{MU_{2x}}{MU_{2y}} = \frac{a}{b}$

 

(b) パレート効率的な配分を求めるために、消費者1の限界代替率(MRS)と消費者2の限界代替率が等しい場合を考えます。MRSは、ある消費者が1単位の財Xを放棄して得る財Yの単位数です。

消費者1のMRS: $\frac{MU_{1x}}{MU_{1y}} = \frac{y_1}{2x_1}$

消費者2のMRS: $\frac{MU_{2x}}{MU_{2y}} = \frac{a}{b}$

消費者1と消費者2のMRSが等しいとき、

$\frac{y_1}{2x_1} = \frac{a}{b}$

さらに、市場全体で資源制約があるため、

$x_1 + x_2 = 3$ および $y_1 + y_2 = 3$

これらの式を解くと、パレート効率的な配分が求められます。

 

(c) 市場の無差別曲線と供給を一致させる競争均衡価格を求めるには、次の条件を満たす必要があります。

消費者1のMRS = $\frac{p}{1}$(財Xの価格)/ 1(財Yの価格)

消費者2のMRS = $\frac{p}{1}$

$x_1 + x_2 = 3$

$y_1 + y_2 = 3$

上記の条件を満たすpおよび各消費者の消費量を求めます。

(d) 消費者1の効用関数が$U_1(x_1,y_1) = x_1^n * y_1^m$に変わった場合でも、消費者2の効用関数は変わらないため、消費者2のMRSは変わりません。しかし、消費者1のMRSは変わる可能性があるため、新たな効用関数で競争均衡条件を満たすかどうかを検討する必要があります。変化があるかどうかは、新たなMRSが均衡条件を満たすかどうかによって決まります。

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【大阪大学大学院経済学研究科】2021年度(2020年実施)院試試験 – 解答